[歴史②]世界史

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ドビュッシー―作品


ドビュッシーの作品

作風

無調音楽

ドビュッシーは独自の響きを追求し、無調音楽への先駆けとなった。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ラヴェル弦楽四重奏曲ヘ長調 他』 2022/9/22放送

ピアノ曲

2つのアラベスク

ローマ賞の大賞を受賞してローマに留学し、2年の滞在を終えて帰国後20代半ばで作曲した曲である。
アルペジオの流れる様なメロディーに彩られた第1曲と軽やかで躍動感あふれる第2曲で構成されている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドビュッシーの二つのアラベスク 他』 2022/10/24放送

舞曲

ドビュッシーのピアノ小品。当初、「スティリー風タランテラ」というタイトルで出版されていた。スティリーはオーストリアのチロル地方の地名である。曲全体は6/8拍子の急速な舞曲で、タランテラのリズムに基づいており、明るい民族的なダンスが表現されている。

なお、この曲はラヴェルが管弦楽版への編曲を行っている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェル組曲クープランの墓」他』 2022/11/29放送

ロマンチックなワルツ

1890年28歳の年に作られたショパンの影響が強く感じられる作品。ワルツのリズムが刻まれる中、右手がロマンチックなメロディーを歌い始める。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ブルックナー交響曲第4番「ロマンチック」』 2023/7/25放送

ピアノのために

1901年に出版された。
前奏曲、サラバンド、トッカータの3曲からなる。第2曲のサラバンドはすでに1894年に作曲されていたことが分かっている。
初演は1902年スペイン出身の名ピアニスト、ビニエスが弾いた。また、ドビュッシーがなくなった後の1922年には第2曲のサラバンドラヴェルが管弦楽のために編曲している。
この作品はドビュッシーが独自の和声法を確立する時期の傑作として知られ、多くのピアニストに愛され演奏されている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ プーランクのバレエ音楽「めじか」』 2024/2/7放送

版画

「版画」は、1903年に完成されたピアノ曲集であり、「映像」とともに印象主義音楽のピアノ曲の書法を確立した作品である。独立した3曲からなる。そのうちの「塔」は夢の国・東洋への幻想を描いた曲である。

喜びの島

プーランクの「シテール島への船出」と同じく18世紀のフランスの画家ヴァトーに着想を得た作品(1904)である。
音の響きを細やかに重ねて、幻想的な雰囲気の中に愛の喜びを描き出している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽プーランクのオルガン協奏曲 他』 2022/9/28放送

映像 第1集・第2集・第3集

ドビュッシーはピアノのための映像第1集と第2集、そして管弦楽のための映像第3集という3つの曲集を完成させた。それぞれ3曲ずつの曲集である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ドビュッシーの前奏曲集第1巻 他』 2022/07/13放送

映像 第1集

映像第1集は次の3曲から構成される。

  1. 水に映る影
  2. ラモー賛歌
  3. 動き

第1曲は「水に映る影」というタイトルを持っているが、ラヴェルの「水の戯れ」が水そのものの動きを表現した曲であるのに対して、ドビュッシーの「水に映る影」は、水に映し出された光と影が揺れ動き、様々に姿を変えていく様子を描き出している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ヘンデル組曲「王宮の花火の音楽」ほか』 2022/07/26放送

映像 第2集

映像第2集は次の3曲から構成される。曲名が楽曲の物語を語っている。

  1. 葉ずえを渡る鐘
  2. 荒れた寺にかかる月
  3. 金色の魚

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 音がつむぐものがたり(2)』 2023/11/7放送

特に「金色の魚」は日本の蒔絵からインスピレーションを受けたと言われている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 音がつむぐものがたり(2)』 2023/11/7放送

映像 第3集

映像第3集は次の3曲から構成される。

  1. ジーグ
  2. イベリア
  3. 春のロンド

「イベリア」はドビュッシーが43歳になる1905年から1908年にかけて作曲された。イベリア半島に題材をとったこの曲は、全体を通してスペイン風のリズムや音色が際立っている。しばしば単独で演奏される。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ドビュッシーの前奏曲集第1巻 他』 2022/07/13放送。映像 (ドビュッシー) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/映像_(ドビュッシー)

子どもの領分

6曲からなるピアノのための組曲
先述したように、ドビュッシーは1905年、43歳になる年に娘を授かり、大変可愛がった。1908年にこの曲を作曲して娘に捧げた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(3)』 2022/12/21放送

なお、フランスの作曲家カプレが1910年にこの作品をオーケストレーションしている。ドビュッシーもこの編曲を気に入ったようで、1912年パリの演奏会でドビュッシー自らも指揮をした。カプレは1878年生まれでドビュッシーと親交があり、指揮者でもあった。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ラヴェル弦楽四重奏曲ヘ長調 他』 2022/9/22放送

ハイドンをたたえて

1909年に作曲。

ドビュッシーの楽曲一覧 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ドビュッシーの楽曲一覧

ハイドン没後100年を記念して音楽雑誌が企画した特別号のために作られた。その企画はハイドンの名前のつづりをドイツ語の調整記号によって読み替えて得られた5つの音からなる音型を用いて作品を作るというものであった。ドビュッシーラヴェル、デュカスを含む6人の作曲家が依頼を受けて曲を作った。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ サン・サーンス組曲「動物の謝肉祭」ほか』 2023/11/28放送

レントよりおそく

この作品はピアノ曲として、1910年、48歳の年に作られた。ワルツ風の小品で印象的な優雅なメロディーが洗練されたハーモニーを伴って奏でられる。
のちにドビュッシー自身が編曲した管弦楽版もある。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェル組曲クープランの墓」他』 2022/11/29放送

2つの前奏曲集

バッハの「平均律クラヴィーア曲集」やショパンの「24の前奏曲」などと同様に、24曲からなる前奏曲集である。

前奏曲 (ドビュッシー) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/前奏曲 (ドビュッシー)

前奏曲集 第1巻

1909年から翌年にかけて、ドビュッシーは2カ月という短い期間で12曲からなる前奏曲集第1巻を作曲した。これにはショパンの生誕100年を記念して出版する意図があったとも言われている。
12曲はそれぞれタイトルがつけられている。なお、第8曲は「亜麻色の髪の乙女」である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ドビュッシーの前奏曲集第1巻 他』 2022/07/13放送

前奏曲集 第2巻

12曲からなる曲集。

第7曲 月の光が降り注ぐテラス

この曲はフランスから遠く離れた国インドでの戴冠式の様子を報じた文章に着想を得たという。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽リヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」他』 2022/08/29放送

第8曲 水の精

この曲は展覧会で見た童話の挿絵にインスピレーションを得て書いたという。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽リヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」他』 2022/08/29放送

ピアノのための12の練習曲

ドビュッシーの最晩年のピアノ曲。1915年に作曲し、そして、この作品集をショパンの思い出に捧げた。
ドビュッシーショパンと同じく単なる指の訓練ではなく、芸術的な内容を持ったピアノ曲に仕上げている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」』 2023/9/6放送。練習曲 (ドビュッシー) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/練習曲 (ドビュッシー)

ピアノ連弾

組曲

作曲家の登竜門だったローマ大賞を受賞してイタリアに留学し帰国した1887年頃からドビュッシーはフランスらしさを探求するようになる。特にヴェルレーヌやマラルメのような象徴主義の詩人の影響を強く受けた。この作品はそうした時期の1889年に作曲された。

ピアノ連弾のための作品で「小舟で」「行列」「メヌエット」「バレエ」の4つの曲からなる。第1曲と第2曲はヴェルレーヌの作品を基にしていると言われている。
後にドビュッシーの友人だったビュセールが管弦楽用に編曲していて、現在ではこの編曲の方がよく演奏されている。ビュセールはドビュッシーより10歳年下の1872年生まれで、作曲家、指揮者、教育者として長年活躍を続け、1973年にパリで101歳の生涯を閉じた。
また、ゾルターン・コチシュがチェロのボーイングなどペレーニの協力も得て編曲したチェロとピアノ版もある。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ラヴェル弦楽四重奏曲ヘ長調 他』 2022/9/22放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バルトークのルーマニア民俗舞曲』 2023/7/27放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ プーランクのバレエ音楽「めじか」』 2024/2/7放送

民謡を主題としたスコットランド風行進曲

28歳になる1890年、アメリカの軍人からの依頼で作曲した連弾によるピアノ曲。ドビュッシーが初めて依頼を受けて作曲した作品である。
後にこの作品を管弦楽に編曲し、現在のタイトルになった。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バルトークの管弦楽のための協奏曲 他』 2022/10/19放送

リンダラージャ

この作品は1901年、ドビュッシーが39歳の年に作曲された。
曲名のリンダラージャとは、スペイン南部のグラナダにあるアルハンブラ宮殿の中庭の名前である。
ドビュッシーはハバネラのリズムを用いながら、異国情緒あふれる独特な世界を生み出している。
作曲のきっかけは明らかになっておらず、作品自体ドビュッシーの死後に発見された。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ モーツァルトの2台のピアノのためのソナタ 他』 2022/11/28放送

ハープと弦楽のための舞曲「神聖な舞曲と世俗的な舞曲

ハープの製作会社から依頼を受けたドビュッシーが1900年に作曲した作品。
当時、新たに開発され1896年に発表されたクロマティックハープのために書かれた作品である。クロマティックハープとは、78本の弦を張ってペダルなしで半音階を演奏できるようにしたものである。同じ頃、このライバル会社がペダル式のハープのための作品をラヴェルに依頼し、翌年の1905年に「序奏とアレグロ」が作曲されている。まさにハープ対決といった状況であったが、そこからハープの美しい名曲が2つ生まれたわけである。
なお、半音階の弦を張ったクロマティックハープは結局実用的ではなく、その後ペダル式のハープが主流となっていった。今日では一般的にはドビュッシーの作品もペダル式のハープで演奏されている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ラヴェル弦楽四重奏曲ヘ長調 他』 2022/9/22放送

室内楽曲

ソナタ

ドビュッシーは晩年、さまざまな編成による6曲のソナタの作曲を計画する。しかし、3曲まで完成させたところで病に倒れ、1918年、55歳で世を去った。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェル組曲クープランの墓」』 2023/3/27放送

チェロ・ソナタ

この作品はソナタのシリーズの第1作で1915年に作曲された。即興的で変化に富んだパッセージが随所に散りばめられたこの曲にドビュッシー自身は「月と仲たがいしたピエロ」という名を付けている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェル組曲クープランの墓」』 2023/3/27放送

フルート、ビオラ、ハープのためのソナタ

1915年に完成されたソナタ。3つの楽器が掛け合って神秘的な雰囲気を作り出している。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バルトークビオラ協奏曲』 2023/5/10放送

残された他の2曲と共に、ドビュッシーが作曲した室内楽曲の傑作と評価されている。

フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ

なお、武満徹はドビュッシーの音楽やこのソナタを愛し、同じ編成で名曲を書いている。

NHK-FM(東京) 『音楽の泉』 2022/2/21放送

弦楽四重奏曲 ト短調 作品10

1893年に書き上げた作品。
なお、このおよそ10年後、ラヴェルがまだ20代の頃、この作品に影響を受けて1900年から3年にかけて「弦楽四重奏曲 ヘ長調」を作曲している。ドビュッシーは、ラヴェル弦楽四重奏曲を大変高く評価して、そのままで素晴らしい、どこにも手を入れてはならないと語ったというが、その後、ラベルは部分的に改訂し、出版した。今日演奏されているのは、この改訂版である。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽ラヴェル弦楽四重奏曲ヘ長調 他』 2022/9/22放送

管弦楽曲

牧神の午後への前奏曲

先述したように、ドビュッシーはマラルメの詩「牧神の午後」に触発され、1894年、32歳の時に管弦楽曲「牧神の午後への前奏曲」を発表した。
発表当初から音楽界に強い衝撃を与えた。フルートの神秘的な旋律に導かれ始まるこの曲は今日20世紀の新しい音楽の幕開けを告げる重要な作品に位置付けられている。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドビュッシーの二つのアラベスク 他』 2022/10/24放送。NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ▽フォーレ組曲「ペレアスとメリザンド」他』 2022/07/05放送

夜想曲

「牧神の午後への前奏曲」が成功し、期待の若手作曲家として歩み始めたドビュッシーは次々と意欲的な作品を生み出していき、1899年には管弦楽曲「夜想曲」が完成した。
次の3つの曲で構成される。なお、第3曲「海の精」では女性合唱(歌詞なし)が銀色の波の間から聞こえてくる海の精の歌のように神秘的に響き渡る。

  1. 祭り
  2. 海の精

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ドビュッシーの二つのアラベスク 他』 2022/10/24放送

交響詩「海」

1903年、ブルゴーニュ地方のビシャンという村で、交響詩「海」の作曲に取りかかった。翌年、のちに妻となるエンマとジャージー島で夏を過ごす。フランスとイギリスを隔てる海峡にあるジャージー島での滞在中、ドビュッシーは出版社にあてて滞在中のホテルから見える海の美しさを語っている。しかし、この滞在では交響詩「海」は完成せず、さらにフランス北部ノルマンディー地方の港町ディエップで作曲を進めた。完成したのは1905年。 全3曲で構成されている。演奏の難しさから初演は失敗に終わり、1908年、ドビュッシー自身が指揮台に立った再演でようやく評価を得ることができた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ シベリウス交響曲第5番』 2023/1/25放送

協奏曲

ピアノと管弦楽のための幻想曲

ドビュッシーが生涯に残した唯一のピアノとオーケストラのための作品。若いドビュッシーのみずみずしい色彩感に溢れた作品である。

ドビュッシーが若い頃、フランスの芸術家の登竜門ローマ大賞を受賞してローマに留学した際に書かれた留学作品の最後の曲として作曲された。ドビュッシーが27歳の頃に2つの楽章からなる作品として完成したが、初演の演奏会のための練習の前に突然ドビュッシーが行方をくらまし、ドビュッシーの生前にこの曲が演奏されることはなかった。
ドビュッシーが世を去った翌年1919年にアルフレッド・コルトーのピアノで初演され、その後楽譜も出版された。そして、20世紀後半には指揮者で放送局のプロデューサーなどもつとめたアンドレ・ジューヴによる改訂版の楽譜も出版された。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ バルトークのルーマニア民俗舞曲』 2023/7/27放送

バレエ音楽

おもちゃ箱

ドビュッシーは43歳になる年に生まれた娘クロード・エマを「シュシュ」(キャベツちゃん)という愛称で呼び、かわいがったが、この曲は愛する娘シュシュに寄せる想いから、広く子供たちに向けた作品の1つ。 おもちゃ箱の中の人形の世界を音楽で書いた。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ 特集 冬のぽかぽかクラシック(1)』 2022/12/19放送

歌曲

パンの笛

フルート独奏のための作品。神秘的な響きに包まれた1曲。

NHK-FM(東京) 『クラシックカフェ ラヴェル組曲クープランの墓」』 2023/3/27放送



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