[歴史②]世界史

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北欧―グリーグ


グリーグ

グリーグの生涯・経歴

グリーグ(1843-1907)は、ノルウェーの国民的作曲家・ピアニストであり、北欧を代表する作曲家の1人である。チャイコフスキーと同じ時代にあたる。

参考:中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、181項。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウス交響詩「フィンランディア」他』 2022/07/12放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ チャイコフスキー交響曲第5番 他』 2022/10/10放送

グリーグは1843年にノルウェーのベルゲン市に生まれた。5人兄弟の4番目だった。

中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、182項。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ニルセン交響曲第5番』 2023/6/19放送

ピアニストであった母の影響で幼い頃からピアノに親しみ、6歳の頃から母にピアノの手ほどきを受けた。
グリーグ家で定期的に開催されていた音楽の集いに出席し、ここでモーツァルトウェーバーショパンなどの音楽を知り、親しみを持つようになった。とりわけショパンの作品に惹かれたようである。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽オネゲル交響詩「夏の牧歌」他』 2022/06/22放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ニルセン交響曲第5番』 2023/6/19放送

10歳の頃、一家はベルゲン近隣の都市に移り住み、グリーグは兄のヨーンと共にベルゲンの学校まで毎日歩いて通学したという。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ニルセン交響曲第5番』 2023/6/19放送

ドイツのライプツィヒ音楽院でピアノと作曲を学び、さらにデンマークの作曲家ゲーゼの下で研さんを積んだ。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウス交響曲第5番』 2023/1/25放送

帰国後、20歳の頃にいとこで声楽家のニーナと出会い婚約をした。そして、1867年、グリーグが24歳になる年に2人は結婚し、現在の首都オスロにあたるクリスチャニアのフィルハーモニー協会の指揮者になった。
豊かな芸術性を持つニーナは夫の作品を深く理解し、また、グリーグにとっては妻の存在が数々の歌曲を生み出す原動力となった。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ チャイコフスキー交響曲第5番 他』 2022/10/10放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウス交響曲第5番』 2023/1/25放送

また、この年にはノルウェーの民謡収集家リンデマンのおよそ600曲を収めた「ノルウェー山地の民謡」を見つけて大きな感銘を受け、その後、グリーグはこのリンネマンの収集素材を元に数多くの作品を作曲することになる。

NHK-FM(東京) 『シベリウス組曲「カレリア」 - クラシックカフェ - NHK』 2023/11/30放送

40代になったグリーグは、妻とともにベルゲンの郊外に移り住む。フィヨルドを見下ろす小高い丘(トロールハウゲン(妖精の丘))の上に家を建て、 近くには作曲専用の小屋を作り、1907年に世を去るまでの20年余りを過ごした。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ チャイコフスキー交響曲第5番 他』 2022/10/10放送

グリーグの作品

数あるグリーグの作品の中で、ヘンリク・イプセンの戯曲『ペール・ギュント』への付随音楽と、ピアノ協奏曲イ短調が日本において最も有名である。

しかし、グリーグの本領は、『叙情小曲集』と多数の歌曲に代表される小品に遺憾なく発揮されている。
ピアノ曲や歌曲を管弦楽や弦楽合奏に編曲した作品も多い。

エドヴァルド・グリーグ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/エドヴァルド・グリーグ

劇音楽
ペール・ギュント

1874年31歳の年に同じノルウェー出身の文豪イプセンの依頼を受け、翌年、彼の詩劇「ペール・ギュント」のために全23曲からなる長大な劇音楽を作り上げた。
なお、「ペール・ギュント」は怖いもの知らずでほら吹きの主人公ペールが旅に出て年を取り、故郷に帰ってくるまでの物語である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウス交響詩「フィンランディア」他』 2022/07/12放送

ペール・ギュント組曲 第1番・第2番

劇音楽「ペール・ギュント」の中からグリーグが自ら8曲を編曲し、2つの演奏会用組曲にした。それぞれ4曲から構成される。
テレビコマーシャルでもよく使われる。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウス交響詩「フィンランディア」他』 2022/07/12放送。中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、183項。

管弦楽曲
叙情組曲

グリーグのピアノ作品「叙情小曲集」第5集(作品54)(全10集に及ぶ一連の曲集の中でも最も評価が高い)の中からオーストリアの作曲家アントン・ザイドルが管弦楽版に編曲し、その後グリーグ自身が改訂したした作品。全4曲からなる。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウス交響詩「四つの伝説」他』 2022/12/27放送

弦楽合奏曲
組曲「ホルベアの時代から」作品40

この作品は1884年グリーグが41歳の年にピアノ独奏曲として書き、翌年、グリーグ自身が弦楽合奏のために編曲した。
ホルベアは1684年ノルウェーに生まれ、バッハと同じ18世紀前半にノルウェーとデンマークで活躍した北欧を代表する偉大な作家で、その生誕200年記念の祭典で演奏するために作曲された。
ホルベアが生きたバロック時代の組曲の形式が取り入れられ、全5曲からなる。
グリーグ自身のピアノで初演された。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽カリンニコフ交響曲第1番 他』 2022/08/02放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラフマニノフピアノ協奏曲第3番』 2023/10/23放送

室内楽曲
ヴァイオリン・ソナタ

グリーグは生涯にヴァイオリン・ソナタを3曲作曲している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ チャイコフスキー交響曲第5番 他』 2022/10/10放送

ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ト長調 作品13

いとこで声楽家のニーナと結婚し、現在の首都オスロにあたるクリスチャニアのフィルハーモニー協会の指揮者になった順風満帆の時期に作曲された。
全3楽章で、ノルウェーの民族音楽の旋律やリズムにあふれた魅力的な作品。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウス交響曲第5番』 2023/1/25放送

ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 作品45

第1番と第2番は20代の頃の作品で、それから20年を経た1887年に第3番が作曲された。
ベルゲン近郊のトロールハウゲン(妖精の丘)に移り住んだ頃である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ チャイコフスキー交響曲第5番 他』 2022/10/10放送

チェロ・ソナタ

チェロ・ソナタ イ短調 作品36

グリーグが作曲した唯一のチェロソナタ。

チェロソナタ (グリーグ) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/チェロソナタ (グリーグ)

グリーグが40歳の頃に作曲した作品。1883年にライプツィヒで初演されたこの曲は兄ヨーンに献げられている。
なお、ヨーンはライプツィヒ音楽院でチェロを学ぶが、プロにはならず、アマチュアの立場で音楽を楽しんでいた。 ときにはグリーグがピアノを弾き、共演することもあったという。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ニルセン交響曲第5番』 2023/6/19放送

ピアノ曲

グリーグはピアニストでもあったので、ピアノ協奏曲、「抒情小曲集」などのピアノ曲も名曲として知られる。そのため「北欧のショパン」と称されたこともあった。

中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、183-184項。

ピアノ協奏曲

ピアノ独奏曲

ショパンの作品に惹かれたグリーグはピアノ独奏曲を数多く書いた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽オネゲル交響詩「夏の牧歌」他』 2022/06/22放送

叙情小曲集

叙情小曲集は数多く書いたピアノ独奏曲をまとめた全10集計66曲からなるピアノ小曲集である。21歳になる年から37年間にもわたって書き続けられた。まさに作曲者が生涯を通して取り組んだ作品群である。
豊かな自然や人々の暮らしなどグリーグが愛した祖国をさまざまな視点で描いている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽オネゲル交響詩「夏の牧歌」他』 2022/06/22放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シベリウス交響詩「フィンランディア」他』 2022/07/12放送

ピアノ連弾

ノルウェー舞曲集 作品35

グリーグはノルウェーの民謡収集家リンデマンのおよそ600曲を収めた「ノルウェー山地の民謡」を元に数多くの作品を作曲した。この作品もその1つで、1881年にピアノ連弾用に作曲され、4つの曲から構成されている。

NHK-FM(東京) 『シベリウス組曲「カレリア」 - クラシックカフェ - NHK』 2023/11/30放送



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