[歴史②]世界史

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ロシア国民楽派―ロシア5人組―ボロディン


ボロディン

ボロディンの生涯・経歴

ボロディン(1833-1887)はロシアの作曲家、化学者である。

小学館 『日本国語大辞典』

ボロディンは1833年に帝政ロシアのサンクトペテルブルクで生まれた。

元々優れた超一流の科学者で趣味の1つとして作曲を行っていた。
そうした中、ムソルグスキーバラキレフと出会った。30歳頃からバラキレフに作曲を学び、音楽の才能を開花させていった。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ チャイコフスキーの「眠りの森の美女」他』 2022/11/2放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ボロディンの弦楽四重奏曲第2番』 2023/12/25放送。NHK-FM(東京) 『ボロディンの交響詩中央アジアの草原で」 - クラシックの庭 - NHK』 2024/8/29放送

1862年には、ロシア5人組になるグループに加わった。

小学館 『日本大百科全書』。中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、194項。

学者としての日々の仕事を縫うように作曲の筆を取り、名曲を生み出した。また、多忙を極めながらもロシア5人組の面々と親しく交わった。

NHK-FM(東京) 『ボロディンの交響詩中央アジアの草原で」 - クラシックの庭 - NHK』 2024/8/29放送

なお、この頃、研究者として派遣されたドイツでエカテリーナと出会い、結婚している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(1)』 2022/12/19放送。アレクサンドル・ボロディン | History of music https://history-of-music.com/borodin

ボロディンの音楽史における位置づけ

ロシア国民楽派
ロシア5人組

ロシア5人組とは、ロシア国民楽派の代表的な作曲家集団で、1860~70年代にバラキレフを中心に集まったキュイムソルグスキーコルサコフ・ボロディンの5人からなる。

岩波書店 『広辞苑 第六版』

ボロディンの作品

作風・音楽傾向など

ボロディンの作品はロシア的な情緒に色濃く彩られ、力強く情熱的で、現在でもたくさんの人々に愛されている。

NHK-FM(東京) 『ボロディンの交響詩中央アジアの草原で」 - クラシックの庭 - NHK』 2024/8/29放送

オペラ
イーゴリ公

有名な歌劇「イーゴリ公」は36歳になる1869年から取り組み始めたが、1887年、彼の死によって未完成のまま残された。管弦楽の多くをコルサコフと弟子のグラズノフが補って完成させ、現在上演される形になった。

舞台は中世のノブゴロドで、イーゴリ公は、自分の土地であるルーシの町への遊牧民ポロヴェツポーロヴェツ)人の侵攻を防ぐため、ポロヴェツ人の治める土地に遠征するが、捉えられてしまう。しかし、味方となったポロヴェツ人の助けを借りて命からがら脱出するという物語である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ チャイコフスキーの「眠りの森の美女」他』 2022/11/2放送。小学館 『日本大百科全書』

ダッタン人の踊り

「ダッタン人の踊り」は、第2幕に置かれた音楽で、ダッタン人とは遊牧民ポロヴェツのことである。合唱が付いていて、民族音楽の旋律が魅力的な作品である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ チャイコフスキーの「眠りの森の美女」他』 2022/11/2放送

(詳説)

ポロヴェツキプチャック人ロシア語である。
キプチャック人はトルコ語を話す遊牧民で、11世紀の初めにカザフスタン草原を通って西方へ大移動を開始し、同世紀末にはドナウ川に達した。
キプチャック人が占拠した、カザフスタン・北コーカサス・ウクライナにまたがるこの広大な草原地帯はキプチャック草原として知られるようになった。
11世紀末から、キプチャック人は東ローマ、ハンガリー、ルーシロシアの古名)に攻撃を繰り返し、ことにルーシとの戦争は激しかった。
1185年にルーシのノブゴロド公イーゴリ2世がキプチャック人に敗れて捕虜になった戦いの物語は、古いロシア語の英雄詩「イーゴリ遠征譚」に歌われて有名になった。
この物語をもとにして、ボロディンが歌劇「イーゴリ公」を作ったのであるが、この歌劇の中で最も有名な曲が「ポロヴェツ人の踊り」である。
しかし、この曲の題名は、よく間違えて「ダッタン人の踊り」と訳されるが、これは間違いで、正しくは「キプチャック人の踊り」としなければならない。
「ダッタン」は漢字では「韃靼」と書き、「タタル」の音訳である。モンゴル人はもとタタルの中から出て来た種族なので、ロシア人はモンゴル人のことを「タタル」と呼んだのだが、ポロヴェツキプチャックであってモンゴルではない。

岡田 英弘 『世界史の誕生』 ちくま文庫、1999年、197-198項。

交響曲
交響曲 第2番 ロ短調

この作品が完成したのはボロディン40代半ばである。
この頃のボロディンは有機化学の研究者として、また教育者として多忙を極める毎日を送っていた。作曲に割くことのできた時間はごくわずかで、ボロディンは自嘲気味に自らを日曜作曲家と呼んでいた。
交響曲第2番は着想から完成までに足掛け8年という長い時間をかけて完成された。国内での初演の後、リストがワイマールで指揮してこの曲をドイツに紹介し、ボロディンの名前は国際的に知られるようになった。

NHK-FM(東京) 『ボロディンの交響詩中央アジアの草原で」 - クラシックの庭 - NHK』 2024/8/29放送

交響詩
中央アジアの草原で

ボロディン唯一の交響詩
広大な中央アジアの草原を歩むアジア人とロシア人の様子が描かれていて、あたりには馬とラクダの蹄の音、そして人々の歌声が響きあい、不思議なハーモニーを奏でる。

NHK-FM(東京) 『ボロディンの交響詩中央アジアの草原で」 - クラシックの庭 - NHK』 2024/8/29放送

室内楽曲
弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調

48歳になった1881年に作曲した。
優しく心温まるメロディーが印象的な作品で、妻エカテリーナに献げられた。20年前、2人が初めて出会った頃の幸福な日々を思い出しているかのような1曲。
中でも第3楽章のノクターンはよく知られており、さまざまな編曲版で単独でも演奏されている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(1)』 2022/12/19放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ボロディンの弦楽四重奏曲第2番』 2023/12/25放送



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