舞曲
舞曲とは
舞曲の定義・意味など
舞曲(ぶきょく)とは、舞踊のための音楽、または、舞踊を離れ独立の器楽曲として組曲に取り入れられたものをいう。
三省堂 『スーパー大辞林』
舞曲の具体例
15・16世紀
フォリア
イベリア半島で生まれたとされる3拍子系の舞曲フォリアは15、6世紀には、フォリア(狂気)という名にふさわしい快速で活発な踊りであった。
しかし、17世紀に入って性格が変わり、一定の低音旋律を伴うゆったりとした舞曲となった。
小学館 『日本大百科全書』
16世紀
アルマンド・クーラント・パバーヌ
ヨーロッパの舞曲では、16世紀は「舞踊の世紀」とよばれ、アルマンド(allemande。中庸の4/4拍子)、クーラント(courante。速い三拍子)、パバーヌ(pavane。ゆっくりとした二拍子)など、数多くの舞曲が登場した。
三省堂 『スーパー大辞林』
17~18世紀(バロック時代)
17世紀には、いくつかの舞曲を組み合わせる組曲(たとえばアルマンド―クーラント―サラバンド―ジーグ)が現れた。有名なバッハの「管弦楽組曲」もこの形式によっている。
三省堂 『スーパー大辞林』
17世紀中頃にアルマンド、クーラント、サラバンドの3曲が組曲の中核をなすように定型化した。
NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハの「無伴奏チェロ組曲」原曲と編曲、その魅力(1)』 2022/11/21放送
サラバンド
ジーグ
シャコンヌ
フランス系舞曲
ガボット・メヌエット
17世紀になると、ガボット(gavotte。中庸の二拍子)、メヌエット(menuet。ゆっくりとした3/4拍子)などフランス系の舞曲も流行した。
とくにメヌエットはその後、ソナタ、弦楽四重奏曲や交響曲などの楽章にも用いられるようになった。
小学館 『日本大百科全書』。岩波書店 『広辞苑 第六版』
19世紀
ワルツ
19世紀になると、ワルツ(waltz。中庸の3/4拍子。その代表がウィンナ・ワルツ)が一世を風靡した。
三省堂 『スーパー大辞林』
西ヨーロッパ以外の地域の舞曲
マズルカ・ポロネーズ・ポルカ
19世紀には、ポーランドのマズルカやポロネーズ、チェコ・ボヘミア地方のポルカなど西ヨーロッパ以外の地域の舞曲も流行した。
三省堂 『スーパー大辞林』
舞曲の位置づけ
現在では舞曲はもっぱら聞くのみであるが、組曲に含まれる舞曲の大半は最も古いアルマンドを例外とすれば、いずれも当時は実際に踊られていた曲ばかりであった。
たとえば、19世紀中頃でもパリに住むポーランド人たちは、ショパンの弾くピアノに合わせて、実際にワルツやマズルカを踊っていた。
NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハの「無伴奏チェロ組曲」原曲と編曲、その魅力(1)』 2022/11/21放送
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 23 ページ]
- 序曲―フランス風序曲
- 前奏曲―コラール前奏曲
- 舞曲
- 舞曲―フォリア
- 舞曲―アルマンド
- 舞曲―クーラント
- 舞曲―サラバンド
- 舞曲―ジーグ(ジグ)
- 舞曲―シャコンヌ(チャッコーナ)
- 舞曲―メヌエット
- 舞曲―ポロネーズ
- 舞曲―カドリーユ
- 舞曲―ワルツ(円舞曲)
- 組曲
- セレナード(セレナーデ)
- ディヴェルティメント
- 舟歌
- ロマンス
- ハルモニー
- バラード
- ノクターン(夜想曲・ノクチュルヌ)
- 即興曲
- ストリングス
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ