6人組―ミヨー
ミヨー
ミヨーの生涯・経歴
ミヨー(1892-1974)は、20世紀フランスの作曲家である。
岩波書店 『広辞苑 第六版』
1892年、南フランス、プロヴァンス地方のエクサン・プロヴァンスで裕福なユダヤ人の家庭に生まれた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ イベールの「フルート協奏曲」他』 2022/11/30放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」』 2023/5/16放送
1909年、ヴァイオリンの学生としてパリ音楽院に入学した。
しかし、次第に作曲の道を歩むようになった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ イベールの「フルート協奏曲」他』 2022/11/30放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」』 2023/5/16放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベルリオーズの幻想交響曲』 2023/3/2放送
パリ音楽院在学中にフランス6人組と言われるようになる同世代の作曲家たち、オネゲル、タイユフェール、オーリックなどと出会う。そして同じ頃、作家、詩人で外交官でもあったポール・クローデルとも親しくなった。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベルリオーズの幻想交響曲』 2023/3/2放送
ミヨーは若い頃から各地を旅して回った。
25歳の頃、第1次世界大戦中の1917年から18年にブラジル大使となったクローデルに秘書官として同行し、20代半ばの頃2年ほどをブラジルで過ごした。
そして、そこで出会った民族音楽に強い影響を受けた。明るい太陽とブラジルの民族音楽はミヨーに新鮮な衝撃を与え、この影響がその後のミヨーの音楽にも表れている。
帰国後は、サンバやタンゴなどを盛り込んだ作品を完成させている(バレエ音楽「屋根の上の牛」)。
また、30歳になる頃にはアメリカを訪れ、現地の音楽に大きな刺激を受けている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ イベールの「フルート協奏曲」他』 2022/11/30放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」』 2023/5/16放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲』 2023/6/12放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベルリオーズの幻想交響曲』 2023/3/2放送
47歳になる頃、第2次世界大戦が勃発した。ユダヤ人であったミヨーは第2次大戦を避けるためにアメリカ合衆国に逃れる。
そして、カリフォルニアのミルス・カレッジで作曲を教えながら過ごした。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」』 2023/5/16放送。ダリウス・ミヨー - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ダリウス・ミヨー
ミヨーの音楽史における位置づけ
6人組
ミヨーは第1次大戦後パリで結成された作曲家集団「6人組」の1人である。
20世紀前半のパリで当時の音楽界を牽引する存在として活躍していた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」』 2023/5/16放送
ミヨーの作品
ミヨーは多作家として知られ、作品は膨大な量に及ぶ。
その音楽はラテン的明澄性と論理的構成を特徴とし、多調性やジャズのイディオムを巧みに取り入れた新古典主義的作風を示している。
小学館 『日本大百科全書』
バレエ音楽
屋根の上の牛
先述したようにミヨーは1917年に外交官の付き添いでブラジルを訪れた。そこで南米の音楽に魅了され、帰国後、サンバやタンゴなどを盛り込んだ1つの作品を完成させた。
それは当初、チャップリンの無声映画のための音楽として作曲され、「シネマファンタジー」と名付けられた。しかし、詩人のジャン・コクトーがこの曲を気に入り、コクトーの発案でバレエ音楽に作り替えられた。
バレエの舞台はアメリカで、酒が禁じられていた時代だが、酒場には様々な人が訪れ、そこで巻き起こる騒動が描かれている。
コクトーによる奇抜なストーリーや踊りにパリの観客達からは賛否両論巻き起こったが、その後、街には「屋根の上の牛」と呼ばれるキャバレーも登場し、ミヨーのほか、ラヴェルやサティ、ピカソやシャネルなど様々な人物がここを訪れたという。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲』 2023/6/12放送
交響曲
交響曲 第2番 作品247
ミヨーがアメリカに滞在していた1944年の作品。アメリカで活躍していたロシア出身の指揮者セルゲイ・クーセヴィツキーが設立したクーセヴィツキー財団の委嘱で作曲された。
全5楽章。曲は亡きクーセヴィツキーの妻ナタリーを追憶して捧げられた。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」』 2023/5/16放送
ピアノ協奏曲
エクスの謝肉祭 作品83b
ピアノと管弦楽のための作品。これは1926年34歳の年にアメリカ、ニューヨークフィルからピアノのソリストとして招かれたミヨーが自ら演奏するために作曲した。ピアノ協奏曲のような難しい名人芸を披露するものとは違った管弦楽とピアノのための作品を作ろうと考えたミヨーは2年前に作曲したバレエ音楽「サラダ」を基にこのバレエに登場する様々な人物たちによる謝肉祭を描くことにした。
全体は12の小品からなり、副題として『バレエ「サラダ」に基づくピアノと管弦楽のための幻想曲』と記されている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベルリオーズの幻想交響曲』 2023/3/2放送
ピアノ曲
スカラムーシュ
この作品はミヨーが40代半ばのときに元々モリエールの喜劇「空飛ぶお医者さん」を子供のために改作した劇の付随音楽として作曲された。それを2台のピアノのための組曲版として書き直し、出来上がったのがこの作品である。3曲が収められている。
さらにはサクソフォーンと管弦楽のための組曲版も作られている。
NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ モーツァルトの2台のピアノのためのソナタ 他』 2022/11/28放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ベルリオーズの幻想交響曲』 2023/3/2放送
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 5 ページ]
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ