[歴史②]世界史

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ドイツ―バッハ―作品


バッハの作品

作品目録番号

BWV

バッハの作品は、W・シュミーダー編の『バッハ作品主題目録』Bach-Werke-Verzeichnis(略称BWV)(1958)が広く用いられている。

器楽曲

BWV525‐1000

オルガン曲

BWV525‐771

6つのトリオ・ソナタ BWV525-530

この6曲のトリオ・ソナタ集は、バッハがライプツィヒの聖トーマス教会の音楽監督にあたるカントルに就任したのち1727年から32年頃にかけてまとめられたと考えられている。
当時10代であったバッハの長男ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの教育用に作曲された。
トリオ・ソナタはバロック時代に数多く作られた室内楽の1ジャンルで、通常はヴァイオリンやフルートなどの独奏楽器が2パート、そしてチェロやチェンバロなどの通奏低音が1パート、合わせて3パートからなるが、バッハが書いたオルガンのためのトリオ・ソナタではこれらのパートを、1人のオルガニストが全部演奏する。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ ▽バッハトリオ・ソナタ(1)』 2022/08/29放送

前奏曲とフーガ ロ短調 BWV544

ライプツィヒ時代に書いたと考えられている。
ヴィヴァルディから学んだリトルネッロ形式を用いた壮大なオルガン作品。
ヴィヴァルディがイタリアで撒いた協奏曲という種がオランダを経由してドイツへともたらされ様々な花を咲かせたのちに徹底的にドイツ的性格を有する長大なオルガン前奏曲として実を結ぶという歴史的な奇跡ともいえる作品である。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ ▽ヴィヴァルディからバッハへ(4)』 2022/08/25放送

トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564(Toccata, Adagio And Fugue In C)

オルガン独奏の作品。目の覚めるような鮮やかなトッカータに続き、美しく物悲しいアダージョ、そして最後に明るく快活で歯切れの良いフーガが続く。
バッハ20代の作品と考えられていて、若々しい躍動感が特徴。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送

パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582

20代半ば1710年前後に作曲したと考えられている。当時バッハはワイマールの宮廷オルガニストを務めていた。
前半のパッサカリアと後半のフーガからなる2部構成になっていて、低音の主題が繰り返すパッサカリアの後、大規模で壮大な4声のフーガが展開されてゆく。

NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック▽イタリアの公演から4 ヒューイットが奏でるバロック鍵盤音楽』 2022/9/29放送。NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 廣江理枝 オルガンで奏でる「展覧会の絵」』 2023/1/10放送

バッハはオルガンのための作品を数多く残しているが、中でもこの作品は壮大なスケールが魅力の傑作として知られている。幻想曲とフーガ ト短調 BWV542「大フーガ」や「前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548」と並んでバッハのオルガン曲を代表する最大傑作の1つ。

NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 廣江理枝 オルガンで奏でる「展覧会の絵」』 2023/1/10放送。幻想曲とフーガ BWV542 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/幻想曲とフーガ BWV542

パストラーレ ヘ長調 BWV590

バロック時代に入ると、羊飼いの群れによる幼子イエスの礼拝を想い起こさせる牧笛の響きを模した器楽曲がクリスマスの音楽として愛好され、パストラーレと呼ばれた。

平凡社 『世界大百科事典』

この作品は4つの楽章からなり、最初の楽章ではバグパイプ風の音楽がよく聞こえる。こうした羊飼いを思わせるバグパイプ風の音楽を含んでいるので、バッハのパストラーレはおそらくクリスマスの時期にライプツィヒで演奏されたと考えられている。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハのクリスマスにまつわる作品を中心に(1)』 2022/12/5放送

なお、第3楽章(アダージョ)は、映画「ルパン三世 カリオストロの城」において「クラリスと伯爵の結婚式のシーン」のBGMとして使われている。

J.S.バッハ:パストラーレ ヘ長調 BWV590 | 人気のクラシック名曲ベスト http://tuhan-shop.net/classic-best/?p=8476

オルガン協奏曲 BWV592-597

オルガン協奏曲 第2番 イ短調 BWV593(ヴィヴァルディの「調和の霊感 作品3 第8番」からの編曲)

全3楽章。ヴィヴァルディの「調和の霊感 第8番 2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調」をバッハが「調和の霊感」と出会ったヴァイマル時代にオルガン用に編曲した作品。ヴィヴァルディの弦楽器による原曲とはまた違った味わいを楽しめる。
オランダに留学中、ヴィヴァルディの音楽に触れたワイマール宮廷のエルンスト公子が「調和の霊感」などさまざまな楽譜をワイマールに持ち帰り、バッハに「調和の霊感」の一部をオルガン用に編曲するよう指示した。そして、バッハのオルガン協奏曲第2番と第5番が誕生した

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ ▽ヴィヴァルディからバッハへ(5)』 2022/08/26放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ヘンデル組曲「水上の音楽」ヘ長調』 2023/3/20放送

オルガン協奏曲 第5番 ニ短調 BWV596(ヴィヴァルディの「調和の霊感 作品3 第11番」からの編曲)

オランダでのグランドツアーから帰ったヨハン・エルンスト公子から「調和の霊感」第11番の楽譜を見せられたバッハは、娯楽の達人ヴィヴァルディの意外とも思える一面を目にして、リトルネッロ形式とは別にさらに多くの学ぶべき点を感じ取り、この曲を両手と両足をフルに活かしたペダル付きのオルガンのために編曲した。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ ▽ヴィヴァルディからバッハへ(2)』 2022/08/23放送

シュープラー・コラール集 BWV645-650

「シュープラー・コラール集」は全6曲からなるオルガン・コラール集の通称である。

シュープラー・コラール集 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/シュープラー・コラール集

なお、コラールとはドイツ語で賛美歌という意味である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バッハのゴールトベルク変奏曲 他』 2022/10/11放送

コラール「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」BWV645

この曲はもともとカンタータとして作曲されたが、のちにバッハ自身がオルガン用に編曲した。

2020年5月にNHKで放送された星新一の不思議な不思議な短編ドラマ「見失った表情」では殻に閉じこもった表情をうまく表せない自分だった主人公が自分を変える冒険に一歩踏み出し、微細に揺れ動いていくシーンで使われ、とても印象的な彩りを添えていた。

なお、バッハ作品の編曲も多く手がけているイタリアの音楽家であるブゾーニはこの曲も編曲している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バッハのゴールトベルク変奏曲 他』 2022/10/11放送

この曲は「シュープラー・コラール集」の中でもよく知られ、オルガニストのレパートリーに欠かせない曲集である。

シュープラー・コラール集 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/シュープラー・コラール集

18のコラール集(ライプツィヒ・コラール集)

BWV651-668

バッハが1740年から亡くなる1750年にかけてまとめた曲集。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」』 2023/11/1放送

バッハは若い頃に書いたコラールの作品の整理を始め、それらを改訂した上で自分の手で書き写した。
現在ベルリン国立図書館に保管されている手稿譜は、バッハがライプツィヒ時代の1730年から1740 年にかけて記入した楽譜で、他の作品とともに18曲のコラール作品が書き込まれていて、そのコラール作品群を「18のコラール集」または「ライプツィヒ・コラール集」と呼んでいる。

『ライプツィヒ・コラール集・Die Leipzig Choräle、BWV651~668a』髙田重孝 https://takayama-ukon.sakura.ne.jp/pdf/booklet/pdf-takata2/2018-05-23-14.pdf

バッハは多くの優れたコラール前奏曲を生み出している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ブラームス交響曲第4番 他』 2022/08/08放送

コラール前奏曲「バビロン川のほとりで」BWV653

この曲はバッハが1720年にハンブルクを訪れた際、聖カタリーナ教会で演奏し絶賛を受けたとされている。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハのクリスマスにまつわる作品を中心に(2)』 2022/12/6放送

コラール前奏曲「愛する魂よ,美しく装え」BWV654

メンデルスゾーンはこの作品を深く愛した。
彼はシューマンに向かって、もし人生に絶望したとしても、このコラールが全てを取り戻してくれるだろうと語ったと言う。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」』 2023/11/1放送

コラール前奏曲「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV662

原曲のコラールはイエスの誕生を待ち望む待降節のコラールで、天使たちが羊飼いたちに語りかけた言葉をルターがドイツ語に翻訳したものである。
この作品はイ長調で書かれ、アダージョとテンポが指定されている。よくあるコラール前奏曲のスタイルで書かれている。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ クリスマス特集(4)クリスマス・カンタータ』 2022/12/22放送

27のコラール編曲

BWV714-740

いと尊きイエスよ、われらはここに集いて BWV731

バッハが17世紀後半のコラール「いと尊きイエスよ、我らはここに集いて」をもとに編曲したオルガン曲。
このコラールはイエスのもとに信徒達が集まり、イエスから天国の教えを直接聴きたいと願う祈りの歌である。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハの新年の音楽を中心に(4)』 2023/1/5放送

クラヴィーア曲

BWV772‐994

1717年から23年のケーテン時代に、成長していく長男ヴィルヘルム・フリーデマンと次男カール・フィリップ・エマヌエルや増え続ける弟子たちの教育用に、インヴェンションとシンフォニア、イギリス組曲平均律クラヴィーア曲集など数々のクラヴィーア作品が書かれた。

バッハの時代、17世紀から18世紀にかけてはクラヴィコードという鍵盤楽器がチェンバロと並んで使われていた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームス交響曲第2番』 2023/3/23放送

シンフォニア(3声のインベンション)

BWV787-801

シンフォニアは15曲からなる作品で、バッハが長男の教育用に作った「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」に収められている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームス交響曲第2番』 2023/3/23放送

イギリス組曲 BWV806-811

「イギリス組曲」はバッハが20代の頃、ケーテン時代に作曲したと考えられている鍵盤楽器のための作品。正確な作曲時期ははっきりしないが、30代半ばを迎える1720年頃までには推敲が終了したようである。
曲名の由来はあるイギリス人のために書かれたためとする説が有力であることから、イギリス組曲と呼ばれるようになった。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブラームスピアノ協奏曲第1番』 2023/11/2放送。NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ ▽ヴィヴァルディからバッハへ(2)』 2022/08/23放送。NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック▽イタリアの公演から4 ヒューイットが奏でるバロック鍵盤音楽』 2022/9/29放送。イギリス組曲 (バッハ) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/イギリス組曲 (バッハ)

前奏曲と舞曲からなる全部で6つの組曲がそれぞれ前奏曲・アルマンドクーラントサラバンドメヌエットジーグなどで構成されている。

イギリス組曲 (バッハ) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/イギリス組曲 (バッハ)。NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック▽イタリアの公演から4 ヒューイットが奏でるバロック鍵盤音楽』 2022/9/29放送

第2番から第6番までの前奏曲(English Suite #2-6, BWV807- 811 - Prelude)はヴィヴァルディから学んだリトルネッロ形式で書かれている。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ ▽ヴィヴァルディからバッハへ(2)』 2022/08/23放送

フランス組曲 BWV812-817

イギリス組曲と並び、バッハの生前から頻繁に演奏されてきたクラヴィーアのための傑作。
なお、バッハ自身はこの曲集をクラヴィーアのための組曲としていてフランス組曲というタイトルは後につけられた名前である。誰がなぜフランス組曲という名をつけたのかは明らかになっていない。その優雅な曲調がフランス的であるからとか、同じく名称の由来がわかっていないイギリス組曲と区別するために便宜的につけられたとも言われている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークスラブ舞曲作品72』 2023/10/3放送

バッハは6曲のフランス組曲を書いている。いずれも数曲の舞曲より構成され、アルマンドクーラントサラバンドと続き、最後はジーグで締めくくる。

Französische Suiten Nr.3, h-Moll BWV 814はどんな曲? わかりやすく解説 Weblio辞書 https://www.weblio.jp/content/Französische Suiten Nr.3, h-Moll BWV 814

フランス組曲 第1番 ニ短調 BWV812

バッハはいくつかの作品を2人目の妻アンナに贈っている。この作品もその1つ。

イギリス組曲やパルティータに比べて、より演奏が優しく柔らかな表情を持つ作品である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(3)』 2022/12/21放送

フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816

全部で6つあるフランス組曲の中でも一際高い人気を誇る。全体は次の7つの舞曲で構成されている。

  1. アルマンド
  2. クーラント
  3. サラバンド
  4. ガヴォット
  5. ブーレ
  6. ルール…ルールと呼ばれるバグパイプに似た楽器で伴奏される舞曲だと言われている
  7. ジーグ

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークスラブ舞曲作品72』 2023/10/3放送

フランス風序曲 ロ短調 BWV831

管弦楽組曲の冒頭には序曲が置かれることが一般的である。一方で序曲に続く数々の舞曲も含めた組曲全体を序曲と呼ぶこともよくある。バッハのフランス組曲などのチェンバロ独奏曲は古典組曲に分類される。そうした中で管弦楽組曲風のチェンバロ独奏曲も若干残されている。その代表例がこの作品。
この曲はオーケストラのための管弦楽組曲を2段鍵盤のチェンバロ1台で実現するという性格の組曲である。2つの鍵盤の音量や音色の違いを活かしてオーケストラの全体合奏と一部の楽器だけによる小さなアンサンブルの違いを表現している。
ただし、最後のエコーはこの大規模な組曲の締めくくりに置かれた曲で舞曲ではない。2段鍵盤のチェンバロが持つ2つの鍵盤を対比させることでエコー、つまりこだまのような効果が表現されている。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハの管弦楽組曲を聴く(1)』 2024/2/26放送

平均律クラヴィーア曲集 BWV846-893

次を参照

バッハ―作品―平均律クラヴィーア曲集

鍵盤楽器のための7つのトッカータ BWV910-916

ヴァイマル(ワイマール)にいた20代から30代にかけてチェンバロのためのトッカータを作曲した。現在7曲が残されている。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハのトッカータ(2)』 2023/2/2放送

イタリア協奏曲 BWV971

バッハは1735年にクラヴィーア練習曲集第2部としてイタリア協奏曲を自費出版した。
ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲をモデルにした急・緩・急の3楽章形式。ヴィヴァルディ協奏曲の影響を受けたバッハの作品の中でもとりわけ有名な協奏曲で、バッハヴィヴァルディ協奏曲から学んだ諸々の集大成と言える。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ ▽ヴィヴァルディからバッハへ(5)』 2022/08/26放送

協奏曲 第3番 ニ短調 BWV974

マルチェッロのオーボエ協奏曲バッハが鍵盤独奏のために編曲した。
早い、遅い、早いという異なるテンポによる3つの楽章のうち、中間の第2楽章はとりわけ有名で、「マルチェッロのアダージョ」として親しまれている。

NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック ピアニスト 三浦謙司 音楽は心の中に』 2022/11/22放送

協奏曲 第4番 ト短調 BWV975(ヴィヴァルディの作品4第6からの編曲)

Allegro、Largo、Gigaの全3楽章。1716年にアムステルダムで出版されたヴィヴァルディ協奏曲集「ラ・ストラヴァガンツァ」作品4の第6番の編曲。
有力な貴族の子弟がこぞって赴くグランドツアーへと旅立ったヨハン・エルンスト公子がオランダから大量の最先端の楽譜を持ち帰り、当時、最新流行のヴィヴァルディ協奏曲を演奏できるよう編曲して欲しいとバッハに依頼した。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ ▽ヴィヴァルディからバッハへ(1)』 2022/08/22放送

カプリッチョ「旅立つ最愛の兄に思いを寄せる奇想曲」変ロ長調 BWV992

この作品はバッハ初期作品の中でよく知られている鍵盤楽器曲の1つ。18歳頃の作品と伝えられている。バッハの兄が故郷ドイツを離れ、軍楽隊のオーボエ奏者として外国の戦地に赴くことになったときに書かれたと言われている。親族や友人が集った別れの情景をバッハは心温まる楽曲として描いた。6つのセクションによって構成され、それぞれに表題がつけられている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(2)』 2022/12/20放送

リュート曲

BWV995-1000

バッハは当時廃れつつあったリュートにも強い関心を示し、複数の楽曲(BWV 995-1000、1006a)を残した。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ヨハン・ゼバスティアン・バッハ

リュート組曲 ト短調 BWV995

バッハ自身による「無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV1011」の編曲である。バッハは、この第5番の組曲をリュート用に編曲した。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハの「無伴奏チェロ組曲」原曲と編曲、その魅力(4)』 2022/11/24放送

無伴奏パルティータ第3番 ホ長調 BWV1006a(リュートのための編曲)(Partita in E BWV 1006a)

バッハ自身による「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ BWV1006」のリュートのための編曲作品。

室内楽曲

BWV1001‐1070

無伴奏作品

BWV1001-1013

バッハの無伴奏作品は、それぞれ6曲からなる無伴奏ヴァイオリンと無伴奏チェロの曲集が際立って有名であり、フルートのための無伴奏の作品としては、1曲のみが唯一残されているだけである。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザーク交響曲第7番 ほか』 2022/12/26放送

  1. 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(BWV1001-1006)
  2. 無伴奏チェロ組曲(BWV1007-1012)
  3. 無伴奏フルート組曲(BWV1013)

バッハの無伴奏作品については次のページを参照。

バッハ―作品―無伴奏作品(BWV1001-1013)

ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ

BWV1014‐1019a

フルートとチェンバロのためのソナタ

BWV1030-1032

フルートとチェンバロのためのソナタ 第1番 ロ短調 BWV1030
この作品は、バッハが51歳の1736年頃に作曲された。一説にはライプツィヒ大学の学生が主体となったコレギウム・ムジクムの演奏会のために作曲したとも言われている。フルートとチェンバロが旋律を重ね合いながら展開して行く優れた対位法で作曲されている。

なお、バッハの時代には、フルートというと縦笛のリコーダーを指すこともあれば、横笛のフラウト・トラヴェルソという楽器を指すこともあった。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バッハのブランデンブルク協奏曲第4番』 2023/7/26放送

フルートと通奏低音のためのソナタ

BWV1033-1035

協奏曲・管弦楽

バッハ協奏曲の出会いは18世紀の初め、バッハがワイマールの宮廷でオルガニストとして活動していた頃のことである。その当時、イタリアで書かれた協奏曲の楽譜がワイマールに持ち込まれ、バッハは楽譜の研究を始めた。そして、ヴィヴァルディなどの作品をオルガンやチェンバロのために編曲して協奏曲への理解を深めていった。この経験が、のちに数々の傑作となって実り、今も広く親しまれている。

NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 古楽の名演奏(1)バッハ協奏曲』 2022/10/3放送

特にブランデンブルク協奏曲や管弦楽組曲には、G線上のアリアのもととなる楽章など、広く親しまれている作品が多い。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ヨハン・ゼバスティアン・バッハ

ヴァイオリン協奏曲

BWV1041-1043

現存するバッハのヴァイオリン協奏曲は3曲のみである。
しかし、バッハがもっと多くのヴァイオリン協奏曲を書いていたことは、彼のチェンバロ協奏曲の多くが失われたヴァイオリン協奏曲からの編曲であることからも確実である(たとえば、「チェンバロ協奏曲第5番 ヘ短調 BWV1056」など)。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ ▽ヴィヴァルディからバッハへ(3)』 2022/08/24放送

ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041

全3楽章。第1楽章は哀愁を帯びた旋律で始まり、厳かな第2楽章を経て、軽快な第3楽章で終わる。

NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 古楽の名演奏(1)バッハ協奏曲』 2022/10/3放送

ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042

全3楽章。バッハが残した3曲のヴァイオリン協奏曲のうちの1曲であり、バッハのヴァイオリン協奏曲のなかでは最も親しまれており演奏頻度の高い名曲である。

ヴァイオリン協奏曲第2番 (バッハ) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ヴァイオリン協奏曲第2番 (バッハ)

2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043

ライプツィヒ時代、バッハは、アマチュア(ライプツィヒ大学の学生達)の音楽団体コレギウム・ムジクムを率いて、ライプツィヒのコーヒーハウスで定期的にコンサートを開いていた。
この曲はこのコンサートで演奏されたと考えられている。

全3楽章。
第1楽章は、テンポは生き生きとしたヴィヴァーチェで、フーガ風の音楽の合奏と2つのヴァイオリンのソロが交互に演奏される。
第2楽章は、12/8拍子、テンポはあまりゆっくり過ぎずにを意味するラルゴ・マ・ノン・タントが指示されている。この楽章ではバッハ協奏曲の中でも一二を争う伸びやかで美しい旋律が鳴り響く。
そして、第3楽章は、3/4拍子、テンポは快活なアレグロで、緊張感に満ちた音楽が疾走してゆくフィナーレとなる。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハのクリスマスにまつわる作品を中心に(5)』 2022/12/9放送

ブランデンブルク協奏曲

BWV1046-1051

ブランデンブルク協奏曲は、バッハがケーテンの宮廷楽団のために作曲した合奏協奏曲から自信作を選び、6曲からなる協奏曲集として、ブランデンブルク辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒに献呈したことからブランデンブルク協奏曲の通称で知られている。
それぞれの協奏曲で異なる楽器を組み合わせて作曲されている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲』 2023/1/5放送。NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 古楽の名演奏(1)バッハ協奏曲』 2022/10/3放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バッハのブランデンブルク協奏曲第4番』 2023/7/26放送

1717年から23年までのケーテン時代に書かれたが、当時のケーテンの宮廷楽団には楽器の名手が集められており、バッハはこのメンバーを念頭にブランデンブルク協奏曲を作曲した。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハの「無伴奏チェロ組曲」原曲と編曲、その魅力(1)』 2022/11/21放送

もともとの楽譜には複数の楽器を伴う6つの協奏曲バッハが記したように、 いくつかの楽器からなる独奏楽器群と弦楽合奏、通奏低音による協奏曲集である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲』 2023/1/5放送

ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調 BWV1047

第2番はトランペットとリコーダー、オーボエ、ヴァイオリンが独奏楽器である。
この曲のトランペットは、バッハが祝祭的な宗教作品などによく用いたという輝くような高音が要求されることから、奏者にとって大変難しい曲で、のちにバッハトランペットなどと呼ばれる高音が出しやすいトランペットも考案されている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲』 2023/1/5放送

ブランデンブルク協奏曲 第4番 ト長調 BWV1049

第4番はヴァイオリンと2本のリコーダーが独奏パートを務める。全3楽章で、特に第3楽章ではヴァイオリンは大変に技巧的なパッセージを弾き続け、それに対してリコーダーは軽やかな旋律が際立っている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バッハのブランデンブルク協奏曲第4番』 2023/7/26放送

ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050

ブランデンブルク協奏曲集の中でも第5番は特にチェンバロのパートに重きがおかれている。特にチェンバロが活躍するため、チェンバロ協奏曲の先駆けとされ、今日のピアノ協奏曲にとっての礎を築いた曲だと言われている。

NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 古楽の名演奏(1)バッハ協奏曲』 2022/10/3放送。NHK-FM(東京) 『ショスタコーヴィチピアノ協奏曲第2番 - クラシックカフェ - NHK』 2023/4/11放送

なお、この作品を書く前、バッハがベルリンでとても高価なチェンバロを手に入れたことが伝えられている。第3楽章の飛び跳ねるようなリズムからは、バッハが新しい楽器に喜び張り切って作曲したことが想像される。

NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 古楽の名演奏(1)バッハ協奏曲』 2022/10/3放送

チェンバロ協奏曲

BWV1052-1065

ライプツィヒ時代に、テレマンが1701年に創設したアマチュア(ライプツィヒ大学の学生達)の音楽団体コレギウム・ムジクムを、1729年からはバッハが指導にあたった。
バッハは、このコレギウム・ムジクムも率いてライプツィヒで盛んに演奏活動も行った。
バッハが作曲した一連のチェンバロ協奏曲は、このコンサートのために作曲されたものと考えられている。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハのクリスマスにまつわる作品を中心に(4)』 2022/12/8放送。コレギウム・ムジクム - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/コレギウム・ムジクム

チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV1052

全3楽章。第1第3楽章は主題を何度も繰り返しながら音楽を進めていくリトルネット形式で書かれている。リトルネット形式の楽章がゆったりとした第2楽章を挟むことで全体に統一感が生まれている。

NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 古楽の名演奏(1)バッハ協奏曲』 2022/10/3放送

チェンバロ協奏曲 第3番 ニ長調 BWV1054

チェンバロの特徴が充分に活かされた作品。音を長く伸ばすことが不得意なチェンバロのために細かな音に装飾音符を華やかに施している。

NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック 古楽の名演奏(1)バッハ協奏曲』 2022/10/3放送

チェンバロ協奏曲 第5番 ヘ短調 BWV1056

全3楽章。原曲は消失した「ヴァイオリン協奏曲 ト短調」であるとされている。

チェンバロ協奏曲 (バッハ) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/チェンバロ協奏曲 (バッハ)

2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV1060

ライプツィヒ時代、バッハは教会の活動以外にもライプツィヒ大学の学生によるコレギウム・ムジクムという演奏団体を指導した。そして毎週演奏会を開き、バッハも出演した。
この作品もそうした演奏会のために1736年頃に作曲されたと考えられている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バッハのブランデンブルク協奏曲第4番』 2023/7/26放送

2台のチェンバロのための協奏曲 第2番 ハ長調 BWV1061

この曲は、バッハがアマチュアの音楽団体「コレギウム・ムジクム」と一緒にコンサートで演奏したとされる。
全3楽章。
第1楽章は独奏と合奏が交互に活躍するリトルネット形式を基本としているが、2台のチェンバロソロがおおいに活躍する一方で、弦楽合奏は控えめな脇役に回っている印象がある。
第2楽章は8/6拍子によるゆったりとしたテンポで、舞曲であるシチリアーノ風の音楽となっている。弦楽合奏は演奏に参加せず、2台のチェンバロのみによる対話で音楽が進んでいく。
第3楽章は、バッハらしい華やかなフーガ風の音楽で、まず第1チェンバロが単独で弾き始め、次いで第2チェンバロが演奏に参加し、さらに第1ヴァイオリン、そして第2ヴァイオリンも加わっていくというように次第に参加する楽器が増えて音の厚みが増していく。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハの新年の音楽を中心に(4)』 2023/1/5放送

3台のチェンバロのための協奏曲 ハ長調 BWV1064

この作品は3つの楽章からなる。
第1楽章は4/4拍子。テンポの指定はないが、一般に快活なアレグロで演奏する。3つのチェンバロはユニゾンで始まるが、みるみるとそれはほどけていき、3台のチェンバロと弦楽合奏からなる推進力に満ちた多彩な音楽が繰り広げられる。
第2楽章は4/4拍子。テンポはゆったりとしたアダージョ。短調の物憂げな音楽である。
第3楽章は、アラブレーベ。テンポは快活なアレグロでソロと合奏が交互に演奏するリトルネッロ形式フーガの音楽を融合させた混合様式になっている。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハのクリスマスにまつわる作品を中心に(4)』 2022/12/8放送

管弦楽組曲

BWV1066-1069

バッハの管弦楽組曲はブランデンブルク協奏曲と並ぶ代表的管弦楽作品の1つである。バッハはBWV1066から1069までの4つの管弦楽組曲を残しており、いずれも名曲として知られている。
しかし、その成立の経緯は不明な点が多く、いつ作曲されたのか正確なことはわかっていない。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ 選 ドイツ・バロック時代の復活祭のための音楽を中心に(5)』 2022/10/14放送。管弦楽組曲 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/管弦楽組曲

なお、この4つの管弦楽組曲バッハがライプツィヒ時代に指導していたコレギウム・ムジクムの重要な演奏レパートリーとなっていたようである。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハの新年の音楽を中心に(3)』 2023/1/4放送

管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV1066(Orchestral Suites, Ouverture C-Dur, BWV 1066)

管弦楽組曲第1番はバッハが1724年頃に楽譜をまとめたことがわかっている。
序曲と6つの舞曲風の楽章(クーラント、ガヴォット、フォルラーヌ、メヌエット、ブーレ、パスピエ)の7楽章で構成されている。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ 選 ドイツ・バロック時代の復活祭のための音楽を中心に(5)』 2022/10/14放送

管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068

全5楽章。フランス風序曲の形式に沿って作曲された「序曲」と「エア」「ガヴォット第1番と第2番」「ブーレ」「ジーグ」で構成されている。華やかで普遍的な音楽の美しさを持つ組曲である。
第2曲「エア」の名称は旋律的な短い曲を意味する。第一バイオリンが奏でる伸びやかな旋律が美しい名曲である。この曲は19世紀後半に活躍したヴァイオリニスト、アウグスト・ウィルヘルミがピアノ伴奏付のヴァイオリン独奏曲に編曲して、「G線上のアリア」という曲名で単独で演奏されるようになった。
バイオリンの4本の弦のうち、 G線(げーせん)という1本の弦だけで演奏ができるように編曲したため、その名で呼ばれるようになった。G線の「げー」はアルファベットの「G」と表記するので、英語読みで「G線上のアリア」という呼び名で広く知られるようになった。今ではパイプオルガンや管弦楽などの編曲でも親しまれている名曲である。

NHK-FM(東京) 『古楽の楽しみ バッハの新年の音楽を中心に(3)』 2023/1/4放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベン交響曲第5番』 2023/1/17放送

なお、この管弦楽組曲バッハの死後すっかり忘れられていた。長い年月を経て、19世紀バッハ音楽の復興に尽くしていたメンデルスゾーンが復活させた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベン交響曲第5番』 2023/1/17放送

対位法的作品

BWV1072‐1080、BWV1086、BWV108

フーガの技法 ニ短調 BWV1080(The Art Of Fugue)

バロック時代、バッハ対位法を集大成し、数々の壮麗なフーガを残した。この曲集はフーガの作曲テクニックを存分に展開させた作品集であるが、全曲を完成させる前にバッハは世を去った。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノ・ソナタ第31番』 2023/8/24放送



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