[歴史②]世界史

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プロコフィエフ


プロコフィエフ

プロコフィエフの生涯・経歴

プロコフィエフ(1891-1953)は、ソ連の作曲家で、現代ロシア音楽の代表者の1人である。

岩波書店 『広辞苑 第六版』

1891年、当時はロシア帝国の一部であった現在のウクライナ東部で生まれた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バルトークの管弦楽のための協奏曲 他』 2022/10/19放送

幼い頃から天才ぶりを発揮し、10歳に満たない頃から作曲を行っていた。

1904-14年のロシア革命前夜の不穏な状況のもと、サンクトペテルブルク音楽院でピアノと作曲を学んだ。
音楽院でさらに実力をつけ、20代半ばはヨーロッパでも活躍した。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バルトークの管弦楽のための協奏曲 他』 2022/10/19放送。小学館 『日本大百科全書』。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」』 2023/9/6放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ボロディン弦楽四重奏曲第2番』 2023/12/25放送

しかし、1917年、ロシア革命が起きたことで出国し、日本を経由してアメリカへ渡り、パリに落ち着く。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バルトークの管弦楽のための協奏曲 他』 2022/10/19放送

アメリカでは歌劇「三つのオレンジへの恋」を作曲し、1921年にシカゴで自ら指揮台に立って初演した。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」』 2023/9/6放送

そして40代前半、ソビエト時代に突入した故郷へ戻り、以降ソビエトを代表する作曲家として活躍した。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ボロディン弦楽四重奏曲第2番』 2023/12/25放送

晩年のプロコフィエフは、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチの演奏に接してチェロに対する関心を深めた。

チェロソナタ (プロコフィエフ) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/チェロソナタ (プロコフィエフ)

プロコフィエフの音楽史における位置づけ

ソ連を代表する作曲家

プロコフィエフはショスタコーヴィチハチャトゥリヤンと共にソ連を代表する作曲家である

プロコフィエフの作品

交響曲

プロコフィエフは生涯7曲の交響曲を残している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番』 2023/2/27放送

交響曲 第1番 ニ長調 作品25「古典交響曲

プロコフィエフにとって第1番となるこの交響曲は1916年から翌年にかけて作曲された。当時、プロコフィエフはサンクトペテルブルク音楽院を卒業した直後。ハイドンなど古典派の作品から影響を受けていて、そうした音楽を模倣しながら作曲が進められた。しかし、模倣といっても単に真似するだけでなく、大胆な転調や斬新なハーモニーが随所に盛り込まれていて、プロコフィエフならではの才気が迸る傑作。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 選 プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番』 2023/3/6放送

交響曲 第7番 嬰ハ短調 作品131

最後の交響曲となった第7番は世を去る1年前、1952年に完成した。プロコフィエフ61歳の年の作品である。
ソビエトの青年に献げたという曲で「青春交響曲」という愛称でも親しまれている。古典的な形式で書かれていて、晩年の作品でありながら瑞々しい若さのようなものが随所に感じられる。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番』 2023/2/27放送

バレエ音楽
ロメオとジュリエット 作品64

シェイクスピアの戯曲「ロメオとジュリエット」を元にしたバレエのためにプロコフィエフはドラマチックで情緒あふれるバレエ音楽を作曲した。
後にこのバレエ音楽から自ら2つの演奏会用組曲とピアノ曲を作っている。

NHK-FM(東京) 『ベストオブクラシック ショスタコーヴィチ交響曲(3)第9番 変ホ長調』 2023/10/4放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」』 2024/1/30放送

シンデレラ 作品87

17世紀フランスの作家ペローの作品を基にしてバレエ音楽「シンデレラ」を1944年に書き上げた。
その後、自ら管弦楽のために組曲第1-3番(作品107-109)をまとめた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 音がつむぐものがたり(3)』 2023/11/8放送。シンデレラ (プロコフィエフ) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/シンデレラ (プロコフィエフ)

石の花 作品87

1948年からおよそ3年をかけて作曲された。祖国の小説家バジョーフがまとめた民話集「孔雀石の小箱」を題材にしている。完成したバレエは作曲者の生前には初演されなかった。
代わりにいくつかの演奏会用組曲を作った。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 選 アルヴェーンの交響曲第2番』 2023/2/15放送

演奏会用組曲

・ジプシー幻想曲 作品127

1951年に初演された。5曲からなり、民族色豊かな踊りの場面が集められている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 選 アルヴェーンの交響曲第2番』 2023/2/15放送

協奏曲
ピアノ協奏曲

ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 作品26

交響曲第1番が完成した1917年、ロシアでは革命が勃発した。プロコフィエフはロシアを脱出し、アメリカへ渡った。ちょうどこの頃書き始められたのが、このピアノ協奏曲。作品はロシアで着手されたが、革命によって一時中断する。そして、生活が安定した頃、訪れていたフランスで再開され、4年の歳月を経てようやく完成した。
プロコフィエフは古典的な作曲技法を用いながら、一方ではロシア民族的要素やフランス音楽のようなウィットに富んだ旋律をふんだんに盛り込んでいる。
アメリカで初演されたが、あまり人気は出なかった。しかし、翌年パリで演奏されるとたちまち大ヒットし、以来、ピアニストたちの重要なレパートリーとして盛んに演奏されている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 選 プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番』 2023/3/6放送

ピアノ協奏曲 第4番 変ロ長調 作品53

この曲は40歳になる1931年に、第一次世界大戦で右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインの依頼で作曲された左手のための協奏曲である。なお、ヴィトゲンシュタインはラヴェルに左手のためのピアノ協奏曲を依頼したことでも知られている。
しかし、プロコフィエフから作品を贈られたヴィトゲンシュタインは感謝を示しつつも、音楽の内容が全く理解できないと言って演奏を拒否した。

全4楽章で、最初と最後の楽章は同じ音楽を用いて全体の統一を図っている。左手のみで演奏しているとは思えない超絶技巧的な作品である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バルトークの管弦楽のための協奏曲 他』 2022/10/19放送

バイオリン協奏曲

バイオリン協奏曲 第2番 ト短調

この作品はフランス生まれのバイオリニスト、ロベール・ソエタンのために作曲された。
当時プロコフィエフはソエタンの演奏ツアーにピアノの伴奏者として同行していた。プロコフィエフは演奏旅行の合間に作曲を進め、様々な国を渡り歩きながら作品を完成させた。こうした背景を反映するかのように作品は1つの要素にとらわれず、多彩な音楽が融合した個性あふれる内容。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ボロディン弦楽四重奏曲第2番』 2023/12/25放送

映画音楽
組曲「キージェ中尉」

プロコフィエフがアメリカからソビエトに戻った頃に取り組んだ作品。
もともと同名の映画のために作曲された音楽で、映画が公開された後、演奏会用組曲に再構築された。5曲が収められている。
「キージェ中尉」はロシアの皇帝と皇帝に使える人々の間で巻き起こる喜劇を描いている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ボロディン弦楽四重奏曲第2番』 2023/12/25放送

ピアノ・ソナタ

第6番から8番までの3つのピアノ・ソナタは第二次世界大戦中に相次いで作曲されたことから、「戦争ソナタ」の名で知られ、いずれもプロコフィエフのピアノ音楽を代表する傑作とされている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」』 2023/1/24放送

ピアノ・ソナタ 第3番 イ短調 作品28「古い手帳から」

サンクトペテルブルク音楽院で学んでいた17歳頃のスケッチを元に10年後1917年に書き改めた。若々しい精神の高揚、そしてロシアの古い民謡を思わせるような静と動が入り混じるドラマティックな作品。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ムソルグスキー組曲「展覧会の絵」』 2024/3/26放送

ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 作品83

第7番は1939年夏に着手され、1942年に完成した。その頃は独ソ戦争が勃発し、ドイツ軍との戦いが激化していた時期であった。こうした背景を反映するように、このソナタには不協和な響きが多用され、曲全体を通して緊張感が漂っている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベートーベンのピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」』 2023/1/24放送

チェロ・ソナタ

1947年50代半ばのプロコフィエフは当時20歳の若きチェロ奏者ムスティスラフ・ロストロポーヴィチの演奏を聴いて感銘を受け、この楽器に深い関心を持つようになった。そしてチェロのためにいくつかの曲の構想を始めた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽チャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」他』 2022/5/23放送

しかし、完成したチェロ曲はチェロ・ソナタを含めて2作だけである。

チェロソナタ (プロコフィエフ) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/チェロソナタ (プロコフィエフ)

チェロ・ソナタ ハ長調 作品119

この曲はロストロポーヴィチの助言を受けながら書き進め、1949年58歳の年に完成した。初演はロストロポーヴィチのチェロと、当時30代のスヴャトスラフ・リヒテルのピアノによって行われた。かつての前衛的な作風は感じられず、チェロは親しみやすいメロディを奏で、ピアノは時にユーモラスに動き回る。

チェロソナタ (プロコフィエフ) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/チェロソナタ (プロコフィエフ)

ピアノ曲(ピアノ独奏曲)
「ロメオとジュリエット」からの10の小品 作品75

バレエ音楽「ロメオとジュリエット」をピアノ独奏用にプロコフィエフ自ら選び編曲した小品。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番』 2023/2/27放送

その他
バイオリンとピアノのための5つのメロディー

この曲は1920年アメリカで作曲された作品である。元は歌詞のないヴォカリーズの歌曲として作曲され、のちにこれらの歌曲をバイオリンとピアノの為に編曲した。現在ではこの編曲のほうがよく演奏されている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」』 2023/9/6放送



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