メンデルスゾーン
メンデルスゾーン
メンデルスゾーンの生涯・経歴
メンデルスゾーン(1809-1847)は19世紀ドイツの作曲家、指揮者、ピアニストである。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
1809年、ハイドンが亡くなった年にドイツのハンブルクで裕福なユダヤ系の家庭に生まれ、幼少期から神童として並外れた才能を見せた。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、129-130項。中川 右介 『3時間でわかる「クラシック音楽」入門』 青春出版社、2006年、129項。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1送
裕福な銀行家だったベルリンのメンデルスゾーン家では、1820年前後、当時のベルリンのトップアーティストを交えて自宅のホールで日曜音楽会を開いていた。隔週日曜日に開かれたこの自宅音楽会において、メンデルスゾーンは自作をいち早く音にすることができた。また、そこではメンデルスゾーンと彼より4つ上の姉ファニーのピアノが主役を演じ、知人たちのアンサンブルが加わったが、時には宮廷楽士によるオーケストラも雇われた。恵まれた環境のもとメンデルスゾーンは音楽の才能をみるみる発揮していった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」』 2023/8/14放送。NHK-FM(東京) 『メンデルスゾーンのピアノ協奏曲第1番 - 音楽の泉 - NHK』 2024/6/9放送。メンデルスゾーン / Mendelssohn, Felix - ピティナ・ピアノ曲事典 https://enc.piano.or.jp/persons/363
1821年にツェルターに連れられてワイマールの文豪ゲーテを訪問し、以後5回の訪問によって多大な影響を受けた。ゲーテはリストを絶賛した。
小学館 『日本大百科全書』。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ショパンの「幻想ポロネーズ」』 2023/11/29放送
1825年にはパリを訪れた。パリではパリ音楽院の院長ケルビーニの推薦によって職業音楽家としての道を選ぶことになり、モシェレスやロッシーニなどの音楽家とも出会った。
小学館 『日本大百科全書』
なお、モシェレスはチェコ出身のピアニストで作曲家である。メンデルスゾーンと姉のファニーが子供の頃、父親に頼まれて彼らのピアノ教師としてやってきて以来、生涯親しい交流を続けたピアニスト。モシェレスはメンデルスゾーンが子供の頃からその才能を高く評価していた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ サン・サーンスのピアノ協奏曲第2番』 2023/8/31放送
こうしてメンデルスゾーンは、古典派のサリエリ、ベートーヴェン、シューベルトといった大作曲家たちがその人生を全うしようとしていた時、若き才能として注目され始めていた。
当時メンデルスゾーンは10代であったが、既にオペラや交響曲、室内楽作品など多岐にわたって新作を発表し、注目を集めていた。
参考:NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲 他』 2022/06/27放送
1829年弱冠20歳のメンデルスゾーンはバッハの「マタイ受難曲」をほぼ1世紀ぶりに復活上演して大成功を収めた。
また、その年からのイギリス旅行はメンデルスゾーンに多くの実りをもたらし、「序曲 フィンガルの洞窟」(1830)、「幻想曲 嬰ヘ短調」(1833)「交響曲第3番 イ短調」(1842)など様々な作品が生まれるきっかけとなった。
小学館 『日本大百科全書』。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
1835年、26歳の年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者になり、指揮法を確立するとともに、オーケストラのコンサートのプログラムの形を創り上げた。
新曲中心だった演奏会市場に「過去の名曲」という新商品を提供したのである。
具体的には、楽団を率いる立場として、まずコンサートマスターに当時の名ヴァイオリニストで友人でもあったフェルディナント・ダヴィットを迎えて室内楽の演奏を活発にし、それによってオーケストラのアンサンブル強化を図った。
また、演奏会でバッハやベートーヴェンの作品を取り上げ、聴衆が同時代の音楽だけでなく、古典的な作品にも耳を傾ける機会を設けるなど、様々な企画を推し進めた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ベートーベンの弦楽四重奏曲作品132 他』 2022/9/26放送。中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、131項。
私生活ではフランクフルトの牧師の娘セシル・ジャンルノーと出会い、1837年に結婚して充実した日々を送った。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ベートーベンの弦楽四重奏曲作品132 他』 2022/9/26放送。
1843年にはライプツィヒ音楽院の設立に貢献し、メンデルスゾーン自ら院長を務めた。
小学館 『日本大百科全書』
1847年、慕っていた姉が亡くなると、半年後にその後を追うように亡くなってしまった。38歳であった。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、132項。
人物像など
ユダヤ人
メンデルスゾーンはライプツィヒでは名声を得られたが、ベルリンではユダヤ人であることから妬まれたりして、あまり成功はできなかった。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、131-132項。
他の音楽家との関係
ベルリオーズ
メンデルスゾーンがイタリア、ローマに滞在した時期(「交響曲第4番「イタリア」」を作曲した時期)、「幻想交響曲」でローマ大賞を受賞し、その特典としてイタリアに留学中だったベルリオーズと出会った。
ベルリオーズの方が5歳ほど年上であったが、彼は毎朝のようにメンデルスゾーンのもとを訪ね、 趣味嗜好の違いはあれど、交流を深めた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調』 2023/9/26放送
リスト
リストはメンデルスゾーンの友人であった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ モーツァルトのクラリネット五重奏曲』 2024/2/15放送
クララ・シューマン
メンデルスゾーンはクララ・シューマンと交流があった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ サン・サーンスのピアノ協奏曲第2番』 2023/8/31放送
メンデルスゾーンの音楽史における位置づけ
ロマン主義音楽
メンデルスゾーンはドイツロマン派を代表する作曲家の1人である。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
メンデルスゾーンの意義・評価
作曲家、指揮者、そしてピアニストとして活躍したメンデルスゾーンはバッハやベートーヴェンの音楽の復興やライプチヒ音楽院の設立なども行い、音楽界に大きな影響力を及ぼした。
参考:NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
作曲家
音階の芸術家
メンデルスゾーンはモーツァルト同様、音階を芸術にした。
NHK-FM(東京) 『メンデルスゾーンのピアノ協奏曲第1番 - 音楽の泉 - NHK』 2024/6/9放送
指揮者
メンデルスゾーンは作曲家としても歴史に残る人物だが、クラシック音楽の歴史においては、指揮者として業績を残し、また、「過去の名曲」の演奏という今日のコンサートスタイルの原型を作った。
中川 右介 『3時間でわかる「クラシック音楽」入門』 青春出版社、2006年、129-130,135項。
独立した職業としての指揮者
指揮者を独立した職業にしたのはメンデルスゾーンだと言われている。
それまでの指揮者はオーケストラに背を向けて、つまり客席の方を向いて、手を振って、拍子を取るだけだった。それをメンデルスゾーンはオーケストラの方を向くようにし、さらにオーケストラの楽団員に自分の音楽の解釈を伝えるようにした。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、131項。
「過去の名曲」の演奏
当時はコンサートで演奏されるのはそのときの新曲がほとんどで、昔の曲を演奏したり聴いたりする習慣はあまりなかった。
指揮者としてのメンデルスゾーンはオーケストラの改革に乗り出し、「過去の名曲」を演奏する今日のコンサートスタイルの原型を作った。
中川 右介 『3時間でわかる「クラシック音楽」入門』 青春出版社、2006年、135項。
これにより、バッハやベートーヴェンがコンサートのレパートリーとして復活した。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、131項。
たとえば、1806年に書き上げられたベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58」は長い間演奏の機会に恵まれなかったが、ベートーヴェンの死後10年程の1836年にメンデルスゾーンが演奏会で取り上げたことをきっかけに日の目を見ることとなった。
参考:NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ベートーベンの交響曲第3番「英雄」 他 – NHK-FM(東京)』 2022/08/01放送
メンデルスゾーンの作品
歌曲
メンデルスゾーンは、その生涯にわたって多くの歌曲を書いた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
歌の翼に
メンデルスゾーンの歌曲の中でも特に広く知られている。流れるようなピアノの音型の上で、メンデルスゾーンらしい伸びやかで甘美なメロディーが歌われる。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
ピアノ曲
幻想曲 嬰ヘ短調 作品28「スコットランド・ソナタ」
この作品は「スコットランド・ソナタ」という名でも知られている。
作曲を始めたのは、彼がスコットランドを旅する前年の1828年で、その後、スコットランドへの旅行を経て、1833年に曲が完成し、ボヘミア出身のピアニスト、イグナーツ・モシェレスに捧げられている。彼はメンデルスゾーンの師であり、親友で、彼のおかげでスコットランドへの旅行が実現したと言われている。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタの中に幻想曲風と作曲家自らが指定しているものが2曲あるが、メンデルスゾーンのこの幻想曲もこの系譜に属する一種のソナタと考える説がある。
3楽章からなり、特に第3楽章はおおむねソナタ形式で書かれているが、楽章間を休み無く引き続けるなど、伝統的なピアノソナタの枠組みに縛られない形式と魅力を持つ作品である。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
無言歌
メンデルスゾーンはほぼ生涯にわたってピアノの小品を作曲した。全8巻48曲からなるこれらの小品は「無言歌」と題して6曲ずつ出版されている。1つ1つタイトルが付けられているが、そのほとんどは出版社や後世の人が付けたものである。
参考:NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ』 2022/04/14放送
厳格な変奏曲 ニ短調 作品54
ウィーンの出版社メケッティからの依頼によって楽譜集「ベートーベン・アルバム」の1曲として1841年に作曲された。半音階を使ったシリアスな色合いの主題と17の変奏からなる。
NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック ピアニスト 三浦謙司 音楽は心の中に』 2022/11/22放送
室内楽曲
弦楽四重奏曲
メンデルスゾーンは29歳の年1838年に第3番から第5番まで3つの弦楽四重奏曲を作品44としてまとめて出版した。
ハイドンやモーツァルトを思わせる様式美、また、彼らが活躍した時代には多く見られた複数作品の同時出版など、時代を遡る古典主義的な色合いが感じられる。
NHK-FM(東京) 『アンサンブル・ウィーン・ベルリン演奏会 - ベストオブクラシック』 2023/5/17放送
弦楽四重奏曲 第5番 変ホ長調 作品44第3
作品44の中でも第5番は重厚感あふれるスケールの大きな作品。
NHK-FM(東京) 『アンサンブル・ウィーン・ベルリン演奏会 - ベストオブクラシック』 2023/5/17放送
ピアノ三重奏曲
メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は3曲ある。
フェリックス・メンデルスゾーン - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/フェリックス・メンデルスゾーン
ピアノ三重奏曲第1番と第2番は1830年代の終わりから1840年代の半ばにかけて書いた。いずれもこのジャンル最高の名作として愛されている。
メンデルスゾーンはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者として活躍したが、このオーケストラのコンサートマスターやチェロの名手と室内楽を行い、さらに歴史的なピアニストだったクララ・シューマンと共演した。また、姉のファニー・メンデルスゾーンとも連弾を楽しんでいる。ファニーとは子供の頃からよく演奏していた。
2曲のピアノ三重奏曲は、そんな音楽家たちとの交友の中から生まれた。
NHK-FM(東京) 『音楽の泉 メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲 第2番』 2024/3/3放送
ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品49
この曲はセシルとの結婚から2年後1839年の作品。完成の年にメンデルスゾーン自身のピアノ、バイオリンはフェルディナント・ダヴィットが受け持って初演された。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ベートーベンの弦楽四重奏曲作品132 他』 2022/9/26放送。
ピアノ三重奏曲 第2番 ハ短調 作品66
全4楽章。激しくも美しい作品。
この作品は有名な「バイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」に続く形で1845年春に完成し、その年の暮れにライプツィヒでお披露目された。
1846年の楽譜出版に際し、大先輩の作曲家でバイオリンの近代的な演奏法に尽くしたルイ・シュポーアに献呈された。
さらにこの曲はバイオリンのヨーゼフ・ヨアヒム、そしてブラームスを魅了した。ブラームス若き日のピアノソナタ第3番、そしてピアノ四重奏曲第3番にメンデルスゾーンから受け継いだと思われるフレーズがある。
NHK-FM(東京) 『音楽の泉 メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲 第2番』 2024/3/3放送
チェロ・ソナタ
チェロ・ソナタ 第2番 ニ短調 作品58
1843年、34歳の年に作曲された。 古典的な形式の中にロマン的な情緒が盛り込まれた生き生きとした印象の曲。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」』 2023/8/14放送
演奏会用序曲
序曲「フィンガルの洞窟」作品26
20歳の時に訪れたスコットランド、ヘブリディーズ諸島の島スタファ島にある洞窟を見てインスピレーションを得た演奏会用序曲。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」』 2023/8/14放送
序曲「静かな海と楽しい航海」作品27
ドイツの詩人ゲーテがシチリア島を旅した思い出を綴った2つの詩「静かな海」と「楽しい航海」に基づき作曲された。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」』 2023/8/14放送
協奏曲
バイオリンとピアノのための協奏曲 ニ短調
1823年春、14歳の時に作曲した。
当時、自宅で開催されていた日曜音楽会で初演された。当初は弦楽のみだったオーケストラパートには、後に管楽器とティンパニが追加された。
しかし曲は長らく歴史に埋もれ、弦楽版の楽譜が出版されたのは1960年のことである。また、管楽器とティンパニが追加された管弦楽版は1997年にようやく出版された。
NHK-FM(東京) 『メンデルスゾーンのピアノ協奏曲第1番 - 音楽の泉 - NHK』 2024/6/9放送
ピアノ協奏曲
ピアノ協奏曲 第1番 ト短調 作品25
1830年ローマで作曲した。翌年、ミュンヘンで作曲家自身がピアノを弾き、大成功を収めた。
このミューヘンでメンデルスゾーンはデルフィーネ・フォン・シャウロートというピアニストと恋に落ちた。そして彼女が作曲したパッセージがこの協奏曲には組み込まれているという。それがどこかは分かっていないが、この作品はデルフィーネに献呈された。
全部で3楽章。超絶技巧的な第1楽章からロマンチックな旋律が美しい第2楽章、そしてファンファーレで始まる華やかな第3楽章まで切れ目なく演奏される。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ショパンの「幻想ポロネーズ」』 2023/11/29放送
ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲(第2番)ホ短調 作品64
本作品はベートーヴェンの作品61、ブラームスの作品77と並んで、3大ヴァイオリン協奏曲と称される名作である。なお、メンデルスゾーンのその他の協奏曲はいずれも本作品のような知名度はない。
ヴァイオリン協奏曲 (メンデルスゾーン) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ヴァイオリン協奏曲 (メンデルスゾーン)。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
1844年、メンデルスゾーンが35歳の年に完成した。 作曲の経緯は定かではなく、いくつかの説がある。
初演ののちに大幅な改訂を行ない、現在演奏されているバージョンを作った。 オリジナルと改訂版はおよそ120カ所もの違いがあると言われている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
2台のピアノのための協奏曲
2台のピアノのための協奏曲 ホ長調
この作品はメンデルスゾーンが14歳の年1823年に作曲され、姉のファニーと弟メンデルスゾーン2人のピアノで演奏したという。
その後、1829年20歳の年に当時の名ピアニストだったモシェレスとロンドンでこの曲を演奏し、大成功を収めた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ サン・サーンスのピアノ協奏曲第2番』 2023/8/31放送
交響曲
交響曲 第3番 イ短調 作品56「スコットランド」
先述したように、1829年からのイギリス旅行は「幻想曲 嬰ヘ短調」など様々な作品が生まれるきっかけとなったが、この曲もスコットランドのエディンバラを訪れた際、そこでの印象をもとに第1楽章の導入部をスケッチしたと言われている。
しかし、その後、そのスケッチは10年以上もの長い間放置された。その間にメンデルスゾーンは この交響曲は捉えたと思えば思うほど逃げていくと述べ、思い描いたスコットランドのイメージを音楽にする難しさを告白している。
結局、1842年にベルリンで完成し、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏と作曲家自身の指揮で初演された。
初演の後、メンデルスゾーンはイギリスを再び訪れ、バッキンガム宮殿でヴィクトリア女王に謁見した。そして、この交響曲を女王に献呈する許可を得て、翌年に権利付きの楽譜を出版した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
劇付随音楽
夏の夜の夢
メンデルスゾーンがシェイクスピアの戯曲「夏の夜の夢」に出会ったのは1826年、17歳の頃だと言われている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
そして、「夏の夜の夢」をもとに「序曲」と「劇付随音楽」の2曲を作曲した。
序曲 ホ長調 作品21
シェイクスピアの戯曲「夏の夜の夢」にインスピレーションを受けたメンデルスゾーンは、1カ月という短期間で序曲を書き上げた。
最初はピアノ連弾用として作曲されたが、後に作者自身によって管弦楽版が編曲された。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調 他』 2022/11/1放送
劇付随音楽 作品61
「序曲」を作った17年後の1843年に今度はプロイセン王のリクエストにより声楽を交えた劇不随音楽を作曲した。12曲で構成される。
NHK-FM(東京) 『音楽の泉 メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲』 2023/10/22放送
したがって、作品21(序曲)と作品61(劇付随音楽)は別々の時期の作品であるが、作品61の全曲または抜粋が演奏される際には作品21も共に演奏されることが多い。
夏の夜の夢 (メンデルスゾーン) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/夏の夜の夢 (メンデルスゾーン)
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