部族―ゲルマン系―ノルマン人―スウェーデン人―ルーシ
ルーシとは
ルーシの定義・意味など
ルーシとは、9世紀に、スカンディナビアからバルト海を渡って来て移住し、ドニエプル川流域の東スラブ人地域に(つまり、東スラブ人を征服して)国(ノヴゴロド国・キエフ公国)を建てたスウェーデン系ノルマン人をいう。
岡田 英弘 『世界史の誕生』 ちくま文庫、1999年、20-21項。『世界史用語集』 山川出版社、2014年、91頁。その他、『詳説 世界史』 山川出版、2019年、129頁。『新詳 世界史B』 帝国書院、2021年、99頁。
詳説
「ルーシ」が明らかにスウェーデン人を指して初めて文献の上に表現されるのはフランスの「ベルタン年代記」の839年の項である。のちに意味が転じ、ロシアの古名とされた。しかしそれが人種的・民族的な概念としての部族の名称なのか、それとも部族連合体=同盟を呼んだのか、または一定の地域を指す地理的用語か、は意見が分かれる。
平凡社 『世界大百科事典』
なお、「ルーシ」は「ロシア」の語源である。
岡田 英弘 『世界史の誕生』 ちくま文庫、1999年、20項。
ルーシの意義・評価・解釈
ロシア・ウクライナ・ベラルーシの起源
ルーシが9世紀に建てたノヴゴロド国・キエフ公国がロシア・ウクライナ・ベラルーシの起源となった。
参考:『詳説 世界史』 山川出版、2019年、129頁。キエフ公国/キエフ=ルーシ http://www.y-history.net/appendix/wh0601-125.html
ルーシの歴史
ノヴゴロド国
リューリク
ルーシの初代の指導者はリューリクという名の人であったと伝えられる。
岡田 英弘 『世界史の誕生』 ちくま文庫、1999年、20項。
リューリクに率いられたルーシは毛皮貿易で繁栄していたノヴゴロドを中心に862年にノヴゴロド国を建てた。
『世界史用語集』 山川出版社、2014年、91頁。
イーゴリ2世
ロシアのノブゴロド・セーベルスキー公。のちチェルニゴフ公。当初、遊牧民ポロヴェツ(キプチャック)人を味方にして同胞と戦うなどしたが、1185年ロシアの地を守るべく他の諸公と同盟し、ポロヴェツ人に対する遠征を企てた。しかしこの遠征は失敗に終わり、彼は囚われの身となる。中世ロシア文学最高の作品「イーゴリ遠征譚」は、この事件を歌ったものである。
小学館 『日本大百科全書』
キエフ公国
オレーグ
北方のノヴゴロドから、ドニエプル川を南に下り、森林地帯を抜けて草原に出たところがキエフである。
岡田 英弘 『世界史の誕生』 ちくま文庫、1999年、20項。
リューリクの後継者オレーグ率いるルーシがドニエプル川を南下し、キエフを中心にキエフ公国を建てた。
『世界史用語集』 山川出版社、2014年、91頁。
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