対位法―フーガ
フーガとは
フーガの定義・意味など
フーガとは、ある声部の主題で始まり、これに第2声部が模倣的に応答し、先行主題は追いつかれないように逃げて行く形で反復され、以後も声部が加わるごとに主題と応答(模倣)が反復される対位法的な楽曲形式をいう。
岩波書店 『広辞苑 第六版』。小学館 『日本国語大辞典』
テーマとなるメロディーがさまざまな形を変えながら絡み合い、いくつものを川が合流して作られる川の流れのような音楽形式である。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送
フーガの別名・別称・通称など
遁走曲
フーガは遁走曲とも呼ばれる。
小学館 『日本国語大辞典』
フーガの位置づけ・体系(上位概念等)
対位法
フーガは対位法と呼ばれる作曲技法の中の最も重要な形式の1つである。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送
フーガの特色・特徴
高度
フーガには様々なルール、約束事があり、厳格なフーガの作曲には高度なテクニックと高い知性が必要になる。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送
普遍性
フーガという形式は、その旋律の織り成す力強い構築が曲の存在のほとんど形成する。
したがって、どのような楽器でアレンジしても対位法がきちんと演奏されている限り、その音楽の本質は損なわれないということができる。
もちろん、楽器の音色・種類によってさまざまな表現が可能になってくるが、フーガという形式はそうした普遍性を有する。
NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ 選▽バッハの「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」(3)』 2022/9/23放送
フーガの具体例
バッハ
バロック時代、バッハは対位法を集大成し、数々の壮麗なフーガを残した。鍵盤楽器をはじめとして、たくさんの声楽曲や合奏曲でフーガを作曲し、ヴァイオリンソロ曲にまで素晴らしいフーガを残している。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送
バッハは普遍性のあるフーガという形式を愛し、そして、自らのものとしていた。
NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ 選▽バッハの「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」(3)』 2022/9/23放送
フーガの技法
バッハの「フーガの技法」は有名である。
小学館 『日本国語大辞典』
フーガの作曲テクニックを存分に展開させた作品集であるが、全曲を完成させる前にバッハは世を去った。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送
フーガの分類・種類
声部数
声部数に応じて3声フーガ・4声フーガなどという。
岩波書店 『広辞苑 第六版』
主題数
複数の主題による場合はその数によって2重フーガ・3重フーガなどという。
岩波書店 『広辞苑 第六版』
フーガの歴史
フーガはルネサンスに始まり、バロック時代に本格的な発展をみ、古典派時代以降も使われた。
岩波書店 『広辞苑 第六版』
バロック
バッハ
バッハはバロック時代、対位法を集大成して数々の壮麗なフーガを残した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送
古典派
バッハが晩年まで追求し、その芸術性を高めたフーガはバッハ以降次第に下火となり、古典派以降はメロディーと伴奏による作曲が音楽芸術の中心となっていく。
しかし、その流れの中でもフーガが消え去ることはなく、バッハに続く各時代の作曲家たちによってフーガの伝統は現代へと受け継がれていく。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送
ベートーヴェン
ベートーヴェンの時代になると対位法は古めかしい作曲方法と考えられるようになっていた。 しかし、ベートーヴェンはこの対位法をしっかり継承し、「弦楽四重奏曲 第13番 作品133「大フーガ」」や「ピアノ・ソナタ 第29番 作品106「ハンマークラヴィーア」」で充実したフーガを作曲した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送
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