[歴史②]世界史

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レスピーギ


レスピーギ

レスピーギの生涯・経歴

レスピーギ(1879-1936)は、イタリア近代の代表的作曲家である。

小学館 『日本大百科全書』

1879年に古い大学街、そして美食の街でもあるイタリアのボローニャで生まれた。

1891年から1897年まで生地ボローニャの音楽学校でビオラ、作曲などを学んだ。作曲では、イタリアにワーグナーの音楽を広めたジュゼッペ・マルトゥッチに学んでいる。

卒業後はバイオリン、ビオラ奏者として活躍した。

ロシアでも演奏し、1900年にペテルブルグ歌劇場のオーケストラでビオラ奏者を務めた。そこで出会った管弦楽法の匠リムスキー・コルサコフの音楽に感銘を受け、作曲と管弦楽法を学んだ。

なお、レスピーギの華麗な管弦楽法は、まず師コルサコフ、そしてリヒャルト・シュトラウスドビュッシーの影響を受けている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ レスピーギの交響詩「ローマの松」』 2023/1/12放送。小学館 『日本大百科全書』。NHK-FM(東京) 『レスピーギの交響詩「ローマの祭り」 - 音楽の泉 - NHK』 2024/6/23放送

また、ドイツでブルッフに作曲を学ぶなど、若い頃には様々な体験を重ねながら、次第に作曲家としてその名が知られるようになっていった。
そして、1913年30代の半ばに、伝統と格式を誇るローマのサンタ・チェチーリア音楽院の教授に就任してローマに移住し、1920年代の半ばまで務めた。
レスピーギは古くからの歴史を持つ永遠の都ローマを愛し、また伝統ある音楽院の図書館にある古い楽譜にも大いに興味を持ち、そこから見出したルネサンス時代やバロック時代の音楽を元にした作品も数多く作曲した。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ レスピーギの交響詩「ローマの松」』 2023/1/12放送。NHK-FM(東京) 『レスピーギの交響詩「ローマの祭り」 - 音楽の泉 - NHK』 2024/6/23放送

1919年には作曲家・声楽家でグレゴリオ聖歌の研究者であったエルザと結婚した。

NHK-FM(東京) 『レスピーギの「教会のステンドグラス」 - クラシックカフェ - NHK』 2023/6/6放送。エルザ・レスピーギ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/エルザ・レスピーギ

レスピーギの作品

作風・音楽傾向など

1910年代20年代のイタリアでレスピーギほど母国の歴史、宗教、美術、音楽史に思いを寄せた作曲家はいない。
彼の芸術上のモットー、信条は「オペラの国イタリアに器楽の時代を」「交響楽の復興を」であった。

NHK-FM(東京) 『レスピーギの交響詩「ローマの祭り」 - 音楽の泉 - NHK』 2024/6/23放送

交響詩
ローマ3部作

ローマの古い音楽的伝統に根ざした彼の豊かな手法は、1916年から1928年にかけて作曲した交響詩の3部作「ローマの泉」(1914~16)、「ローマの松」(1924)、「ローマの祭」(1928)にみごとに結実している。永遠の都ローマをいくつもの視座で描いている。

小学館 『日本大百科全書』。NHK-FM(東京) 『レスピーギの交響詩「ローマの祭り」 - 音楽の泉 - NHK』 2024/6/23放送


ローマの松

1924年に書き上げられたレスピーギフ40代半ばの作品。
ローマには街のあちこちに背の高い松の木が見られる。日本で一般的に見られる松とは少し違った笠松という木が多いという。スッと背が高く、松ぼっくりも大きな松である。古代ローマの昔からずっと人々を見下ろしているかのような風格のある松の木が街のあちらこちらに見られる。
レスピーギはこの松の木を通して古のローマに思いを馳せ、4つの曲からなる交響詩「ローマの松」を書き上げた。それぞれの曲にはタイトルが付けられている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ レスピーギの交響詩「ローマの松」』 2023/1/12放送

ローマの祭り

この作品は1928年に書かれ、翌1929年にカーネギーホールで初演された。曲は続けて演奏される4曲からなる。

NHK-FM(東京) 『レスピーギの交響詩「ローマの祭り」 - 音楽の泉 - NHK』 2024/6/23放送

管弦楽曲
リュートのための古風な舞曲とアリア

先述したようにレスピーギは古くからの歴史を持つ永遠の都ローマを愛し、また伝統ある音楽院の図書館にある古い楽譜にも大いに興味を持って、そこから見出したルネサンス時代やバロック時代の音楽を元にした作品も数多く作曲した。この作品のその1つで、16、17世紀のルネサンス時代にリュートで演奏されていた作品を弦楽合奏用に編曲した。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ レスピーギの交響詩「ローマの松」』 2023/1/12放送。NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 ストラヴィンスキー組曲「プルチネッラ」』 2024/4/29放送

第1ー第3までの3集の組曲があり、それぞれ4曲からなる。各曲にはタイトルが付けられている。中でも第3組曲が有名で演奏機会も多い。

リュートのための古風な舞曲とアリア - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/リュートのための古風な舞曲とアリア。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ レスピーギの交響詩「ローマの松」』 2023/1/12放送

管弦楽組曲「ロッシニアーナ」

ロッシーニの作品をレスピーギがオーケストラ用に編曲した作品である。
1918年レスピーギはバレエ・リュスを率いるセルゲイ・ディアギレフの依頼で、ロッシーニの未出版の小品集「老年の悪戯」の中から素材を借りてバレエ音楽「風変わりな店」を作曲した。
「老年の悪戯」はロッシーニが晩年に書き溜めたピアノや歌、室内楽のための作品およそ200曲からなるものである。
そして、1925年レスピーギは同じ小品集から24曲を選び管弦楽組曲「ロッシニアーナ」を完成させた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ムソルグスキー組曲「展覧会の絵」他』 2022/11/15放送

教会のステンドグラス

ピアノ曲「グレゴリオ聖歌による3つの前奏曲」にオルガンまで含む壮麗な大編成のオーケストレーションを施した、知る人ぞ知る名作。
「ローマの松」を手がけた翌年の1925年、46歳の年「グレゴリオ聖歌による3つの前奏曲」の3曲のアレンジに加え、終曲を1曲書き下ろして4曲からなる荘厳な楽曲を完成させた。
完成後、レスピーギ夫妻の友人で文学者のクラウディオ・グヮスタッラが「教会のステンドグラス」というタイトルを発案し、各曲の表題も彼とレスピーギが考えたという。

NHK-FM(東京) 『レスピーギの「教会のステンドグラス」 - クラシックカフェ - NHK』 2023/6/6放送

組曲「鳥」

フランスのガロやラモー、イタリアのパスクィーニなど17世紀から18世紀頃の鍵盤楽器の音楽を基に作られた管弦楽のための組曲。全体は5つの曲からなり、それぞれタイトルが付けられている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ レスピーギの交響詩「ローマの松」』 2023/1/12放送

ボッティチェリの3枚の絵

イタリアルネサンスの画家ボッティチェリの3枚の名画を色彩的なオーケストレーションで描き出した作品。全3曲。1927年作曲。

NHK-FM(東京) 『ブラームスピアノ協奏曲第2番 - クラシックの庭 - NHK』 2024/6/11放送

室内楽曲
バイオリン・ソナタ ロ短調 P110

ローマ3部作の第1作「ローマの噴水」に続く形で1917年に作曲した。
第3楽章はレスピーギお得意のバロックの変奏曲バッサカリアのスタイルで書かれている。

NHK-FM(東京) 『レスピーギの交響詩「ローマの祭り」 - 音楽の泉 - NHK』 2024/6/23放送

レスピーギの室内楽曲の中でも大規模な作品である。

ヴァイオリンソナタ ロ短調 (レスピーギ) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ヴァイオリンソナタ ロ短調 (レスピーギ)

ピアノ曲(ピアノ独奏曲)
グレゴリオ聖歌による3つの前奏曲

レスピーギが残した数少ないピアノのための作品。1919年の夏、カプリ島で作曲された。
レスピーキが教会旋法を用いた作品が多い理由にはこの年に結婚した妻のエルザがグレゴリオ聖歌の研究者だった影響もあると言われている。エルザの回想録によると、この作品は新しい発見に心ときめかせる彼の内面と神秘的なものに身を委ねる宗教的感情を反映した作品だったという。

NHK-FM(東京) 『レスピーギの「教会のステンドグラス」 - クラシックカフェ - NHK』 2023/6/6放送



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