ウクライナ―歴史
ウクライナの歴史
騎馬遊牧民
ウクライナのステップ地域は前6世紀以降、騎馬遊牧国家の一部であった(→例.キプチャック人)。
『世界各国便覧』 山川出版社、2009年、132頁。
東スラブ人
カルパティア山脈北方を原住地とし、スラブ諸語を話す東欧のインド・ヨーロッパ語系民族であるスラブ人は、6世紀に遊牧民アヴァール人に圧迫され、東西南の3方向に分かれて移動し※1、以降、東欧・南欧各地に拡大した※2。
※1 『新詳 世界史B』 帝国書院、2021年、96頁。
※2 『世界史用語集』 山川出版社、2014年、90頁。
スラブ人は、言語・地域から東スラブ人・西スラブ人・南スラブ人に分けられるが、そのうち、東スラブ人はドニエプル川流域から北方の平原にかけて広がり、ロシア人・ウクライナ人などに分かれた。
『世界史用語集』 山川出版社、2014年、90頁。『新詳 世界史B』 帝国書院、2021年、96頁。
以上、次のページ参照。
第2次民族大移動
キエフ公国
北ゲルマンに属するノルマン人がドニエプル川流域のスラブ人地域に進出して、キエフ公国(9~13世紀)を建設した。
『詳説 世界史』 山川出版、2019年、129頁。
参考:『詳説 世界史』 山川出版、2019年、129頁。
ただし、ノルマン人による建国をロシア国家の起源とする説にはロシア国内のスラブ系の人々に強い反発もある。
『世界史用語集』 山川出版社、2014年、91頁。
ポーランド支配下
ルブリン合同
1569年のルブリン合同でウクライナはポーランド支配下に入った。
『世界各国便覧』 山川出版社、2009年、132頁。
ロシア支配下
アンドルソヴォ条約
1667年、ロシア・ポーランド戦争(1654‐1667年)を終結させるためのアンドルソヴォ条約で、ロシアとポーランドは、ウクライナをドニエプル川左岸と右岸に分割し、ロシアはドニエプル川左岸を獲得した。
ポーランド分割(1772.1793.1795年)後はドニエプル川右岸もロシア領となった。
『世界各国便覧』 山川出版社、2009年、132頁。アンドルソヴォ条約 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/アンドルソヴォ条約
ソヴィエト社会主義共和国連邦
1922年にロシア・ウクライナ・ベラルーシ(白ロシア)・ザカフカースの4ソヴィエト共和国が連合してソヴィエト社会主義共和国連邦(ソ連邦、ソ連)を結成した。
『詳説 世界史』 山川出版、2019年、338頁。
第一次五カ年計画
コルホーズ・ソフホーズ
スターリンは1928~1932年に重工業化と農業の集団化・機械化を柱とする第一次五カ年計画を強行したが、農業集団化にはコルホーズ(集団農場)とソフホーズ(国営農場)があった。
『新詳 世界史B』 帝国書院、2021年、274頁。
五カ年計画で最重要地域と位置づけられたのが、ソ連成立とともにその構成国となったウクライナだった。
ヨーロッパの穀物庫と呼ばれた肥沃な土地は国有化され、農村の人々は集団農場へ強制加入させられた。
収穫物はすべて国のものとなり、農民には作付けの種さえ残らなかった。
NHK総合 映像の世紀バタフライエフェクト「スターリンとプーチン」 2022年05月23日放送
30年代にウクライナの民族主義は弾圧され、農業集団化でも大量の犠牲を出した。
『世界各国便覧』 山川出版社、2009年、132頁。
政府は集団化に抵抗する多数の農民を逮捕・投獄し※、生産物の強制供出を実行した。
『詳説 世界史』 山川出版、2019年、345頁。
※処刑されたり強制収容所に送られたりした。
『新詳 世界史B』 帝国書院、2021年、274頁。
ホロドモール
1932年から翌年にかけては当時のソヴィエトのスターリン政権が引き起こしたとされるホロドモール(大飢饉)が起こり、数百万人が犠牲になった。多くの人が飢えで亡くなることが日常になっていた。
NHK 『NHKニュ―ス おはよう日本 東京五輪談合 多くの入札1社のみ参加か』 2022年11月27日放送
(説明)
1931年ウクライナは天候不順による凶作に見舞われる。
農民たちは飢饉に陥り、現地の共産党幹部はスターリンに取り立てを止めるよう懇願した。
しかし、スターリンは聞く耳を持たなかった。
飢饉の中でも過酷な食糧徴発が続けられ、飢えで300万のウクライナ人が命を落とした。
NHK総合 映像の世紀バタフライエフェクト「スターリンとプーチン」 2022年05月23日放送
なお、ウクライナの民間団体が2022年11月に1000人を対象にして行った世論調査では、93%がホロドモールはウクライナ人に対する集団虐殺だと思うと回答したとのことである。
NHK 『NHKニュ―ス おはよう日本 東京五輪談合 多くの入札1社のみ参加か』 2022年11月27日放送
第二次世界大戦
独ソ戦
共産主義ロシアの圧制からの解放軍
開戦当初はソ連軍が大敗を喫したこともあり、歴史的に反ソ感情が強かったバルト地方(→バルト三国の歴史)や、スターリンの弾圧に苦しんだウクライナの住民は、ドイツ軍を当初「共産主義ロシアの圧制からの解放軍」と歓迎し、ドイツ軍に志願したり共産主義者を引き渡すなど自ら進んでドイツ軍の支配に協力する住民も現れた。
参考:独ソ戦 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/独ソ戦
スターリンへの反旗はウクライナ全土へと広がっていった。
NHK総合 映像の世紀バタフライエフェクト「スターリンとプーチン」 2022年05月23日放送
ソ連から独立
ウクライナはロシアと同様にソビエト連邦(ソ連)に属していたが、1991年8月に、ソ連崩壊とともに独立した。
ロシアのウクライナ併合
2014年に新ロシア派のヤヌコビッチ政権が崩壊し、欧米寄りの政権が誕生した。
新政権がEUやNATO加盟の意向を示すと、クリミアやウクライナ東部のロシア系住民が分離運動を起こし、ロシアのプーチン大統領は戦略的な要衝でもあったクリミアの併合を強行した。
参考:『詳説 世界史』 山川出版、2019年、401頁。
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