ワーグナー
ワーグナー
ワーグナーの生涯・経歴
ワーグナー(1813-1883)はドイツの作曲家である。
19世紀ロマン派の時代にドイツ・オペラの作曲家して活躍した。
三省堂 『スーパー大辞林』。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスのピアノ協奏曲第1番』 2023/11/2放送
1813年にライプツィヒで生まれた。
家中が芝居好きだった影響で、ワーグナーも芝居が好きになる。特に、ギリシア悲劇とシェイクスピアに夢中になった。
音楽に目覚めるのは、1828年、ベートーヴェンを聴いたときである。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、156項。
ベートーヴェンの作品を聴くに及んで音楽家になることを決意し、18歳でライプツィヒ大学に入学した。
小学館 『日本大百科全書』
ドレスデンの宮廷楽団時代
ワーグナーは1843年にドレスデンの宮廷楽団の指揮者に任命された。
小学館 『日本大百科全書』。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウスの交響曲第5番』 2023/1/25放送
指揮者を務める傍ら、歌劇「タンホイザー」「ローエングリン」などを完成させた。
ルートヴィヒ2世の援助
経済的な貧困から慌ただしい指揮旅行を続けるワーグナーは「タンホイザー」のパリ上演失敗など不運が重なり、絶望の極にあった1864年に、国王に即位したばかりの18歳の若きバイエルン国王ルートヴィヒ2世から招聘され、経済的援助の申し出を受ける。
小学館 『日本大百科全書』。中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、158項。
モーツアルトの時代まで、音楽家は王侯貴族の使用人だった。その後、ベートーベンになって、音楽家は芸術家としての地位を得て、使用人の身分から脱し、貴族たちをパトロンとするようになったが、ワーグナーにおいてついに、国王の方から援助させてほしいと言ってくれるまでになった。ルートヴィヒ2世とワーグナーとは主従関係ではなく、対等の友人となったのである。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、158-159項
ルートヴィヒ2世はワーグナーの強力なパトロンになった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスのピアノ協奏曲第1番』 2023/11/2放送
なお、ワーグナーはルートヴィヒ2世の援助を得て、自身の作品を上演するための歌劇場「バイロイト祝祭劇場」を建設した。今日でも夏にはここでバイロイト音楽祭が開催されている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスのピアノ協奏曲第1番』 2023/11/2放送
再婚
1870年、57歳でワーグナーはリストの娘であり、指揮者ハンス・フォン・ビューロー(リストの弟子であった)の妻であったコジマと結婚した。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、158項。
なお、56歳の時にコジマとの間に息子が生まれており、ジークフリートと名前を付けている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ マーラーの交響曲第5番 他』 2022/10/3放送
他の音楽家との関係
リスト
リストはワーグナーより2歳年上の1811年生まれ。ワーグナーは1813年生まれで2人は同世代の友人である。
ピアニストとして作曲家として早くから大成功を収めていたリストは、まだ世の中に認められていなかったワーグナーの良き理解者でその才能を高く評価するとともに様々な場面で惜しみなく彼を援助した。
ブルックナー
ブルックナーはワーグナーに師事した。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、206項。
ワーグナーの音楽史における位置づけ
ロマン派
新ドイツ楽派
ワーグナーは、リストらとともに新ドイツ楽派と呼ばれ、絶対音楽にこだわるブラームスらとは一線を画した。
フランツ・リスト - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/フランツ・リスト
総合芸術・楽劇
音楽と文学、舞踊による総合芸術を目指して、より大規模な舞台作品「楽劇」という独自のジャンルを生み出した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスのピアノ協奏曲第1番』 2023/11/2放送
ワーグナーの作品
オペラ
タンホイザー
歌劇「タンホイザー」は、ワーグナーが理想とした総合芸術楽劇を作曲するようになる前の作品で、1845年ワーグナー32歳の年に書き上げられ、その後改訂も行われた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲 』 2023/2/9放送
ローエングリン
ワーグナーはドレスデンの宮廷楽団で指揮者を務める傍ら、1848年に歌劇「ローエングリン」を完成させた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウスの交響曲第5番』 2023/1/25放送
全3幕からなる。
舞台は中世のベルギーで、中世の伝説に題材を取った「ローエングリン」は1850年に初演されて大きな成功を収め、ワーグナーの生前最も多く上演された作品となった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンの交響曲第7番 他』 2023/2/28放送
第1幕、第3幕への各前奏曲や「婚礼の合唱」(結婚行進曲)など、独立して演奏される曲も人気の高いものが多い。
ローエングリン - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ローエングリン
第1幕への前奏曲
舞台は中世のブラバント公国。
王女エルザは魔女オルトルートの企みで弟を殺害した罪に問われる。
無実の罪を着せられたエルザを救うために騎士ローエングリンが白鳥の曳く船に乗って現れる。ローエングリンはエルザを助け、名前を明かさない代わりにエルザと結婚することを承諾した。
物語の始まりを告げる前奏曲は、ワーグナーによれば聖杯を表しているという。聖杯とは十字架にかけられたイエスの血を受け止めたとされる杯である。その聖杯が放つ永遠の愛の光による喜びが前奏曲では描かれていると、ワーグナーは語っている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウスの交響曲第5番』 2023/1/25放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンの交響曲第7番 他』 2023/2/28放送
第3幕への前奏曲
第3幕への前奏曲はローエングリンとエルザの婚礼の前に演奏される。
エルザは魔法使いのオルトルートに唆され、素性を聞いてはならないという条件を破って、ローエングリンの名前を聞いてしまう。彼は自分が聖杯の騎士ローエングリンだと明かし、エルザの元から去っていった。
代わりに魔女によって白鳥に変えられていた弟は人間の姿に戻る。しかし、エルザはローエングリンを失ったことに耐えられず、弟の腕の中で息絶えた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンの交響曲第7番 他』 2023/2/28放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウスの交響曲第5番』 2023/1/25放送
楽劇
トリスタンとイゾルデ
楽劇「トリスタンとイゾルデ」は、中世の詩人ゴットフリート・フォン・シュトラスブルクの同名の叙事詩に題材を得て、ワーグナー自身が創作したロマンスで、物語の舞台は伝説上の中世である。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブルックナーの交響曲第4番「ロマンチック」』 2023/7/25放送
3幕の楽劇で、1857年から1859年にかけて作曲され、1865年ミュンヘンの宮廷歌劇場で初演された。
リヒャルト・ワーグナー - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/リヒャルト・ワーグナー
ニュルンベルクのマイスタージンガー
第1幕への前奏曲
ワーグナーならではの大規模なオーケストラと堂々とした音楽に幕開けへの期待が高まるドラマチックな前奏曲で、単独でもしばしば演奏される。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスのピアノ協奏曲第1番』 2023/11/2放送
ニーベルングの指環
ワーグナーは35歳になった1848年から1874年まで26年をかけて北欧のゲルマン神話に基づく4部作の楽劇「ニーベルングの指環」を作曲した。ワーグナー自身、本作品群をみずからのライフワークと定め、その間に作曲を休止して「トリスタンとイゾルデ」や「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を作曲している。
ライン川の乙女たちが守る黄金から作られた指輪をめぐり、神々が争い、そして滅亡へと向かう壮大な物語である。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽マーラーの「交響曲 第4番」』 2022/08/10放送。リヒャルト・ワーグナー - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/リヒャルト・ワーグナー
- ラインの黄金
- ヴァルキューレ
- ジークフリート
- 神々の黄昏
神々の黄昏
4時間を超える大作。英雄ジークフリートの死と神々の世界の終焉を書いている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽マーラーの「交響曲 第4番」』 2022/08/10放送
・夜明けとジークフリートのラインの旅
物語の冒頭、ジークフリートは夜明けとともにブリュンヒルデに指輪を送り、ライン川に向けて旅立つ。「夜明けとジークフリートのラインの旅」はその管弦楽の部分を繋いだ作品。
なお、カナダのピアニスト、グレン・グールドがピアノ演奏用に編曲している。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウスの交響曲第5番』 2023/1/25放送
管弦楽曲
ジークフリートの牧歌
ジークフリートは、ワーグナーが20年以上かけて完成させた大作「ニーベルングの指環」に登場する英雄の名前である。このジークフリートを気に入っていたワーグナーは、1869年56歳の時に生まれた自分の息子にもジークフリートと名前を付けた。
この曲は息子が生まれた翌年1870年に作曲され、妻コジマに感謝の気持ちを込めて誕生日プレゼントとして捧げられた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ マーラーの交響曲第5番 他』 2022/10/3放送
オペラ以外の作品としては頻繁に演奏される管弦楽曲である。
リヒャルト・ワーグナー - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/リヒャルト・ワーグナー
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