[歴史②]世界史

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ピアソラ


ピアソラ

ピアソラの生涯・経歴

ピアソラ(1921-1992年)は、アルゼンチンの作曲家でバンドネオンの名手である。

中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、266項。

1921年にアルゼンチンでイタリア移民3世として生まれ、この都市の音楽であるタンゴに変革をもたらした。1992年にブエノスアイレスで亡くなった。

NHK-FM(東京) 『音楽の泉 ▽ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」』 2022/07/09放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(2)』 2024/1/23放送

10代の頃からジャズに興味を持ち、ガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルーなどを練習していたという。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ガーシュウィンのラプソディー・イン・ブルー』 2023/3/14放送

迷い

1940年代には母国アルゼンチンを代表する作曲家ヒナステラに師事したが、アルゼンチンタンゴを創作の基盤とするのか、いわゆる現代音楽の作曲家を目指すのか迷いがあった。
1950年代前半にオーケストラ曲「シンフォニア・ブエノスアイレス」という素晴らしい曲を発表したが、クラシック音楽にタンゴの楽器バンドネオンを入れるとは何事かとの批判を浴びる。

パリ留学

タンゴに限界を感じたピアソラはクラシックの作曲家を目指して、1954年、33歳の年に今度はパリに留学し、コープランドバーンスタインなどを指導した名教師ナディア・ブーランジェに師事した。ブーランジェはピアソラの根底にタンゴがあることを見抜き、自分のルーツに戻ることを薦め、同時に様々な音楽的教養をピアソラに授けた。

NHK-FM(東京) 『音楽の泉 ▽ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」』 2022/07/09放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ガーシュウィンのラプソディー・イン・ブルー』 2023/3/14放送。アストル・ピアソラ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/アストル・ピアソラ

ヨーロッパ移住

ピアソラは新たな音楽性を求めヨーロッパに移住し、イタリアを拠点に実験的な試みを始めた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(2)』 2024/1/23放送

アルゼンチン帰郷

1960年代に入るとアルゼンチンへ戻り、タンゴの破壊者と酷評されながらも、新しいタンゴを目指して革新的な作品を発表していった。五重奏団、八重奏団、九重奏団、六重奏団など、様々な形態の楽団の結成と解散を繰り返し、独自の音楽を確立した。
そして、ヴァイオリン協奏曲に編曲され、クラシック音楽のレパートリーにもなった「ブエノスアイレスの四季」などが作られた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ガーシュウィンのラプソディー・イン・ブルー』 2023/3/14放送。中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、268-269項。

ピアソラの意義・評価

タンゴの革命児

ピアソラは20世紀タンゴの革命児と呼ばれた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(2)』 2024/1/23放送

クラシックとジャズの融合

アルゼンチンのタンゴに、最初はジャズ、やがてはクラシックの要素を融合させ、独自の音楽世界を築いた。

なお、ピアソラを「クラシック」という括りの中に入れていいのか、異論もあるかもしれないが、彼の音楽は「クラシック」として演奏され、CDショップでもクラシックのコーナーに置いてある。

中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、266項。

ピアソラの作品

作風

ピアソラは単純なリズムパターンを1拍1拍ただ単純に取っていくのではなく、大きな流れの中で乗りながらもシンコペーションでアクセントをずらしたりしながら、細かい変化を常に生み出している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(2)』 2024/1/23放送

アルゼンチンタンゴ
リベルタンゴ

リベルタンゴとは自由を意味するリベルタとタンゴを組み合わせた新しい言葉。
当時、ピアソラは新たな音楽性を求めヨーロッパに移住し、イタリアを拠点に実験的な試みを始めた。新天地での新しい取り組みを祝福するような意気込みが感じられる作品。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(2)』 2024/1/23放送

プレパレンセ

1951年作曲の初期の名曲で、クラシカルなアルゼンチンタンゴ。タイトルは「用意はいいか」という意味。彼自身何度も編曲している。

NHK-FM(東京) 『音楽の泉 ▽ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」』 2022/07/09放送

カリエンテ

ピアソラが新しいタンゴを目指して模索と挑戦を続けていた時代の作品。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ガーシュウィンのラプソディー・イン・ブルー』 2023/3/14放送

天使のイントロダクション

ピアソラが新しいタンゴを目指して模索と挑戦を続けていた時代の作品。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ガーシュウィンのラプソディー・イン・ブルー』 2023/3/14放送

クラシック
ブエノスアイレスの四季

1965年から1970年にかけてピアソラがリーダーを務めていた五重奏団のために書かれた。
ただし、最初から四季が意識されていたわけではない。1965年に劇音楽として、まず「夏」が単独で作曲され、その4年後に「秋」が生まれた。そのときピアソラは初めて四季すべてを書く構想を明らかにする。その後、1969年の暮れから1970年にかけて、ブエノスアイレスの劇場でロングランの公演を行ったが、そこでかねてからの予告どおり、「冬」と「春」が披露された。
なお、四季は演奏順に決まりはない。

NHK-FM(東京) 『音楽の泉 ▽ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」』 2022/07/09放送

ル・グラン・タンゴ

チェロとピアノのための作品。ピアソラの作品中、「タンゴの歴史」とともにクラシック演奏家向けに書かれた作品として重要である。
1995年にヴァイオリニストのギドン・クレーメルが録音したCDが世界的に大ヒットとなり、ピアソラの名とともにこの作品も注目されるようになる。1996年にロストロポーヴィチも録音した。その後はチェリストのみならず、ヴァイオリニストもこぞって演奏するようになり、現在は重要なレパートリーとなっている。

ル・グラン・タンゴ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ル・グラン・タンゴ

1982年ピアソラが世界的チェロ奏者ロストロポーヴィチのために書いたものであるが、当のロストロポーヴィチはすぐには演奏せず、献呈を受けた8年後に初めて演奏したという。

NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 選 オーレン・シェヴリン チェロ リサイタル』 2022/10/13放送

映画音楽
オブリビオン

1984年のイタリア映画「エンリコ四世」のために書かれた映画音楽。タイトルは「忘却」という意味。

NHK-FM(東京) 『音楽の泉 ▽ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」』 2022/07/09放送



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