[歴史②]世界史

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チェコ国民楽派―ドヴォルザーク


ドヴォルザーク

ドヴォルザークの生涯・経歴

ドヴォルザーク(1841-1904)は、祖国の民族性に根ざしつつ、国際的な水準の作品を発表した19世紀を代表するチェコの作曲家である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽シューマンの「謝肉祭」他』 2022/07/20放送

1841年に当時はオーストリア帝国の一部だったチェコのプラハの北、北ボヘミアで生まれた。

中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、189項。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ヤナーチェクの「グラゴル・ミサ」』 2024/3/6放送

幼い時から音楽の才能を見せ、音楽の才能を見出した叔父の援助を受けてプラハの音楽学校で学ぶ。
国民劇場のヴィオラ奏者になると、指揮者を勤めていたスメタナに作品を褒められ、徐々に作曲家としても頭角を現すようになった。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ブラームスの「弦楽六重奏曲 ト長調」他』 2022/07/27放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ヤナーチェクの「グラゴル・ミサ」』 2024/3/6放送

ブラームスとの出会い

ドヴォルザークは苦学を重ねたが、30代になってから成功のきっかけをつかむ。
オーストリア政府が若く有望な芸術家に支給する奨学金を受けるため作品を応募し、34歳の年から続けて5年間受給者に選ばれた。その審査員の1人だったブラームスがドヴォルザークの才能に目を留めたのである。
こうして、1877年、ブラームスがドヴォルザークの作品を認めたことがきっかけで、2人は親しく交わるようになった。そして、ドヴォルザークは先輩作曲家ブラームスの後押しで広くその名が知られるようになった。ブラームスにその才能を見出されたのである。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ブラームスの「弦楽六重奏曲 ト長調」他』 2022/07/27放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークのピアノ五重奏曲作品81 他』 2022/11/21放送。アントニン・ドヴォルザーク - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/アントニン・ドヴォルザーク。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 自然に抱かれて(1)』 2024/1/26放送

スラブ舞曲の大成功

ブラームスは大きな出版社にドヴォルザークの作品を紹介した。出版社は楽譜の出版を決め、同時に新たな曲の作曲を依頼した。それが1878年36歳の時に発表して評判になった「スラヴ舞曲 作品46」である。この作品は彼の名を広めた出世作として知られている。

なお、作品の大部分はドヴォルザークの故郷であるチェコの舞曲に基づいている。民謡や民族舞曲がクラシックの音楽として作品化されたのである。
ただし、民謡や民族舞曲が引用されているため、オリジナリティに欠けると批判されることもある。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ドボルザークのスラブ舞曲 作品46ほか』 2022/08/23放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークのピアノ五重奏曲作品81 他』 2022/11/21放送。中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、191項。

交響曲作曲家としての名声

また、ドヴォルザークはスラブ舞曲で大成功したほか、交響曲の作曲家としても名声を獲得していく。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ヤナーチェクの「グラゴル・ミサ」』 2024/3/6放送

国際的名声

ドヴォルザークの作品はいずれも好評であったため、出版社はさらに新曲を依頼して作品が次々と世に出ていった。
楽譜は母国チェコ以外でも多くの演奏家の手に取られ、みるみるうちに国外でも演奏の機会を得て国際的な名声を得ていった。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークのピアノ五重奏曲作品81 他』 2022/11/21放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 自然に抱かれて(1)』 2024/1/26放送

40代を目前にした頃には、ベルリン、ハンブルク、ニューヨークなどさまざまな都市で作品が演奏されるようになっていた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークのピアノ五重奏曲作品81 他』 2022/11/21放送。

40代になると、今度はロンドンで自作を指揮する機会に恵まれる。43歳になる年、1884年の3月にロンドンで公式に3回自作の指揮者として演奏会に登場して聴衆の熱い歓迎を受けた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークのピアノ五重奏曲作品81 他』 2022/11/21放送

経済的安定

40代になり国際的な名声を得て経済的な心配もなくなったドヴォルザークは、プラハから南西におよそ70キロ離れた自然豊かな村ヴィソカーに小さな別荘を建て、緑豊かなこの地で作曲をしながら多くの時間を過ごすようになった。
ドヴォルザークはここではとても幸せを感じると友人への手紙に書き綴っている。緑豊かな木々に囲まれたこの場所はインスピレーションの源でもあった。
水の精が主人公のオペラ「ルサルカ」はその深い森の奥にある小さな湖の幻想的な風景にインスピレーションを得て生まれたと言われている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークのピアノ五重奏曲作品81 他』 2022/11/21放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 自然に抱かれて(1)』 2024/1/26放送

名誉博士号の授与

49歳になった1891年にプラハ大学とケンブリッジ大学から名誉博士号を授与された。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ヤナーチェクの「グラゴル・ミサ」』 2024/3/6放送

アメリカ時代

ドヴォルザークはプラハ音楽院で作曲を教えるようにもなっていたが、50歳の頃、1891年にニューヨークのナショナル音楽院の院長になってほしいという依頼を受け、その後3年ほどアメリカで教職を務めることになった。
実はチェコを離れたくなかったドヴォルザークはこの申し出を最初は断った。しかし、あまりにも条件が良かったことや大好きな鉄道、アメリカの大陸横断鉄道を間近に見られるという誘惑にはあらがえなかったようで、結局引き受けて1892年にアメリカに渡った。

中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、191項。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークの交響曲第9番「新世界から」』 2023/6/15放送

帰国

アメリカから帰国後はプラハ音楽院の教授となった。
チェコだけでなく、国際的な名声を得た。
1904年に亡くなり、国葬が執り行われた。
今でもチェコで絶大な人気があり、最も尊敬されている人物の1人となっている。

中川 右介 『クラシック音楽の歴史』 角川ソフィア文庫、2017年、192項。

ドヴォルザークの人物像

鉄道

ヴォルザークはかなり熱心な鉄道マニアで、チェコにいた頃から作曲に行き詰まると駅に行って列車を眺めたり、駅員と話をしたりしてリフレッシュしていたという。アメリカ時代には音楽院に行く前に必ず運行状況を確かめ、時刻表もしっかり頭に入っているという鉄オタぶりであった。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークの交響曲第9番「新世界から」』 2023/6/15放送

ドヴォルザークの音楽史における位置づけ

チェコの国民楽派

ドヴォルザークはスメタナとともにチェコの代表的な国民楽派で、世界的に活躍した。

国民音楽国民楽派)の特徴・有名な曲・活躍した作曲家・時代背景を知ろう|クラシックなひと時 https://classical-music-info.jp/nationalist-school。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークの交響曲第9番「新世界から」』 2023/6/15放送

他の音楽家との関係

ブラームス

1877年、ドヴォルザークの作品をブラームスが認めたことがきっかけで、2人は親しく交わるようになった。ドヴォルザークはブラームスにその才能を見出された。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ブラームスの「弦楽六重奏曲 ト長調」他』 2022/07/27放送。NHK-FM(東京) 『ドボルザークの交響曲第7番 ほか - クラシックカフェ - NHK』 2023/12/26放送

スーク

スークはドヴォルザークの愛弟子である。

平凡社 『世界大百科事典』

なお、ドヴォルザークは地元のチェコ、プラハにいる時、毎日欠かさず最寄り駅に行っては蒸気機関車の車両番号を控えていて、都合がつかない日は弟子のスークに記録を頼んでいた。
しかし、機関車に興味がないスークはある日間違えて炭水車の車両番号を伝えてしまう。普段は温厚なドヴォルザークが自分の娘にお前はろくに汽車のことを知らないあんな男と結婚するのかと怒ったというユニークなエピソードが残されている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(2)』 2022/12/20放送

ドヴォルザークの作品

ドヴォルザークは交響曲や室内楽、ピアノの作品の中にチェコなどの民族的な要素を取り入れ、数々の魅力的な作品を書き上げた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ドボルザークのスラブ舞曲 作品46ほか』 2022/08/23放送

代表作には、交響曲第9番「新世界から」やチェロ協奏曲、そしてオペラ「ルサルカ」など規模の大きな作品が挙げられる。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークのピアノ五重奏曲作品81 他』 2022/11/21放送。

交響曲

ドヴォルザークはブラームスにその才能を見出され、チェコの国民学派を代表する作曲家として活躍したが、交響曲のジャンルではブラームスを超える9曲ものシンフォニーを作曲している。
ただし、9曲のうち生前に出版されたのは第5番から第9番までの5曲のみである。 かつては後半5曲のみに番号が付けられ、たとえば、今日第9番とされている新世界交響曲を第5番と呼ぶなど、現在と違った習慣もあったようである。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークの交響曲第7番 ほか』 2022/12/26放送

交響曲 第6番 ニ長調 作品60

この曲はドヴォルザークが国際的に活躍し始めた1880年に完成した。親しみやすく朗らかなこの交響曲は、初演から間もなくヨーロッパ各地で演奏され好評を博した。
明るく田園的な第1楽章、穏やかな第2楽章、チェコの民族舞曲のリズムで書かれた第3楽章、ブラームス交響曲第2番の影響を思わせる第4楽章の全4楽章。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ブラームスの「弦楽六重奏曲 ト長調」他』 2022/07/27放送

交響曲 第7番 ニ短調 作品70

かつては第2番と呼ばれた作品である。
交響曲の伝統的な構成にチェコの民族的な要素とロマンチックな情感を織り交ぜたシンフォニーである。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークの交響曲第7番 ほか』 2022/12/26放送

交響曲 第8番 ト長調 作品88

この作品は1889年の夏の終わりにこのヴィソカーの別荘で書き始め11月にプラハで完成した。ボヘミアの自然の息吹がドボルザークならではの民族色豊かな色彩によって描き出されている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 自然に抱かれて(1)』 2024/1/26放送

交響曲 第9番 ホ短調 作品95「新世界から」

アメリカ時代、ドヴォルザークは教師としても熱心で、様々な人種の生徒たちを分け隔てなく親身になって指導し、アメリカ先住民の音楽や黒人霊歌などにも大変興味を持った。
そして、そのアメリカ滞在中に交響曲第9番「新世界から」や弦楽四重奏曲「アメリカ」など彼の代表作となる傑作を生み出している。
アメリカでの新しい様々な体験が創作への大きな刺激になったに違いない。しかし、その一方で祖国チェコへの郷愁も募らせ、ドヴォルザークは夏の休暇にアイオワ州のスピルビルというチェコからの移民が多く住む村も訪れている。交響曲第9番はそんなドヴォルザークのアメリカで受けた新鮮なインスピレーションとチェコへの郷愁が紡ぎだす豊かな叙情が聞こえてくる作品である。
1893年12月にニューヨークのカーネギーホールで初演され、大成功を収めた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークの交響曲第9番「新世界から」』 2023/6/15放送

協奏曲

ドボルザークはピアノ、バイオリン、チェロのために1曲ずつ協奏曲を残している。中でもチェロ協奏曲はドボルザークの代表作の1つに挙げられる人気曲。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バッハの無伴奏バイオリンのためのパルティータ第2番』 2024/1/9放送

バイオリン協奏曲 イ短調 作品53

チェロ協奏曲はドボルザークの代表作の1つに挙げられる人気曲だが、バイオリン協奏曲も魅力的な旋律にあふれ、またボヘミアの民族音楽の要素が見事に織り込まれている。
作曲のきっかけは当時の名バイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムからバイオリン協奏曲の作曲を勧められたことであった。ドボルザークは故郷で直ちに作曲に取り組み、2カ月間で書き上げ、ベルリンに住むヨアヒムのもとを訪れた。その後、ヨアヒムのアドバイスを受けて作品を修正し、「心からの尊敬の念を持って偉大な巨匠ヨーゼフ・ヨアヒムへ」という言葉とともに彼にスコアを送ったた。しかし、どういうわけか、ヨアヒムはついにこの作品を公の場で演奏することはなかった。初演はドヴォルザークと同じチェコ出身のバイオリン奏者フランティシェク・オンドジーチェクの独奏によって首都をプラハで行われた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バッハの無伴奏バイオリンのためのパルティータ第2番』 2024/1/9放送

森の静けさ 作品68-5、B182

ドボルザークがピアノ連弾組曲「ボヘミアの森」からの第5曲を自ら編曲したチェロと管弦楽のための作品。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 自然に抱かれて(1)』 2024/1/26放送

管弦楽曲
セレナード

ドヴォルザークは2曲のセレナードを残していて、それぞれ「弦楽セレナード」「管楽セレナード」と呼ばれる。

アントニン・ドヴォルザーク - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/アントニン・ドヴォルザーク

セレナード ホ長調 作品22、B52(弦楽セレナード

1875年5月、34歳の時に10日ほどで書き上げたという初期の作品。まだ無名だったドヴォルザークは生活のためになかなか作曲に専念できずにいたが、この曲を作曲する2カ月ほど前にオーストリア政府の奨学金の審査に合格し、かなりの額の奨学金を受けられることが決まった。ほっとした喜びと共に作曲に没頭し、一気に書き上げられたこの曲は幸福感に満ちた爽やかなチェコの風を感じるような音楽となっている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ グリーグ組曲「ホルベアの時代から」 他』 2022/12/1放送

セレナード ニ短調 作品44、B77(管楽セレナード

弦楽セレナードがプラハで好評を博したこともあり、1878年に今度は木管楽器を中心としたセレナードを作曲する。前の年に幼い子供を相次いで失い、「スターバト・マーテル(」悲しみの聖母)」を完成させたドヴォルザークは何か思うところがあったか、この管楽セレナードを一気に書き上げている。

NHK-FM(東京) 『音楽の泉 ドボルザークの管楽セレナード』 2023/7/2放送

マズレック ホ短調 作品49

バイオリンの名曲。ポーランドの三拍子系の民族舞曲マズルカのリズムに基づく技巧的な音楽で、曲はサラサーテに献呈された。
なお、ホ短調は、スラブの作曲家たちが愛した調性である。

NHK-FM(東京) 『音楽の泉 ドボルザークの管楽セレナード』 2023/7/2放送

スラヴ舞曲

スラヴ舞曲はいずれも8曲からなる第1集作品46(B83)と第2集作品72(B147)が存在する。

スラヴ舞曲 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/スラヴ舞曲

スラヴ舞曲 第1集 作品46、B83

先述したように、この曲はドヴォルザークが36歳の時の作品で彼の名を広めた出世作として知られている。
ドヴォルザークはベルリンの楽譜出版社から大成功を収めたブラームスのハンガリー舞曲に匹敵するようなスラブ的な特徴を持つ作品を求められた。当時、作曲家としてまだほとんど知られておらず、生活も楽ではなかったドヴォルザークは早速その仕事に取り掛かり、1878年ピアノ連弾のためのスラブ舞曲第1集を完成させた。出版と同時に大好評を得た。
作品全体は8曲からなり、その大部分がドヴォルザークの故郷であるチェコの舞曲に基づいている。
元々はピアノ連弾曲として作られたが、後にドヴォルザーク自身が管弦楽版を編曲した。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ドボルザークのスラブ舞曲 作品46ほか』 2022/08/23放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークのスラブ舞曲作品72』 2023/10/3放送

スラヴ舞曲 第2集 作品72、B147

スラブ舞曲第1集を完成させた8年後にスラブ舞曲の第2集にあたる作品72を作った。
第1集に収められた曲のほとんどがドヴォルザークの故郷チェコの民族舞曲で構成されているのに対し、この第2集はウクライナの民謡ドゥムカやポーランドのポロネーズなどチェコ以外のスラブ民族舞曲を広く取り上げている。陽気で熱狂的な曲だけでなく、優雅で憂いを帯びた曲やロマンチックな曲など幅広い魅力を持った舞曲集である。

オリジナルはピアノ連弾版であるが、後にドヴォルザーク自身がオーケストラ版を編曲している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークのスラブ舞曲作品72』 2023/10/3放送

・第2番 ホ短調

ドヴォルザークの中で最も愛されている作品。

NHK-FM(東京) 『音楽の泉 ドボルザークの管楽セレナード』 2023/7/2放送

序曲「謝肉祭」作品92

ドヴォルザークは49歳になった1891年にプラハ大学とケンブリッジ大学から名誉博士号を授与された。
そのため、プラハ大学への返礼として序曲「謝肉祭」を作曲した。
祭りのイメージそのままに賑やかな音楽で序曲が始まる。しかし、中間部には自然の情景を表す静かな音楽が挟まれ、全体を通すと田舎の謝肉祭の情景が表現されている。
なお、この作品は後に「自然と人生と愛」という3曲からなる演奏会用序曲集にまとめられた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ヤナーチェクの「グラゴル・ミサ」』 2024/3/6放送

ただし、3曲の中では「謝肉祭」がとりわけ有名で単独で演奏されることが多い。3曲をまとめて演奏することはチェコでもあまり多くない。

自然と人生と愛 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/自然と人生と愛

室内楽曲

ドヴォルザークは室内楽にも深い関心を示していた。20歳の年に書いた作品番号1の弦楽五重奏曲に始まり、創作活動のほぼ全般にわたって作曲し続けた室内楽はおよそ40曲にも及ぶ。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークのピアノ五重奏曲作品81 他』 2022/11/21放送。

ピアノ五重奏曲 イ長調 作品81

この曲はヴィソカーの別荘で作曲された。
1887年8月に書き始めて10月に完成し、翌年1月にプラハで初演された。
叙情的でドラマチック、そして豊かな民族色に彩られたこの作品から円熟期を迎えたドヴォルザークの溢れる創作意欲を感じることができる。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドボルザークのピアノ五重奏曲作品81 他』 2022/11/21放送。

弦楽五重奏曲

ドヴォルザークは弦楽四重奏にコントラバスを加えた弦楽五重奏曲を書いている。

NHK-FM(東京) 『モーツァルト弦楽五重奏曲ト短調 - 音楽の泉 - NHK』 2023/7/23放送

ピアノ曲
詩的な音画 作品85

詩的な音画、即ち、音の絵画は1889年、ドボルザークが48歳になる年に完成された。
それぞれタイトルを持った全13曲で構成されていて、ドボルザークのふるさとボヘミアの風景を音で描いている。音楽は素朴で愛らしく、ドボルザークが祖国に向ける温かい視線が感じられる作品。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シューマン交響曲第1番「春」』 2024/3/7放送



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