[歴史②]世界史

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グラズノフ


グラズノフ

グラズノフの生涯・経歴

グラズノフ(1866-1924)は19世紀末から20世紀前半の、ロシア帝国からソビエト連邦に変わりゆく激動の時代に活躍したソ連を代表する作曲家、指揮者である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ グラズノフのバイオリン協奏曲 イ短調』 2023/4/6放送

1865年にロシア帝国時代のサンクト・ペテルブルグに生まれた。

少年の頃、バラキレフに才能を見いだされ、オーケストラの魔術師と呼ばれるリムスキー・コルサコフに作曲を学んだ。2年足らずのうちに16歳で交響曲第1番を完成している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ グラズノフのバイオリン協奏曲 イ短調』 2023/4/6放送。小学館 『日本大百科全書』。NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 グラズノフのバレエ音楽「四季」』 2024/4/23放送

1899年にはペテルブルク音楽院の教授に就任し、1905年には院長も務めた。
少々変わり者であったが、学生たちのために政府にも意見を述べるような熱心な先生で教え子の中にはショスタコーヴィチもいた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ グラズノフのバイオリン協奏曲 イ短調』 2023/4/6放送。小学館 『日本大百科全書』

亡命

1928年、シューベルトの没後100年の式典に参加するためウィーンに行ったことをきっかけにそのままアメリカやヨーロッパをめぐり、最終的にはフランス、パリに滞在した。
「亡命」ではなく「体調不良」を理由にソ連には帰らず、1936年70歳で世を去るまでパリで作曲家・指揮者として活躍している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ グラズノフのバイオリン協奏曲 イ短調』 2023/4/6放送。小学館 『日本大百科全書』

なお、「体調不良」のせいだと言い張っていたので、それ以外の理由で国を棄てたラフマニノフストラヴィンスキーとは違い、ソ連における尊厳を失わずに済んだ。

アレクサンドル・グラズノフ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/アレクサンドル・グラズノフ

人物像

グラズノフは酒が大好きで、授業中にも隠し持った酒を少しずつ飲んでいたという。
ラフマニノフが若い頃に精神的なダメージを受ける大きな原因となった交響曲第1番の初演を指揮したのがグラズノフであったが、この初演が大失敗に終わったのはグラズノフがかなり酔っぱらっていたからだという噂もあったほどであった。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ グラズノフのバイオリン協奏曲 イ短調』 2023/4/6放送。小学館 『日本大百科全書』

グラズノフの意義・評価

グラズノフはバラキレフなどのロシア国民学派やチャイコフスキーの次の世代を代表する作曲家の1人である。

NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 グラズノフのバレエ音楽「四季」』 2024/4/23放送

グラズノフの作品

代表作

グラズノフはバレエ音楽「ライモンダ」など多くの傑作を残している。

NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 グラズノフのバレエ音楽「四季」』 2024/4/23放送

バレエ音楽
四季 作品67

クラシックバレエの父と呼ばれる振付師マリウス・プティパからの依頼で作曲し、1900年サンクト・ペテルブルグのエルミタージュ劇場で初演が行われた。
ロシアの大地に繰り広げられる四季の自然現象を擬人化したバレエで凍てつくロシアの冬から始まる。ロシアの風土と四季がどっしりと表現されながら、色彩的で優雅な美しさが兼ね備えられたグラスノフの代表作の1つ。

NHK-FM(東京) 『クラシックの庭 グラズノフのバレエ音楽「四季」』 2024/4/23放送

協奏曲
バイオリン協奏曲 イ短調 作品82

1904年に作曲した。
19世紀末から20世紀前半にかけて活躍したグラズノフはドビュッシーと同世代で、パリにいたころには17歳年下のストラヴィンスキーもフランスで活躍していた。そんな中、グラズノフはチャイコフスキーの流れを汲むような19世紀ロマン主義の美しさに溢れた音楽を作曲した。この作品も哀愁漂う叙情的な旋律が大変印象的である。
全体は続けて演奏される3つの楽章からなっていて、1904年に自らの指揮で初演された。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ グラズノフのバイオリン協奏曲 イ短調』 2023/4/6放送

サクソフォーン協奏曲 変ホ長調 作品109

アルト・サクソフォーンと弦楽合奏のための作品。
サクソフォーンはグラズノフがパリに滞在していた20世紀前半にはマルセル・ミュールやシーグルト・ラッシャーなどの名手も現れて注目を集め、クラシック音楽の世界でも彼らの依頼でサクソフォーンのための作品が数多く作曲された。
この作品も1934年グラズノフがラッシャーの依頼で作曲した。人の声にも似た柔らかな音色が魅力的な作品である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ グラズノフのバイオリン協奏曲 イ短調』 2023/4/6放送

室内楽曲
サクソフォーン重奏曲 変ロ長調 作品109

ソプラノ、アルト、テナー、バリトン4人のサクソフォーン奏者のための作品。サクソフォーン協奏曲と同じくパリで作曲された。
1932年、優れたサクソフォーン奏者でグラズノフの親しい友人でもあったマルセル・ミュールの依頼で作曲した。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ グラズノフのバイオリン協奏曲 イ短調』 2023/4/6放送

サクソフォーンのために作曲された最も重要な室内楽曲の1つ。変奏曲形式で書かれた第2楽章が単独で取り上げられる機会も多い。

アレクサンドル・グラズノフ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/アレクサンドル・グラズノフ



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