フォーレ
フォーレ
フォーレの生涯・経歴
フォーレ(1845-1924)はフランスの作曲家である。
ガブリエル・フォーレ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ガブリエル・フォーレ
1845年、南フランスのパミエという自然豊かな町に生まれた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送。NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 フォーレのバイオリン・ソナタ第1番』 2024/4/24放送
古典宗教音楽学校
幼い頃から教会音楽に親しんで音楽の才能を示した。
そして、9歳でオルガニストや聖歌隊指揮者の育成で知られるパリの全寮制の古典宗教音楽学校(教会音楽の専門教育を行うニデルメイエール音楽学校)に入学し、11年の時を過ごした。
なお、この音楽学校はグレゴリオ聖歌や対位法などの教育に力を入れていた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第5番」他』 2022/07/21放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェルの弦楽四重奏曲ヘ長調』 2023/4/10放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送。NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 フォーレのバイオリン・ソナタ第1番』 2024/4/24放送。NHK-FM(東京) 『フォーレのレクイエム - クラシックの庭』 2024/10/22放送
16歳の年の1861年にはこの学校に先生としてやってきた、まだ20代の若きサン・サーンスにピアノと作曲を学んだ。
フォーレはサン・サーンスに才能を見出され、10歳年上のサン・サーンスとは先生と生徒といった関係を超えた親しい友人になった。
こうして生涯にわたって交流を持ったサン・サーンスからワーグナーやリスト、シューマンといったドイツの音楽を紹介され、影響を受けた。
教会のオルガン奏者
1865年にこの学校を卒業し、卒業後は音楽のキャリアをオルガニストとしてスタートし、フランス各地の教会で長らくオルガン奏者として活躍した。また、いくつもの教会でオルガニストを務めるかたわら、作曲にも取り組み始める。
その中でサン・サーンスのオペラ「サムソンとデリラ」が初演されるという知らせを耳にして、初演の会場となるワイマールの歌劇場を訪れた。そこでサン・サーンスの紹介でリストと知り合い、フォーレとリストの交流が始まった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽フォーレのレクイエム 他』 2022/07/11放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第5番」他』 2022/07/21放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送。NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 フォーレのバイオリン・ソナタ第1番』 2024/4/24放送
国民音楽協会
そして、1870年の普仏戦争を機に、サン・サーンスなどとともにフランス音楽の発展を目指す国民音楽協会の設立にも携わった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送。NHK-FM(東京) 『フランス音楽の名曲(2)サン・サーンス - ベストオブクラシック - NHK』 2024/5/21放送
パリ音楽院
また、フォーレは母国の若手作曲家を紹介することに熱心だったほか、教育の分野にも携わった。
1896年、51歳でパリ音楽院の教授に、そして1905年、60歳の時に音楽院の院長に就任している。
フォーレはパリ音楽院で教えるようになり、後半生、教会オルガニストとしての活動から音楽院での作曲、教授に活動をシフトさせていく。その中で多くの作曲家を育てた。
ラヴェル、ケクラン、フローラン・シュミット、ロジェ・デュカス、エネスク、ナディア・ブーランジェなどである。
そして、1920年、75歳でパリ音楽院を退職した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェルの弦楽四重奏曲ヘ長調』 2023/4/10放送。NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 フォーレのバイオリン・ソナタ第1番』 2024/4/24放送。NHK-FM(東京) 『フォーレ没後100年 - クラシックの迷宮』 2024/11/9放送
晩年
パリ音楽院の院長を退いたフォーレは忙しい職務を離れ、ようやく作曲に専念できるようになったが、体の衰えに悩まされる。しかし、創作への意欲を燃やし続け、晩年にも豊かな音楽性あふれる作品を生み出した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラロのスペイン交響曲』 2023/8/28放送
そして、1924年11月4日、79歳でパリで永眠した。精力的に活動した生涯であった。
NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 フォーレのバイオリン・ソナタ第1番』 2024/4/24放送
人物像
フォーレはパリ音楽院の院長まで勤めながらも気取らず思いやり深い人柄に多くの人々が信頼を寄せた。
NHK-FM(東京) 『パスカル・ロジェ ピアノ・リサイタル - ベストオブクラシック』 2023/4/19放送
他の音楽家との関係
サン・サーンス
サン・サーンスはパリの古典宗教音楽学校でフォーレにピアノと作曲を教えた。
サン・サーンスはフォーレより10歳年上であったが、2人は先生と生徒といった関係を超えた親しい友人になった。サン・サーンスはフォーレとその家庭の成長を見守り、彼の妻と子供達にとってサン・サーンスは深い愛情に満ちた叔父であったという。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第5番」他』 2022/07/21放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェルの弦楽四重奏曲ヘ長調』 2023/4/10放送
このようにサン・サーンスはフォーレの直接の師であり、フォーレはサン・サーンスに憧れというか、自分もサン・サーンス同様の作曲家に育っていきたいという願望を強く持っていた。
NHK-FM(東京) 『フォーレ没後100年 - クラシックの迷宮』 2024/11/9放送
ラヴェル
フォーレのパリ音楽院での教授時代、ラヴェルはフォーレの作曲のクラスで学んでいる。フォーレはその才能が独創的で厳しい評価が下されていたラヴェルを好意的に受け入れ、励ました。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェルの弦楽四重奏曲ヘ長調』 2023/4/10放送
フォーレの音楽史における位置づけ
19世紀ロマン派と20世紀の近代音楽の橋渡し
フォーレは音楽語法が急速に変化していく時代を生きた。
フォーレの活動時期と作風は19世紀ロマン派の終わりと20世紀の近代音楽をつないでいて、ロマン派の終わりと20世紀前半をつなぐ役割を担った。
NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 フォーレのバイオリン・ソナタ第1番』 2024/4/24放送。NHK-FM(東京) 『パスカル・ロジェ ピアノ・リサイタル - ベストオブクラシック』 2023/4/19放送
フォーレの作品
作風・音楽傾向など
フォーレには教会オルガニストとしての面、グノーに影響されたロマンティックな旋律家としての面、サン・サーンスに影響されベートーベンなどを規範として絶対音楽を目指す面があり、あとショパンのピアノ曲に大きな影響を受けている。
NHK-FM(東京) 『フォーレ没後100年 - クラシックの迷宮』 2024/11/9放送
小規模編成
フォーレは合奏曲、協奏曲といった長い構成の複雑な曲、編成の規模の大きな曲に対して興味を持てなかった。
ピアノ曲、室内楽曲といった少人数で済む世界がフォーレを魅了した。
NHK-FM(東京) 『フォーレ没後100年 - クラシックの迷宮』 2024/11/9放送
情熱的・官能的
フォーレの音楽はしばしば情熱的かつ官能的である。和声や旋律、リズム、調性の取り扱い、そして音楽の展開は創意工夫に満ちている。それでいて音楽はとても自然に聞こえ、その中で時折現れる予期せぬ展開はフォーレの作品であるという印のように聞こえる。
NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 フォーレのバイオリン・ソナタ第1番』 2024/4/24放送
管弦楽曲
組曲「マスクとベルガマスク」作品11
フォーレは1919年に旧作を転用して8曲からなる舞台音楽を作った。その中から4曲を選び、この作品を仕上げた。序曲、メヌエット、ガボット、パストラールの曲で構成されている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェルの弦楽四重奏曲ヘ長調』 2023/4/10放送
協奏曲
ピアノ協奏曲
バイオリン協奏曲
バイオリン協奏曲 ニ短調 作品14(第1楽章)
先述したようにフォーレは協奏曲といった長い構成の複雑な曲に対して興味を持てなかったが、1870年代後半に勝負作として3楽章からなる大きなバイオリン協奏曲を構想し、手がけた。
しかし、第1楽章と第2楽章を完成させたが、フィナーレの第3楽章は書けないまま放置された。
そして、結果としては第1楽章だけが完全な形では残され、今日単に「バイオリン協奏曲ニ短調」と呼ばれる形で出版されている。
なお、第2楽章は「アンダンテ 変ロ長調 作品75」として書き直している。
NHK-FM(東京) 『フォーレ没後100年 - クラシックの迷宮』 2024/11/9放送
室内楽曲
バイオリン・ソナタ 第1番 イ長調 作品13
それまで歌曲やピアノ曲しか作曲していなかったフォーレの初めての室内楽作品で、30歳の頃に作曲された。全体は4楽章からなり、フォーレ独特のふんわりと漂うような響きによる爽やかさと若々しいエネルギーが感じられる作品。
サン・サーンスと詩人のビュシーヌが設立した国民音楽協会の演奏会で、1817年に初演された。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのバイオリン・ソナタ第1番 他』 2022/10/27放送
ピアノ五重奏曲
フォーレはピアノ五重奏曲を2曲残した。
ピアノ五重奏曲 第1番 ニ短調 作品89
1890年頃に作曲を開始したが、作曲に苦しみ、長い中断を挟みながら61歳になった1906年にようやく完成した。
イザイ弦楽四重奏団とフォーレ自身のピアノで初演が行われ、イザイに献呈された。 全3楽章で繊細な響きを持った円熟期の傑作。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送
ピアノ五重奏曲 第2番 ハ短調 作品115
1920年、パリ音楽院を退職した翌年76歳の年の作品。健康の衰えに悩まされながら書き進めた曲は初演の会場で大きな喝采と共に迎えられた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェルの弦楽四重奏曲ヘ長調』 2023/4/10放送
ピアノ四重奏曲
ピアノ四重奏曲 第1番 ハ短調 作品15
30代の初め、1876年から79年にかけて作曲。
伸びやかで優美なメロディーにみずみずしい情緒をたたえたフォーレの創作初期を代表する1曲。
NHK-FM(東京) 『フランクの交響曲ニ短調 - クラシックの庭 - NHK』 2024/6/3放送
ピアノ三重奏曲 ニ短調 作品120
晩年の1922年から23年にかけて作曲された。簡潔な書法の中に長い年月をかけて育まれたフォーレの味わい深い音楽が感じられる。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラロのスペイン交響曲』 2023/8/28放送
フォーレ自身はこの作品を「小さなトリオ」と呼んだが、弟子のフローラン・シュミットは「これこそが音楽だ。そして音楽以外の何者でもない。」と評している。
ガブリエル・フォーレ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ガブリエル・フォーレ
弦楽四重奏曲 ホ短調 作品121
フォーレが亡くなる1924年に完成させた作品。
NHK-FM(東京) 『フォーレ没後100年 - クラシックの迷宮』 2024/11/9放送
シチリア舞曲(シチリアーナ・シチリアーノ・シシリエンヌ)ト短調
フォーレで最も愛されている曲。
NHK-FM(東京) 『フォーレのピアノ四重奏曲第1番 - 音楽の泉』 2024/9/15放送
なお、シチリアーナはルネサンス音楽末期から初期バロック音楽に遡る舞曲の1つである。
19世紀、シチリアーナによる有名な曲はほとんど産まれなかったが、世紀の変わり目にフォーレによって、チェロとピアノのためのこの作品が作曲された。これは後にフォーレの高弟ケックランによりオーケストラ用に編曲され、劇付随音楽「ペレアスとメリザンド」とその組曲版に挿入され、いっそう広く知られるようになった。
シチリアーナ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/シチリアーナ
アンダンテ 変ロ長調 作品75(「バイオリン協奏曲 作品14」の第2楽章)
「バイオリン協奏曲 作品14」の第2楽章をバイオリンとピアノのための曲に書き直した作品。
NHK-FM(東京) 『フォーレ没後100年 - クラシックの迷宮』 2024/11/9放送
ピアノ曲
フォーレは生涯にわたって数多くのピアノ曲を残している。彼が手掛けた作品には、夜想曲や舟歌、即興曲などショパンの作品で知られるジャンルが含まれている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送
特に夜想曲や舟歌はフォーレのピアノ作品を代表するものであり、彼の作曲の変遷を見渡す貴重な作品群と言える。
NHK-FM(東京) 『パスカル・ロジェ ピアノ・リサイタル - ベストオブクラシック』 2023/4/19放送
マズルカ 変ロ長調 作品32
フォーレがショパンのピアノ曲に大きな影響を受けていることを端的に感じられる作品。
NHK-FM(東京) 『フォーレ没後100年 - クラシックの迷宮』 2024/11/9放送
夜想曲(ノクターン)
フォーレは30歳の1875年から最晩年の1921年まで合わせて13曲の夜想曲を作曲した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送
夜想曲 第1番 変ホ短調 作品33第1
1875年に書いた最初のノクターン。
NHK-FM(東京) 『パスカル・ロジェ ピアノ・リサイタル - ベストオブクラシック』 2023/4/19放送
夜想曲 第2番 ロ長調 作品33第2
1883年に出版された。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送
夜想曲 第3番 変イ長調 作品33第3
1883年に出版された。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送
夜想曲 第6番 変ニ長調 作品63
夜想曲 第13番 ロ短調 作品119
フォーレが残した最後のノクターン。漂うような対位法で始まり、情熱的なパートを経て、最後は静かに終わるフォーレ晩年の名作である。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シェーンベルクの「清められた夜」』 2023/8/17放送
舟歌 第1-13番
舟歌とはもともとベネチアのゴンドラ漕ぎが船を漕ぐ時に歌う歌のこと。クラシック音楽の世界でも様々な作品が生まれている。フォーレもまた舟歌に魅了され、舟歌に意欲的に取り組んだ作曲家の1人である。
夜想曲と同じく、晩年に至るまでのおよそ40年という長きにわたって13曲の舟歌を残している。
なお、メンデルスゾーンの「無言歌」やショパンにも作例はあるが、13曲もの舟歌を作曲したのはフォーレ1人である。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの交響曲第2番 他』 2022/9/14放送。NHK-FM(東京) 『パスカル・ロジェ ピアノ・リサイタル - ベストオブクラシック』 2023/4/19放送
舟歌 第4番 変イ長調 作品44
1886年に作曲。
NHK-FM(東京) 『パスカル・ロジェ ピアノ・リサイタル - ベストオブクラシック』 2023/4/19放送
舟歌 第6番 変ホ長調 作品70
6/8拍子で書かれた隠れた名作。
NHK-FM(東京) 『フォーレのピアノ四重奏曲第1番 - 音楽の泉』 2024/9/15放送
即興曲
即興曲 第2番 ヘ短調 作品31
1888年作曲。
NHK-FM(東京) 『パスカル・ロジェ ピアノ・リサイタル - ベストオブクラシック』 2023/4/19放送
バラード 嬰ヘ長調 作品19
ピアノ独奏曲。
1879年の34歳になる年に完成された。
この作品は3つの主題が変化しながら繰り返される。そしてテンポは緩急がはっきりと付けられている。こうした主題の変化と緩急のあるテンポを含みながらも全体は独特の統一感を帯びている。緻密に書かれていながら、どこまでも自由に流れていくように聞こえる。
どこかしらフォーレの後にフランス音楽の伝統を受け継いでいくドビュッシーやラヴェルを思い起こさせる作品。
NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 フォーレのバイオリン・ソナタ第1番』 2024/4/24放送
なお、フォーレは作曲中であったこの作品の楽譜をリストに見せたという。
リストはピアノのみならず、管弦楽もつけてピアノ協奏曲のような形を取れば、複雑さは和らぎ、もっと聞きやすくなるだろうと助言した。
フォーレはその言葉通りに書き直し、「バラード」はピアノと管弦楽による作品としても生まれ変わった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽フォーレのレクイエム 他』 2022/07/11放送
組曲「ドリー」作品56
この曲はフォーレの親しい友人の娘エレーヌに捧げられたピアノ連弾のための全6曲の小品集。
フォーレは幼いエレーヌをドリーと呼んでかわいがり、誕生日のお祝いなど毎年のように作曲してはプレゼントした。少しずつ贈られた作品を6曲まとめて組曲にしたのがこの作品である。
1898年にピアノ連弾で初演された。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第5番」他』 2022/07/21放送
主題と変奏 作品73
この作品はピアノ独奏曲の傑作と称えられる一方、フォーレらしくないといった評価もある。
主題は嬰ハ短調で書かれ、簡潔で重々しく深刻である。そして、その後に続く11の変奏のうち10までが力強くエネルギッシュであるか暗く沈んだ雰囲気を持っている。
調性は転調を自由自在に使いこなすフォーレらしくなく主題から第10変奏までずっと嬰ハ短調を守っている。しかし、最後の第11変奏で初めて暖かい嬰ハ長調が現れ、耳に、そして心に強い印象を残す。
主題から第10変奏に至るまでは緊張感を厳しく保ち続け、最後の第11変奏に相手を暖かく包むような音楽を置く。主題と変奏はフォーレの音楽を構成する力に圧倒されるような作品である。
NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 フォーレのバイオリン・ソナタ第1番』 2024/4/24放送
8つの小品 作品84
異なる時代にフォーレが書いた作品を集めて1902年に出版された。
NHK-FM(東京) 『パスカル・ロジェ ピアノ・リサイタル - ベストオブクラシック』 2023/4/19放送
宗教曲・合唱曲
レクイエム ニ短調 作品48
フォーレが40代の時に完成させたはかなく美しい傑作。
NHK-FM(東京) 『フォーレのレクイエム - クラシックの庭』 2024/10/22放送
レクイエムの傑作として知られ、フォーレの全作品中で最も演奏機会が多い。フォーレの音楽活動のなかでは、ピアノ四重奏曲第2番ト短調作品45、あるいは「パヴァーヌ」作品50などと並んで、中期の幕開きを告げる代表的な作品に位置づけられる。
しばしば、モーツァルト、ヴェルディの作品とともに「3大レクイエム」の1つに数えられる。
レクイエム (フォーレ) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/レクイエム (フォーレ)
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