［歴史②］世界史

ヒンデミット

ヒンデミット

ヒンデミットの生涯・経歴

ヒンデミット（1895-1963）は20世紀ドイツの作曲家である。

NHK-FM（東京） 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送

1895年ドイツ中部のハーナウに生まれた。

NHK-FM（東京） 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送

演奏家

音楽のキャリアをオーケストラのバイオリニストとしてスタートして、その後ビオラ奏者としても活躍し、演奏家として順調に活動した。

NHK-FM（東京） 『魅惑のデュオ(3)デスポン&スタネフ - ベストオブクラシック』 2024/10/23放送

作曲家

やがて作曲の道を歩み始め、第1次世界大戦後に作曲活動を本格化した。

NHK-FM（東京） 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送。NHK-FM（東京） 『魅惑のデュオ(3)デスポン&スタネフ - ベストオブクラシック』 2024/10/23放送

アメリカ亡命

しかし、ヒンデミットは前衛的な音楽を作曲していたためにナチスから弾圧を受けた。ヒンデミットに対するナチスの攻撃はいっそう激しくなり、ついには亡命へと至る。
1938年にスイスへ移った後、1940年アメリカに渡り、1946年にアメリカの市民権を取得する。ヒンデミットのアメリカ時代は1953年まで続いた。

NHK-FM（東京） 『クラシックカフェ ヒンデミットのウェーバーの主題による交響的変容』 2023/11/27放送。ウェーバーの主題による交響的変容 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ウェーバーの主題による交響的変容

アメリカでは指揮者としても活躍し、充実した音楽人生を歩んだ。彼の作品は各地で賞賛を受け、人気作曲家として名を馳せた。

NHK-FM（東京） 『クラシックカフェ ヒンデミットのウェーバーの主題による交響的変容』 2023/11/27放送。

ヒンデミットの意義・評価

新古典主義

ヒンデミットはバッハの音楽を熱心に研究してその成果を作品に結び付け、新古典主義音楽で大きな成果をあげたことで知られている。

NHK-FM（東京） 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送

反ロマン的傾向を示し、特に室内楽曲においてバロック的手法の現代化に卓越した。

岩波書店 『広辞苑 第六版』

新即物主義

ヒンデミットの作品

作風・音楽傾向など

ヒンデミットはクラシックの器楽曲のほか、オペラや映画音楽など多岐にわたる分野で数多くの作品を残した。

NHK-FM（東京） 『魅惑のデュオ(3)デスポン&スタネフ - ベストオブクラシック』 2024/10/23放送

バッハの後継者

ヒンデミットはバッハを敬愛し、自らをバッハの後継者と位置づけた。

NHK-FM（東京） 『クラシックカフェ レーガーの「ベックリンの絵による音詩」』 2023/3/1放送

交響曲

画家マチス

1934年3月に交響曲「画家マティス」がフルトヴェングラー指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によって初演されて成功を収めて以降、ヒンデミットに対するナチスの攻撃はいっそう激しくなり、ついには亡命へと至る。

ウェーバーの主題による交響的変容 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ウェーバーの主題による交響的変容

世界の調和

個々の惑星が音楽的な調和を持って運動していると考えたケプラーの思想に共鳴し、その著書「世界の調和」をタイトルとするオペラと交響曲を作り上げた。ケプラーの人生が音楽で巧みに表された20世紀の名作の1つ。
全3楽章。第1楽章は「楽器の音楽」、第2楽章は「人間の音楽」、そして第3楽章は「天体の音楽」と名付けられている。

NHK-FM（東京） 『ヒンデミットの交響曲「世界の調和」 - クラシックの庭 - NHK』 2024/6/5放送

吹奏楽のための交響曲 変ロ調

ヒンデミットが50代の中頃にアメリカの陸軍軍楽隊の依頼で作曲された。3つの楽章の全体にわたって対位法が駆使されている。

NHK-FM（東京） 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送

吹奏楽のために作曲された古今の交響曲のうちでも、とりわけ重要な作品に位置づけられ、またこのジャンルにおける傑作の1つとされる。

吹奏楽のための交響曲 (ヒンデミット) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/吹奏楽のための交響曲 (ヒンデミット)

管弦楽曲

ウェーバーの主題による交響的変容

1943年に作曲した管弦楽作品。ヒンデミットのアメリカ時代に書かれた作品の中で最も成功を収めたのがこの作品であった。またヒンデミットの作品の中で今日最も演奏される機会の多い作品の1つでもある。

ウェーバーの主題による交響的変容 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ウェーバーの主題による交響的変容

4つの楽章で構成されている。
19世紀に活躍したドイツの作曲家ウェーバーのオペラやピアノ曲を引用して作曲された。作品にはヒンデミットがアメリカで出会ったジャズやブラスバンドの要素も盛り込まれている。ドイツとアメリカの音楽がヒンデミット独自の手法で融合され、個性的かつ親しみやすい音楽が繰り広げられる。

NHK-FM（東京） 『クラシックカフェ ヒンデミットのウェーバーの主題による交響的変容』 2023/11/27放送

室内楽曲

無伴奏チェロ・ソナタ 作品25第3

1923年28歳の年に書かれた。
5つの曲で構成されていて、いずれの曲も実験的な雰囲気と暗い魅力に満ちている。若きヒンデミットの創作意欲があふれたような作品。

NHK-FM（東京） 『魅惑のデュオ(3)デスポン&スタネフ - ベストオブクラシック』 2024/10/23放送

ピアノ曲（ピアノ独奏曲）

組曲「1922年」

ヒンデミットがピアノのために書いた作品。
タイトルの通り1922年に書かれた作品で、ここにもヒンデミットが敬愛したバッハの影響が現れている。バッハの作品に当時流行していた舞曲などを集めたフランス組曲やイギリス組曲があるが、ヒンデミットはこれに倣ってか5つの音楽を集めて独創的な組曲とした。

NHK-FM（東京） 『クラシックカフェ レーガーの「ベックリンの絵による音詩」』 2023/3/1放送

ルードゥス・トナリス

バッハを敬愛し、自らをバッハの後継者と位置づけたヒンデミットはバッハの平均率クラヴィーア曲集に倣って、その20世紀版とも呼べる教育的な音楽を書くことを考えた。こうして生まれたのがこの作品。
「ルードゥス・トナリス」はラテン語で音の遊びといった意味。ヒンデミットはこのタイトルに加えて「対位法、調性及びピアノ奏法の練習」という副題を付けた。前奏曲と後奏曲の間に12のフーガとそれぞれ個性豊かな間奏曲が置かれている。全曲を演奏するとおよそ1時間という大曲。

NHK-FM（東京） 『クラシックカフェ レーガーの「ベックリンの絵による音詩」』 2023/3/1放送