フランク
フランク
フランクの生涯・経歴
フランク(1822-1890)はベルギー出身の作曲家、オルガニストで、19世紀のフランスを代表する作曲家の1人である。
パリを中心に活躍し、生涯にわたって教会のオルガニストを務め、オルガンのための作品を数多く残した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ルクーのチェロ・ソナタ』 2023/1/31放送。NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 廣江理枝 オルガンで奏でる「展覧会の絵」』 2023/1/10放送
1822年にベルギーのリエージュで生まれた。
幼い頃からピアノの才能を示したため、父親はフランクをリストのような有名ピアニストとして大成させたいと英才教育を受けさせ、リエージュの音楽院で学ばせた。
そして、1834年、11歳でリエージュの音楽院を卒業した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第5番」他』 2022/07/21放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フランクの交響曲 他』 2022/11/8放送
父親は、1835年の春、フランクが12歳の頃にコンサートを企画し、ピアニストとしてデビューさせた。
また、同年、パリ音楽院に入学させるべく、一家はパリに移住し、フランクは1837年、パリ音楽院に入学して作曲やオルガン、ピアノを学んだ。
音楽院でも優れた成績を収めたが、父親は息子をリストのようなピアニストにすることに野心を燃やし、20歳の年にパリ音楽院を退学させてしまう。そして、ベルギー各地への演奏旅行を行なった。
フランクはリストにも会い、ピアノの才能を認められたが、父親が願うようなピアニストになることは内向的な性格だったフランクにとって大変つらいことで、父親に反発した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第5番」他』 2022/07/21放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フランクの交響曲 他』 2022/11/8放送
教会オルガニスト・オルガンの教師
フランクは地道に作曲を続けながら、フランスで教師として生計を立て、ダンディなどの弟子たちから信頼を寄せられるとともに、生涯教会オルガニストとして過ごした。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フランクの交響曲 他』 2022/11/8放送
教会オルガニスト
結婚をきっかけに父親と決別して、教会のオルガニストを務め、さらにピアノ教師や学校の先生もしながら、コツコツと地道に作曲を続けた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第5番」他』 2022/07/21放送
パリ音楽院オルガン科の教授
1872年、50歳の年にパリ音楽院オルガン科の教授に任命され、67歳で生涯を閉じるまでこの職を務めた。
オルガニストとしての名声を得たものの、作曲家としてはなかなか認められないままだった。
しかし、独自の作風が若者を魅了し、パリ音楽院でオルガンを教えるフランクの元に彼を慕う若い作曲家たちが集まった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第5番」他』 2022/07/21放送
なお、彼の弟子やその影響を受けた者は「フランキスト」と呼ばれ、のちにドビュッシーらの印象主義音楽と対抗することになる。
セザール・フランク - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/セザール・フランク
晩年
そうしたフランクの作品が世の中に認められるようになったのは、60歳を過ぎた頃のことで、「交響曲 ニ短調」「ヴァイオリン・ソナタ イ長調」など今日傑作とされている作品が生まれ、評価されるようになっていった。
大器晩成とも言われる。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第5番」他』 2022/07/21放送
フランクの人物像
フランクは敬虔で生真面目な性格だったという。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ルクーのチェロ・ソナタ』 2023/1/31放送
大器晩成の作曲家である。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フランクの交響曲 他』 2022/11/8放送
他の音楽家との関係
ダンディ・ショーソン・ルクー
フランクの意義・評価
循環形式
フランクは、オペラと演奏家の表面的な名人芸が人気を得た19世紀後半のフランスの音楽界で、それらの流行に追随するのをもっとも明確に拒んだ作曲家であった。そして、バッハをはじめとするドイツ音楽の厳密な論理的構成に比肩する形式を探究し、全曲が1つのモチーフの多彩な変化によって有機的に構築されるという独自の形式、すなわち循環形式を確立した。晩年の名作の大半がこの形式によって作曲されている。
小学館 『日本大百科全書』
フランクの作品
フランクの傑作の多くは60代になってから次々に生み出されていく。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フランクの交響曲 他』 2022/11/8放送
交響曲 ニ短調
フランクが残した唯一の交響曲である。
1889年に初演された時、フランクはすでに66歳であった。
華やかなフランス音楽界の中で、バッハやベートーヴェンの影響を受け、ドイツロマン派のリストやワーグナーの音楽語法を取り入れたフランクの作品は生前はほとんど評価されなかった。この初演も理解されず、聴衆は冷ややかな反応だったそうだが、フランクは思ったとおりの音が聞こえたと喜んでいたという。現在では名作として広く知られる。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フランクの交響曲 他』 2022/11/8放送
室内楽曲
3つの協奏的ピアノ三重奏曲
20代前半に作曲した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ルクーのチェロ・ソナタ』 2023/1/31放送
ヴァイオリン・ソナタ イ長調
この曲は1886年、64歳の年に同郷の後輩であるヴァイオリニストのイザイの結婚祝いに作曲した。フランクが遺した唯一のヴァイオリン・ソナタである。
イザイが演奏旅行で好んで演奏したことから広く知られ、大きな成功を収めることになった。
フランス系のヴァイオリン・ソナタの最高傑作と言われ、また、すべてのヴァイオリン・ソナタの中で最も人気の高い作品の1つである。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第5番」他』 2022/07/21放送
ピアノ五重奏曲 へ短調
20代前半にピアノ三重奏曲を作曲して以来およそ35年ぶりに手がけた室内楽曲。敬虔で生真面目な性格だったというフランクが珍しく激しい感情の起伏を表した作品である。
1880年57歳の年にサン・サーンスのピアノと弦楽四重奏弾で初演が行われ好評を得た。しかし、初演でピアノを演奏したサン・サーンスなど一部の古典音楽の愛好家たちはこの作品に不満を漏らした。
フランクはこの曲をサン・サーンスに捧げようとしていたが、サン・サーンスは楽譜の受け取りを拒否してその場を後にした。この曲の自由な形式や激しく劇的な展開が許せなかったと伝えられているが、真相はわかっていない。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ルクーのチェロ・ソナタ』 2023/1/31放送
オルガン曲
大オルガンのための6つの小品
「大オルガンのための6つの小品」は、オルガン演奏の名手であったフランクが初めて作曲家としてその才覚を現した作品として重要視される。
前奏曲、フーガと変奏曲 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki 前奏曲、フーガと変奏曲
前奏曲、フーガと変奏曲 作品18
1862年、40歳の年にオルガン曲として作曲し、友人のサン・サーンスに献呈された。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フランクの交響曲 他』 2022/11/8放送
「大オルガンのための6つの小品」の第3番にあたる。
数々のピアニストが独奏用に編曲し、ピアノのレパートリーとしても知られている。
NHK-FM(東京) 『ピアノの名曲を聴く(1)アンナ・ヴィニツカヤ - ベストオブクラシック - NHK』 2024/8/26放送
3つのコラール
3つのコラールはフランクが完成させた最後の作品となった。
NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 廣江理枝 オルガンで奏でる「展覧会の絵」』 2023/1/10放送
コラール 第2番 ロ短調
コラール第2番についてオルガニストの廣江理枝は「フランクが好んでいた半音階や転調の作曲技法がふんだんに使われている。最後は天上の世界を思わせる神秘的な雰囲気で曲を閉じる、とても美しく深みのある作品」と語っている。
NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 廣江理枝 オルガンで奏でる「展覧会の絵」』 2023/1/10放送
コラール 第3番 イ短調
フランクがこの世を去る直前に完成させたオルガン曲。
フランクは死ぬ前にバッハのようにコラールを書きたいと語っていたと伝えられていて、コラール第3番は1890年に完成した。生涯最後の作品となり、その約2カ月後に67歳で亡くなった時、この曲集の手書き譜が枕元に置かれていたという。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フランクの交響曲 他』 2022/11/8放送
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