ニルセン(ニールセン)
ニルセン
ニルセンの生涯・経歴
ニルセン(1865-1931)はデンマークを代表する作曲家であり、優れたバイオリン奏者としても活躍した。北欧を代表する作曲家の1人である。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの交響詩「フィンランディア」他』 2022/07/12放送。カール・ニールセン - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・ニールセン。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベルワルドの交響曲第3番「風変わりな交響曲」』 2023/1/23放送
ニルセンは、フィンランドの作曲家シベリウスと同じ年の1865年にデンマークのフュン島にある小さな村ノーレ・リュンデルセで生まれた。
家は貧しかったが、父はヴァイオリンとコルネットを演奏する村の音楽家であった。
ニルセン自身も幼い頃から音とリズムの感覚が優れていて音楽の才能を表し、村の楽隊で活躍する音楽好きの父親からさまざまな楽器の演奏を教わった。
6歳になると、父からヴァイオリンの手ほどきを受け、村の祝いの席で父の楽団に加わって演奏するようになった。
その後、ほとんど独学で音楽を学び続け、軍楽隊に入った。
1884年、19歳になる年に篤志家の援助と授業料免除の計らいを受けて、デンマーク音楽アカデミー(コペンハーゲン音楽院)に入学し、2年間学んだ。音楽院ではヴァイオリンを専攻したが、音楽理論の勉強にも熱心でやがて本格的に作曲に取り組むようになった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの交響詩「フィンランディア」他』 2022/07/12放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの「バイオリン協奏曲」他』 2022/08/15放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウスの交響曲第3番』 2023/5/17放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ニルセンの交響曲第5番』 2023/6/19放送
バイオリン奏者
大学卒業後、1889年にデンマーク王立管弦楽団の第2バイオリン奏者として働くことになった。オーケストラで様々なオペラを演奏する中で自らもオペラを作ってみたいという思いを募らせ、オペラや劇、音楽の作曲に取り組んだ。自作を自ら指揮することもあった。
1894年に交響曲第1番が初演されると、次第に作曲家としての名声も高くなり、作曲家として独自のスタイルを築いていく。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの「バイオリン協奏曲」他』 2022/08/15放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウスの交響曲第3番』 2023/5/17放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ニルセンの交響曲第5番』 2023/6/19放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベルワルドの交響曲第3番「風変わりな交響曲」』 2023/1/23放送。カール・ニールセン - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・ニールセン
1905年作曲に専念するために楽団を辞めたが、3年後、今度は楽長として王立劇場に戻り、デンマークの音楽界に確固たる地位を築いていった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの「バイオリン協奏曲」他』 2022/08/15放送
オーケストラに所属して様々なオペラを演奏する中でオペラや劇音楽の作曲にも取り組んだ。中でも歌劇「仮面舞踏会」は初演当初から高い人気を誇り、その成功でニルセンはデンマークの国民的作曲家にのぼり詰めた。
『クラシックカフェ』2023/1/23放送より
指揮者
1905年から1914年にかけては王立劇場で副指揮者を務めた。
1914年から1926年の間はコペンハーゲン音楽協会の指揮者として活躍した。
カール・ニールセン - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・ニールセン
ニルセンの意義・評価
ニルセンの音楽はデンマーク国内のみならずスカンジナビア諸国の作曲家たちにも影響を与えた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの「バイオリン協奏曲」他』 2022/08/15放送
ニルセンの作品
作風・音楽傾向など
作曲ではブラームス、グリーグ、リストらの影響を受けた後期ロマン主義から出発したが、のちには独自のポリフォニックな作風を確立、時代を先取りする多調の傾向を示した。
作品はオペラ、交響曲、室内楽、デンマーク語による歌曲など全領域にわたり、幅広いジャンルに作品を残しているが、中でも6曲の交響曲がよく知られる。
小学館 『日本大百科全書』。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの「バイオリン協奏曲」他』 2022/08/15放送
オペラ(歌劇)
仮面舞踏会
先述したように、ニルセンは王立歌劇場のオーケストラに所属し、様々なオペラや劇、音楽の作曲に取り組んだが、中でも知られているのがこの作品である。
初演当初から高い人気を誇り、その成功でニルセンはデンマークの国民的作曲家に上り詰めた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベルワルドの交響曲第3番「風変わりな交響曲」』 2023/1/23放送
交響曲
ニルセンは生涯に6つの交響曲を残している。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの交響詩「フィンランディア」他』 2022/07/12放送
特に第2番「4つの気質」(1901)、第4番「不滅」(1916)が有名である。
小学館 『日本大百科全書』
交響曲 第3番 作品27「広がり」
ソプラノとパリトンによるヴォカリーズを取り入れた作品。
4つの楽章で書かれていてヴォカリーズは第2楽章に現れる。第2楽章はホルンと弦楽合奏が平和な音楽世界を表して始まり、こののどかな世界に木管楽器の旋律が響くと音楽は動き出す。ヴォカリーズはバリトン、ソプラノの順に第2楽章の音楽の終盤に登場する。歌詞を持たない歌として時にオーケストラに溶け込み、時に際立ちながら牧歌的な雰囲気を高めていく。
NHK-FM(東京) 『アルヴェーンの交響曲第4番 - クラシックの庭 - NHK』 2024/7/3放送
交響曲 第5番
1922年に完成し、同年ニルセン自身の指揮で初演された。全2楽章。
第1楽章は2つ、第2楽章は4つの部分から成る大胆でユニークな構成で作られている。
ニルセンのほかの交響曲の多くが副題を持っているのに対し、第5番は作曲家による解説のようなものは1つもない。
しかし、ニルセンの研究者ロバート・シンプソンがこれは人間の闘争を表していると述べているように、第一次世界大戦の数年後に書かれたこの曲では戦争で破壊されていく世界に対するメッセージが音で表現されていると考える人もいる。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの交響詩「フィンランディア」他』 2022/07/12放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ニルセンの交響曲第5番』 2023/6/19放送
協奏曲
ニルセンは3つの協奏曲を作曲している。
カール・ニールセン - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・ニールセン
バイオリン協奏曲 作品33
1911年の夏、ニルセンは、ノルウェーの作曲家グリーグの夫人に招かれ、ベルゲン近郊のトロルドハウゲンにある邸宅に滞在し、ここでこの曲が書き始められた。亡きグリーグの作曲小屋でも筆を進め、コペンハーゲンに戻ってからは、指揮活動の合間を縫って作曲を続けた。曲は、この年のうちに完成し、翌年の2月に初演された。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの「バイオリン協奏曲」他』 2022/08/15放送
管弦楽曲
組曲「アラジン」
管弦楽のために書いた組曲。
タイトルにあるアラジンは古くから伝わる物語「アラジンと魔法のランプ」の主人公の名前。
デンマークでは詩人エーレンシュレーアーが戯曲の形にまとめた。
1919年ニルセンは戯曲アラジンの劇付随音楽を書き上げた。
ニルセンの死後、踊りの場面の音楽を中心に7曲が抜粋され、組曲が出版された。この抜粋が今日「アラジン組曲」と呼ばれている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 音がつむぐものがたり(3)』 2023/11/8放送
オリエンタル・マーチ
魔法の力を手に入れたアラジンが王女にプロポーズするために城へ向かう場面で演奏される。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 音がつむぐものがたり(3)』 2023/11/8放送
室内楽曲
ニールセンは数曲の室内楽曲を作曲しており、一部の曲は世界的なレパートリーの中で高い地位を保っている。木管五重奏曲は彼の作品の中でも有名なものの1つである。
カール・ニールセン - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・ニールセン
木管五重奏曲 作品43
1922年にコペンハーゲン管楽五重奏団のために書かれた作品。
ニルセンは数曲の室内楽曲も作曲しており、一部の曲は世界的なレパートリーの中で高い地位を保っているが、木管五重奏曲は彼の作品の中でも有名なものの1つ。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウスの「バイオリン協奏曲」他』 2022/08/15放送
ピアノ曲
5つの小品 作品3
ピアノのための小品。
NHK-FM(東京) 『音楽界の二刀流(2)マリン・ブロマン - ベストオブクラシック』 2024/9/25放送
組曲「明けの明星」作品45
54歳になる1919年に完成したピアノのための作品。
全部で6曲からなり、それぞれの楽曲にはタイトルが付けられていない。ニルセンは最初、この組曲を「炎と水」と呼んでいたが、初演で「明けの明星」とタイトルを変え、出版した時には「明けの明星」というタイトルすら外してしまう。当時、ニルセンはバッハやモーツァルトなどバロック音楽や古典派の対位法に深い関心を示していたが、そのことはこの作品にも反映されている。
この組曲は、20世紀を代表するピアニストの1人シュナーベルに献呈された。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウスの交響曲第3番』 2023/5/17放送
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