[歴史②]世界史

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シェーンベルク


シェーンベルク

シェーンベルクの生涯・経歴

シェーンベルク(1874-1951)は19世紀末から20世紀にかけて活躍したオーストリアの作曲家である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シェーンベルクの「清められた夜」』 2023/8/17放送。小学館 『日本大百科全書』

1874年、ウィーンのユダヤ人商人の家庭に生まれた。早くから音楽に興味をもち、9歳のときにまったく独学で最初の作曲を試みた。

1891~95年、銀行に勤めるかたわら、アマチュア・オーケストラのチェロ奏者として活躍し、そのオーケストラの指揮者ツェムリンスキーに数カ月対位法を学んだ。
この数か月のレッスンを唯一の例外として、彼は独学で本格的な創作活動を開始し、ブラームスワーグナーなど後期ロマン派音楽の圧倒的な影響を受けながら、デーメルの世紀末的題材によるテキストを新しい対位法の感覚で処理した「清められた夜」(1899)を発表した。

小学館 『日本大百科全書』

私的演奏協会

シェーンベルクは作曲の傍ら、1918年にウィーンにおいて私的演奏協会という音楽団体を結成し、同時代の音楽を中心とした演奏会を開いた。
しかし、主に財政的な理由からオーケストラの作品の多くは室内楽に編曲されて演奏されている。
たとえば、1920年にはシェーンベルクより1歳年上の作曲家レーガーの「ロマンチックな組曲 作品125」を弦楽四重奏で演奏するために編曲している。

NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 マーラー交響曲第1番「巨人」』 2024/4/17放送。私的演奏協会 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/私的演奏協会

他の音楽家との関係

ツェムリンスキー

ツェムリンスキーは3歳年下のシェーンベルクに対位法を指導した。2人はおおいに意気投合し、生涯の友人関係を築いた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ツェムリンスキー交響曲第2番』 2023/8/29放送

ジョン・ケージ

前衛音楽の代表者ケージはナチスからの逃れてアメリカに亡命していたシェーンベルクに師事して、対位法と楽曲分析を学んだ。
しかし、ケージには和声学が理解できず、2人の師弟関係は終わった。

中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、149項。

シェーンベルクの音楽史における位置づけ

歴史主義者

シェーンベルクは初めに後期ロマン派的な音楽を作ってから自分のキャリアを始めたが、自分は歴史主義者だと名乗っていた。
自分はバッハからモーツァルトベートーベンへとつながるドイツの歴史を一身に担っており、したがって、今後も自分がそのドイツの音楽を新しい方向へと導いていかなければいけないのだと。12音技法というところまで突き進んだが、交響曲、ソナタ形式などの伝統は引き継がないといけない、そして、そこにこそにドイツの音楽の本流があるのだと言った。

NHK-FM(東京) 『N響第2025回定期公演 - ベストオブクラシック』 2024/12/19放送

現代音楽
無調音楽・12音技法

調性の概念から放たれた音楽(無調音楽)を提唱して12音技法を確立していわゆる現代音楽を牽引した。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シェーンベルクの「清められた夜」』 2023/8/17放送

シェーンベルクとシェーンベルクより少し年下のストラヴィンスキーの2人が20世紀の現代音楽の扉を開いた双璧をなす作曲家と捉えられてきた。

NHK-FM(東京) 『現代の音楽 「現代音楽 100年のレガシー」(11) ストラヴィンスキー(1)』 2023/10/1放送

シェーンベルクの作品

交響詩
ペレアスとメリザンド 作品5

この作品はワーグナーリスト、そしてシュトラウスも含めた音楽の流れの中でさらなる最高傑作を書くという流れで作曲された。

NHK-FM(東京) 『N響第2025回定期公演 - ベストオブクラシック』 2024/12/19放送

管弦楽曲
清められた夜 作品4

まだ若い頃に作曲した弦楽六重奏曲。シェーンベルクの初期作品の中では「グレの歌」と並んで最も有名かつ最も重要な作品の1つ。
ドイツの詩人デーメルによる月夜の男女の語らいを題材に濃密な夜の情景がロマンチックに描かれている。
シェーンベルク自身による弦楽アンサンブルのための編曲版(弦楽合奏版)もある。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シェーンベルクの「清められた夜」』 2023/8/17放送。浄められた夜 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/浄められた夜

協奏曲
バイオリン協奏曲 作品36

この作品は1936年に完成された。
シェーンベルクはかねてより古典的な調性音楽とは異なる新しい音楽の創造を試みていたが、そうした中、このバイオリン協奏曲は新しい作曲技法である12音技法によって書かれた。
初演を依頼したのは、当時世界最高のバイオリニストとして知られたヤッシャ・ハイフェッツであったが、彼はその依頼を断っている。新しい技法で書かれ、調性感のないこの作品を理解することが難しかったとも言われている。
作品は3つの楽章で書かれており、第1楽章に独奏バイオリンのカデンツァが置かれている。3つの楽章を通していくつものモチーフが演奏され、最後にはそのモチーフが振り返るように組み合わされて終わりを迎える。

NHK-FM(東京) 『N響と共演したソリストたち 1 - ベストオブクラシック』 2025/3/3放送



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