シューマン
シューマン
シューマンの生涯・経歴
シューマン(1810-1856)は19世紀ドイツ・ロマン派の作曲家、指揮者、音楽評論家である。
1810年にドイツのザクセンで5人兄弟の末っ子として生まれた。ショパンとは同い年である。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、149項。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ショパンのピアノ協奏曲第1番 他』 2022/9/15放送
幼い頃から音楽に親しんでいた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送
父は出版業を営んでいたため子どもの頃から文学にも親しんでいた。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、149項。
10代後半にはシューベルトの連弾曲に熱中し、連弾曲の作曲に挑んでいる(「8つのポロネーズ」)。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスの交響曲第1番(連弾版)』 2023/2/20放送
法律の大学に進んだが、音楽への想いは立ちがたく、ピアニストを目指して大学を辞めピアノの名教師ヴィークに弟子入りした。
ヴィークの下で住み込みでピアノを学んでいたが、無理な練習から2年ほどで指を痛めてしまい、ピアニストの道は断念した。
しかし、音楽家としての道は諦めず、評論活動と作曲に全力を注ぐようになった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンのピアノ協奏曲 他』 2022/07/07放送。中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、132-133項。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送
シューマンはベートーヴェンやシューベルトを敬愛し、シューベルトが31歳で世を去った後、1938年28歳の頃にウィーンを訪れて2人の墓を訪れ、さらにシューベルトの兄の家を尋ねて、兄の元に残されたシューベルトの楽譜を見せてもらう。
そのときシューマンによって見出されたのが、今日「グレート」の愛称で親しまれている交響曲第8番であった。シューマンはすぐに友人のメンデルスゾーンにこの曲を託し、メンデルスゾーンもその真価を認めて自らの指揮で初演した。これがシューベルトの音楽を世界に知らしめる大きなきっかけとなった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 選 シューマンの交響曲第3番「ライン」』 2023/3/9放送
また、1835年、シューマンはピアノの天才少女として人気を博していたヴィークの娘クララと恋をするようになる。
しかし、クララの父ヴィークは2人の結婚に猛反対した。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンのピアノ協奏曲 他』 2022/07/07放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送
こうした試練のなかでシューマンは1836年から38年の間に、「幻想小曲集 作品12」「幻想曲 作品17」など最高傑作と評されるピアノ曲のほとんどを生み出している。
また、1830年代には3曲のピアノソナタも完成させている。
小学館 『日本大百科全書』。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ヨーゼフ・シュトラウスのワルツ「オーストリアの村つばめ」』 2023/2/2放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ショパンの「幻想ポロネーズ」』 2023/11/29放送
最後は裁判にまでなったが、1840年2人は結婚にこぎつけた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンのピアノ協奏曲 他』 2022/07/07放送
クララとの結婚を機に、結婚した年1840年にシューマンの創作はピアノ音楽から「歌曲の年」と呼ばれる声楽作品へと集中してゆき、歌曲の名作を次々と生み出した。
こうした特定ジャンルへの集中は以後も続き、翌年の41年には管弦楽曲に力を注いで交響曲第1番や第4番といった名作を生み出し、「交響曲の年」と呼ばれる。そして、さらに42年の「室内楽の年」、43年の「オラトリオの年」と呼ばれる集中的、体系的な創作姿勢をみせている。
また、49年にはさながら「二重奏曲の年」とも言えるように「クラリネットとピアノのための『幻想小曲集』作品73」「オーボエとピアノのための『3つのロマンス』作品94」「民謡風の小品集 作品102」などを作曲している。
小学館 『日本大百科全書』。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シューマンの交響曲第1番「春」』 2023/2/28放送。NHK-FM(東京) 『シューマンの「こどもの情景」』 2023/5/2放送。NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 選 オーレン・シェヴリン チェロ リサイタル』 2022/10/13放送
1850年、40歳の年にドイツ西部に位置するライン川沿いの商業都市デュッセルドルフの音楽監督として招かれ、家族とともにデュッセルドルフへと移住し、指揮者として活動を始めた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンのチェロ協奏曲 他』 2022/9/21放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 選 シューマンの交響曲第3番「ライン」』 2023/3/9放送
クララは当時の有名なヴァイオリニストであるヨーゼフ・ヨアヒムと共演したが、その後、ヨアヒムはシューマンとも親しくなった。
なお、ヨアヒムは幼い頃からバイオリンの才能を現し、12歳の時、メンデルスゾーンに才能を見出され、10代から演奏家として活躍した。
1853年、ヨアヒムはシューマン夫妻に20歳のブラームスを紹介した。当時のシューマンはすでに大作曲家であり、また無名であったショパンをいち早く世に紹介するなど才能を見抜く目には定評があった。シューマンはブラームスの作品を高く評価して評論文で紹介し、また、楽譜の出版にも力を貸して、ブラームスはようやく作曲家として世の中に認められるようになった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンのピアノ協奏曲 他』 2022/07/07放送。中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、204項。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスの交響曲第1番』 2023/5/30放送
なお、シューマンは1853年にはバッハが作曲した無伴奏ヴァイオリン・パルティータとソナタ、 そして、無伴奏チェロ組曲にピアノの伴奏をつける編曲を行なっている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シューベルトの八重奏曲』 2023/1/11放送
しかし、やがてシューマンはクララとブラームスの仲を疑うようになり、そういう自分がいやになり、精神的に追い詰められていく。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、137-138項。
1854年、精神的に不安定になったシューマンは、心身の病からライン川に身を投げた。一命はとりとめたもののそれから病の床に就いた。クララは夫を支えるために力を尽くさなくてはならず、夫婦は苦しい日々を過ごした。
そして、2年後の1856年にシューマンは46歳の生涯を閉じた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンのピアノ協奏曲 他』 2022/07/07放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスの交響曲第4番』 2023/2/1放送
シューマンの音楽史における位置づけ
ロマン主義音楽
ドイツ・ロマン派の代表
シューマンはドイツのロマン派を代表する作曲家である。ベートーヴェンやシューベルトの音楽のロマン的後継者として位置づけられる。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シューマンの交響曲第1番「春」』 2023/2/28放送。ロベルト・シューマン - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ロベルト・シューマン
他の音楽家との関係
シューベルト
シューマンはシューベルトを深く敬愛していた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューベルトの五重奏曲「ます」 他』 2022/9/29放送。
ショパン
ショパンがパリに出て活躍するようになると、間もなく2人は出会い、友人になった。
しかし、実はその出会いの前から、シューマンはポーランドの作曲家ショパンの作品に注目していた。「諸君帽子を取りたまえ、天才が現れた」という言葉で知られるシューマンの評論文はショパンが1827年、17歳の年にポーランドで作曲したピアノと管弦楽のための作品に対して書かれたものであった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ショパンのピアノ協奏曲第1番 他』 2022/9/15放送
シューマンの意義・評価
音楽評論家
シューマンは作曲以外に音楽評論を確立した。
音楽評論家としてのシューマンの業績としては、ショパンをいち早く認め、その才能を称えたことが知られている。
さらには、シューベルトの最後の交響曲である「交響曲第8番 ハ長調 D.944(グレイト)」のスコア(楽譜)を発見したのもシューマンだった。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、132-134項。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューベルトの交響曲第8番 他』 2022/9/20放送
シューマンの作品
ピアノ曲
シューマンはピアノ曲に名曲が多い。
中川 右介 『3時間でわかる「クラシック音楽」入門』 青春出版社、2006年、144項。
シューマンの作品23までの曲はすべてピアノ曲である。
ロベルト・シューマン - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ロベルト・シューマン
アベッグ変奏曲 作品1
「作品1」という番号を持つこの曲は、1830年、シューマンが20歳の頃に作曲し、翌年に出版された、いわばシューマンのデビュー曲である。
ピアノの名教師ヴィークに弟子入りし、音楽に専念しようと意欲に燃えていた頃に作曲された。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンのピアノ協奏曲 他』 2022/07/07放送
以後、シューマンはピアノ曲を集中的に作曲する。
中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、133項。
謝肉祭 作品9
1835年、25歳の年に完成されたピアノ独奏曲。全21曲。シューマンのピアニズムの金字塔とも言える作品。
なお、カトリック教国で長い歴史を持つ謝肉祭(カーニバル)には、シューマンの他ドヴォルザークなど歴代のクラシック音楽の作曲家たちも想像力を刺激され作品を遺している。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンの「謝肉祭」他』 2022/076/20放送
クライスレリアーナ 作品16
8曲からなるピアノ曲集。
結婚する2年前の1838年、クララの父から猛反対されながらも2人は結婚をするという強い意志を固めていた時期に書かれた。愛するクララに向けて狂おしいほどの愛情が込められた作品。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シューマンの交響曲第1番「春」』 2023/2/28放送
シューマンは文学の魅力にも取り憑かれ、ホフマンなどドイツロマン派の作品を読み漁った。
シューマンが好んだホフマンの作品にはクライスラーという人物が登場するが、クライスレリアーナは、このクライスラーに由来する。彼の心をつかんだ物語の世界が幻想的でドラマチックな音楽によって描き出されている。
2022/06/06「クラシックカフェ」より
幻想曲 ハ長調 作品17
ピアノ曲。クララとの結婚をクララの父ヴィークに猛反対されていた1836年から38年にかけて作曲された。最初はドイツのボンにベートーベンの記念碑を建てるための寄付を目的に作曲が始められたが、最終的にはクララへの思いも込められた3楽章からなる幻想曲として完成した。ベートーベンの「遥かな恋人に」という歌曲からの旋律も用いられている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ヨーゼフ・シュトラウスのワルツ「オーストリアの村つばめ」』 2023/2/2放送
アンダンテと変奏曲 作品46
この作品はシューマンにとって唯一の2台ピアノのための作品である。
もともとは2台のピアノ、2つのチェロ、そしてホルンの編成で作曲されたが、演奏後、楽器のバランスに疑問を感じたシューマンはチェロとホルンを除き、2台ピアノの作品として改訂した。この時改定を勧めたのが、友人のメンデルスゾーンであった。
メンデルスゾーンとシューマンの妻クララによって初演が行われた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ モーツァルトの2台のピアノのためのソナタ 他』 2022/11/28放送
東洋の絵 6つの即興曲 作品66
シューマンは10代後半にシューベルトの連弾曲に熱中し、自らも初めての連弾曲として「8つのポロネーズ」を作曲した。その後連弾による変奏曲も生み出したが、興味はいつしかほかのジャンルへと移っていった。
38歳のときに再び連打に取り組み、この作品を作曲した。シューマンは子供の頃から詩や小説を好み、文学に基づく作品を数多く作曲していた。「東洋の絵」もアラビアの古い詩を元にした作品で、詩に描かれた若者の冒険物語を幻想的な音楽で表現している。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスの交響曲第1番(連弾版)』 2023/2/20放送
森の風景 作品82
全部で9曲からなるピアノの小品集。30代後半、1848年12月から49年1月にかけて作曲された。
ドイツロマン主義者にとって森は静寂、神秘、憧れといった多様な情緒を連想させるもので、この作品はロマン派の詩人たちが描いたさまざまな森の情景が並ぶ幻想的な組曲である。ドイツの作家で詩人のアイヒェンドルフの詩にインスピレーションを得たと言われている。
特に第7曲の「予言の鳥」は人気が高く、しばしば単独でも演奏される。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ショパンのピアノ協奏曲第1番 他』 2022/9/15放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」』 2023/8/14放送
フゲッタ形式の7つの小品 作品126
シューマンは1853年にはバッハが作曲した無伴奏ヴァイオリン・パルティータとソナタ、そして無伴奏チェロ組曲にピアノの伴奏をつける編曲を行なっている。この編曲と同じ時期にこの作品も作曲された。フゲッタとは、小さなフーガという意味である。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シューベルトの八重奏曲』 2023/1/11放送
ピアノ曲―幻想小曲集
シューマンは幻想小曲集と題した作品をいくつか残している。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンのチェロ協奏曲 他』 2022/9/21放送
幻想小曲集 作品12
シューマンは幻想小曲集というタイトルの曲をいくつか書いているが、作品12はクララと恋愛関係になり、そのことが父のヴィークに知られて訴訟にまで発展したいざこざの中、1837年に作られたピアノ曲。全8曲。曲集のタイトルの通り、幻想的な叙情性と情熱が交差するシューマンの代表作の1つ。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ フォーレのピアノ五重奏曲ニ短調』 2023/8/23放送
なお、妻のクララ・シューマンは1870年1月のウィーン学友協会小ホールの歴史的なリサイタルで、プログラムの最後にこの作品12から3つ(「夕べに」「飛しょう」「なぜに」)を抜粋して弾いている。また、このリサイタルの1曲目としてオープニングで弾かれたのはクララがことのほか愛した、ブラームスの「ホルン三重奏曲 変ホ長調 作品40」であった。
NHK-FM(東京) 『音楽の泉 ブラームスのホルン三重奏曲』 2023/2/19放送
室内楽曲
ピアノ・ソナタ
シューマンは1830年代に3曲のソナタを完成させた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ショパンの「幻想ポロネーズ」』 2023/11/29放送
ピアノ・ソナタ 第2番 ト短調 作品22
番号の上では第2番であるが、3曲のピアノ・ソナタの中では最後に完成した作品。
1833年から38年までの5年間、作曲と改訂を繰り返し完成した翌年に出版された。全部で4楽章。
全体的に激しい情熱を感じさせるソナタである。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ショパンの「幻想ポロネーズ」』 2023/11/29放送
ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44
1842年、シューマンが室内楽の傑作を次々と生み出した、いわゆる「室内楽」の年に書かれたピアノ五重奏曲。
妻となったクララは当時人気のピアニストであり、ピアノ五重奏曲の初演ではクララがピアノのパートを受け持った。作曲の前年には娘が生まれ、幸せにあふれていた時期である。シューマンの満ち足りた日々が映し出されているかのような輝かしい音楽。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(1)』 2022/12/19放送
二重奏曲
シューマンは1840年の「歌曲の年」、翌年の「交響曲の年」など同じ年に同じジャンルの曲を集中して作曲することがあるが、1849年にはさながら「二重奏曲の年」とも言えるように「クラリネットとピアノのための『幻想小曲集』作品73」「オーボエとピアノのための『3つのロマンス』作品94」「民謡風の小品集 作品102」などを作曲している。
幻想小曲集 作品73
1849年、シューマンが38歳の時に作曲されたクラリネットとピアノのための作品である。シューマンは、この作品をわずか2日間で書き上げた。
当初は夕べの小曲集というタイトルであったが、出版される時に幻想小曲集とした。クラリネットだけでなく、バイオリンやチェロでも演奏できるように編曲した楽譜も出版されている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンのチェロ協奏曲 他』 2022/9/21放送
3つのロマンス 作品94
この曲はもともとはオーボエまたはヴァイオリンかクラリネットとピアノのために書かれたものであるが、今では様々な楽器によって演奏されている。
1849年シューマンが39歳の年、30歳になった妻クララへのクリスマスプレゼントとして贈った曲。シューマン夫妻は生涯を通して8人の子を授かっているが、この年、ドレスデンで6人目の子供をクララが出産した。しかし、シューマンの精神状態は闇と光を移ろっていた。
この曲は穏やかでありながら、心の内に訴えかけるような作品で、ロマン派のオーボエ曲の最高傑作の1つとされている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ショパンのピアノ協奏曲第1番 他』 2022/9/15放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シューマンの交響曲第1番「春」』 2023/2/28放送。
民謡風の小品集 作品102
この作品はチェロとピアノのための5つの曲で構成され、 シューマンが39歳を迎える年1849年にドレスデンで作曲された。
NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 選 オーレン・シェヴリン チェロ リサイタル』 2022/10/13放送
協奏曲
ピアノ協奏曲
ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
シューマン唯一のピアノ協奏曲で、初演は1846年。このピアノ協奏曲はやっと始まったクララとの幸せな結婚生活の中で作曲が始められ、5年ほどの歳月をかけて完成させた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンのピアノ協奏曲 他』 2022/07/07放送
チェロ協奏曲
チェロ協奏曲 作品129
全3楽章。1850年に家族と共にデュッセルドルフに移住してまもなく作曲された。
なお、この作品の創作経緯はほとんどわかっていない。
生前に演奏されることはなく、シューマンが亡くなった4年後の1860年になって初めて演奏された。
シューマンらしい情熱と叙情性に溢れたロマン派の傑作としてチェロ奏者の欠かせないレパートリーの1つになっている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンのチェロ協奏曲 他』 2022/9/21放送
交響曲
シューマンは4つの交響曲を残している。
NHK-FM(東京) 『シューマンの「こどもの情景」』 2023/5/2放送
なお、シューマンの交響曲についてはオーケストレーションの未熟さや表現力の不足を指摘する声もあり、個々の演奏ではシューマンのオーケストレーションに修正を加える指揮者も少なくない(交響曲第1番など)。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ヨハン・シュトラウスのワルツ「春の声」』 2023/5/18放送
交響曲 第1番 変ロ長調 作品38「春」
1841年、シューマンが30歳の時に作曲した。前年の1840年にシューマンとクララは結婚し、結婚した年には多くの歌曲を生み出したが、この1841年は「交響曲の年」と呼ばれ、交響曲や管弦楽曲の操作に力を注いだ。
交響曲第1番は、ドイツの詩人アドルフ・ベトガーの詩からインスピレーションを受け着想したと言われている。そのため、シューマン本人が「春」と呼んでいた。第4楽章には「クライスレリアーナ」の第8曲が引用されている。1841年の2月20日に完成し、3月31日、メンデルスゾーンの指揮によって初演された。
この演奏はスターともいえる人気ピアニストだったクララが結婚後初めて出演した演奏会でもあった。聴衆の関心は夫の音楽ではなく、21歳の天才ピアニスト、クララに向けられ、熱狂的に迎えられたという。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シューマンの交響曲第1番「春」』 2023/2/28放送
なお、この曲には19世紀後半から20世紀初頭にかけて世界的な指揮者としても活躍した作曲家マーラーが手を加えた編曲版がある。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ヨハン・シュトラウスのワルツ「春の声」』 2023/5/18放送
交響曲 第3番 変ホ長調 作品97「ライン」
シューマンは1850年、40歳の年にドイツ西部に位置するライン川沿いの商業都市デュッセルドルフの音楽監督として招かれた。人々の温かい歓迎を受けたシューマンはこの町を気に入り、ライン川のほとりも好んで散歩した。ときには上流の街ケルンまで足を伸ばし、壮麗なケルン大聖堂に大きな感銘を受けたという。
交響曲第3番「ライン」はこの時期に作曲された。ライン川のほとりから見えるケルン大聖堂はゴシック様式の先頭が空にそびえる圧倒的な美しさで、この交響曲は全5楽章を通してライン川とケルン大聖堂の雄大な情景やライン地方の人々の温もりなどシューマンが感銘を受けた心の動きが聞こえてくるかのような傑作となった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 選 シューマンの交響曲第3番「ライン」』 2023/3/9放送
交響曲 第4番 ニ短調 作品120
この作品はシューマンの4つの交響曲の中で2番目に作曲されたが、のちに改訂し、出版が10年以上あとになったため、交響曲第4番として世に知られることになった。初稿についていた幻想的交響曲という副題はその後削除されたが、4つの楽章を切れ目なく演奏するなど交響曲としては珍しい手法にその面影が残っている。若き日の発想に円熟期のシューマンが手を加えた時空を超えた渾身の一作である。
NHK-FM(東京) 『シューマンの「こどもの情景」』 2023/5/2放送
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